V6長野博は「伝説のすた丼」を愛してやまないニンニク・ラバーだった!

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第89回 「すた丼」

 アイドルだって飯を食う。嵐に次いでジャニーズでバトンを繋ぐが、V6が11月1日で解散してしまう。メンバーの数がすなわちグループ名なので、それこそ「俺ら1人でも抜けたらV6はない」(20年9月26日のNHK「SONGS」出演時の岡田准一の発言)。

 番組での話題は「勤続25年の男たち」で、つまりデビュー25周年を迎えての節目が翌年の解散ということだった。1995年9月4日に結成されたV6は、同年11月1日にCDデビューを飾った。その記念すべき日に解散を決めたのだ。

 このグループの20th Century(通称トニセン)と呼ばれる坂本昌行・長野博・井ノ原快彦の3人はそれぞれ、グルメとしてかなり知られている。リーダーの坂本(もはや五十路とは驚く)はフジテレビ系『ノンストップ!』で料理の腕前を披露するほどだし、「変態グルメ」とまで渾名される長野はメンバー1の食通で、食関連の書籍も数冊出している。いのっちもNHK『あさイチ』、テレビ東京系『アド街ック天国』と情報番組の司会を続けるので、食に詳しい上に相当こだわりもあるようだ。

■庶民派のB級グルメ好き!?

 ただ、坂本といのっちは自身料理を手がける立場、あるいは番組の性質上、行きつけの名をメディアでまったく挙げてない。それどころか、俳優メインでロケも多い、岡田などがあちこちの飲食店に残す色紙についても、あまり情報が上がらない。事務所も当人も徹底したブランド管理をしているのだ。

 もっとも、長野博もテレビ東京『よじごじDays』の司会を務めるが、先行して美食家のイメージが定着しているため、その不文律を強いられていない。どころか、同番組ではB級グルメを手を替え品を替え紹介しているのだ。

 長野が著書や番組等で紹介するのは、名前こそ知っているが、ちょっとお高いので自分は避けてきた店ばかり。もっと読者の共感も得られそうな、大衆的な店名が挙がらないかと、あれこれ放送履歴を洗ううち、長野が意外な代物をある番組で名推薦していた。

 それが「伝説のすた丼」だ。16年1月7日放送のテレビ朝日系『アメトーーク!』の“好きだと言ってほしい…にんにく芸人”でのこと。長野と司会の雨上がり決死隊以外の出演者はケンドーコバヤシ、博多華丸、アンジャッシュ渡部建、なかやまきんに君、ずん飯尾和樹、それに夏菜だった。

■伝説の「ハートチップルまぜゴハン」

 番組では当然、それぞれが己のニンニク大好きぶりをアピール。そこで博は後述のすた丼のルーツを継承する「名物すた丼の店 国分寺店」を名指しした。他のゲストもめいめいお薦めのニンニク料理と店を紹介したが、中で最もポピュラーだったのがすた丼だった。

 画像を眺めるだけでニンニク臭が伝わり、味も想起されるという点ではベストの選択だ。渡部などは川崎の「シーハーズ パレール本店」の「にんにくのみそグラタン」を紹介したが、こちらはニンニク料理専門店なので、まったく当たり前すぎて芸がない。

 また番組後半では、ニンニクが使用されるリスカの「ハートチップル」やよっちゃん食品工業の「串刺しガーリック」までが登場。ケンコバ曰く「ハートチップルは関東人しか知らない」。確かに販売エリアは関西以東に限られるのだが、今では一部のドン・キホーテで入手可能らしい。

 ともあれ、あの味が原体験にないとは、ニンニク風味のなんたるかを語る資格すら疑いたくなるが、それはさておき、神奈川県大和市出身の長野はオリジナルのニンニク料理も披露。これが「ハートチップルまぜゴハン」という珍妙なメニューだった。

■生粋のニンニク・ラバー

 それはハートチップルを砕いて飯の上に載せ、その上から砕いたニンニクチップを軽く振りかけ、醤油をちょっと垂らして完成という、なんともイージーでジャンクな一品。とても名だたる食通が作るとは思えぬメニューだが、長野は司会陣や他のゲストの絶賛を浴びていた。

 長野はそこでもう一品、「チーズバケットガーリックオイルがけ」も公開。バゲットにマヨネーズと醤油を混ぜて塗り、その上にパルミジャーノを振りかけ、トースターで焼いたら、みじん切りにしたニンニクを熱したオリーブオイルを強かに垂らす。これには夏菜も思わず、「ウマッ!」と叫んでいた。ハートチップルもガーリックオイルも、いっそすた丼にかけてみたい誘惑に駆られる。

■ガツンとおろしニンニク…

 「すた丼」は1971年、近隣に学校が多い国立市でラーメン店を営んでいた先代が、「若い連中に腹一杯食わせやりたい」との思いから編み出した料理。今ではいろんな味のバリエーションがあるが、要は豚コマ肉のニンニク醤油炒め丼である。

 中央に卵を落とし、青ネギがパラパラ加わるくらいで、見事なまでに野菜っけがない。使用するのも業務用のおろしニンニクで、見た目からはそうとはわからない猛烈な風味にガツンとやられる。

 元従業員が独立して起業し、専門店を展開。04年に高田馬場にオープンした「名物すた丼の店」ブレイク後は、店名も「伝説のすた丼屋」に改め、全国展開を開始して今に至る。今は袂を分かった元祖の店が国立に残るが、そのニンニクの使用感はごくマイルド。次第にニンニクっけがマシマシになったのだ。また、卓上にはニンニク入りの容器も用意されており、トッピングでさらなるニンニク感増量も可能。長野も時々はこんなジャンク飯を喰らい、原点回帰を期するのだろうか……。

(取材・文=鈴木隆祐)

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  • 10/23 10:00
  • 日刊大衆

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