『チコちゃんに叱られる!』アンティークとヴィンテージの違いって? チコちゃん「恋女房は古い方がいい」

 10月15日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、共に初登場の日向坂46・佐々木久美と鈴木浩介。日向坂は6枚目のシングル「ってか」が発売間近で、新曲キャンペーン中だ。

子孫を残そうと懸命なナッツ

 この日最初のテーマは、単刀直入に「なんでナッツは美味しいの?」。すべての人がナッツを美味しいと思っているとは限らないが、少なくとも私は美味しいと思う派だ。韓国には、手軽に食べたいあまり、袋詰めのナッツを飛行機で出されて激怒した女性がいるほどの美味しさ。ただ、なぜ美味しいかは知らない。高カロリーで栄養豊富だから? はたまた、油分が多いから? チコちゃんが発表した正解は「土に埋めてもらいたいから」であった……ん? それと美味しいとが、どうつながるんだろう。

 ナッツとは「硬い殻で覆われていて種を食用とする木の実」というのが定義だそう。ナッツ=種とするなら、動物に置き換えればナッツは種→卵と考えられる。つまり、栄養が豊富に詰まっているわけだ。

 そんなナッツは、土に埋めてもらいたくて進化したという。ナッツは植物なので種を自分で土に埋められない。ナッツは熟した種を土に落とすが、そのまま放っておくと乾燥して種が死んでしまったり、虫に食べられてしまう。そこで活躍するのが、リス、ネズミ、カケス、ホシガラス等の種を土に貯蔵する習性を持つ動物たち。例えば、リスは食べるものが少ない冬に備え、落ちているどんぐりを拾い、土の中に浅く埋めて貯える。そして冬になるとどんぐり(ナッツ)を掘り起こし、食べるという。

 ……ん? だとしたら、土に埋まってもナッツは結局リスに食べられてしまうではないか。いや、大丈夫なのだ。リスはナッツを食べ残す。リスはナッツを一カ所に埋めず、他の動物に取られないよう少しずつ分けて数カ所に埋める。そして、冬になると記憶と匂いを頼りに掘り起こすらしい。リスを飼うと与えた餌をあちこちに隠すが、それと同じだ。でも、雪が多く積もるなどしてすべての種を探すのは大変。だから、土の中に種が残るというわけだ。食べ残しを前提に、ナッツは他力本願で生き残ってきたということ。リスはまんまとナッツに利用されていた! なんか、『クイズ 正解は一年後』(TBS系)で土の中に埋められる田村亮の財布みたいだな……。

 ナッツが子孫を残すための条件は4つあるという。

1. 動物が埋めた種の位置を忘れる
2. 他の動物に種を掘り起こされない
3. 浅く埋められて虫に食べられない
4. 深く埋められすぎると芽が地上まで届かない

ちょうどいい深さに埋められ、さらに忘れられる。これで、ようやくナッツは子孫を残すことができる。死後に土に埋められるのが人間ならば、生存するために自ら土に埋められるのがナッツだ。ただ、リスが絶滅するとナッツも共倒れしてしまうな……。あと、条件そのものも厳しい。上記4つの条件をクリアする確率はかなり低いのでは? いや、ナッツは子孫を残せるようしっかり進化していた。

1:熟す前に種が食べられない
果物の多くは、美味しい果実をつけて食べてもらい、フンと一緒にバラ撒いてもらうことで生殖範囲を広げる進化を遂げた。逆にナッツは、果実部分を硬くしたり渋くしたり、不味く進化した。そうすれば、種が熟す前に動物に食べられずに済むのだ。

2:熟した種を土に埋めてくれる動物に選んでもらう
野菜や果物などの種と比べるとナッツの種は一目瞭然で大きい。栄養満点のナッツは一粒を大きくすることで、動物たちに「栄養が多く摂れる」と思わせた。そのため、野菜や果物の種より冬に備える動物たちに選ばれやすくなり、土の中に種を埋めてもらいやすくなるのだ。しかも、大きい種は乾燥した場所や暗い場所でも育ちやすい進化を果たしている。

3:子孫を少しでも多く残す
普通に考えれば、毎年たくさんの種を作った方が子孫をたくさん残せそうだが、ナッツは種ができる数をコントロールしている。豊作の年ばかりだと天敵の虫が大量発生してしまうので、わざと種の数を減らし虫の数を減らすのだ。こうして天敵の数を減らす。逆に豊作の年は、動物が10メートルおきに種を遠くまで埋めてくれる。結果、生息範囲が少しずつ広がっていくのだ。そういえば、木の実が不作の年は熊が食物を求めて出没しがちだが、あれはこれが理由か……。

 なかなか面白い見解である。ナッツは子孫を残すために今どきの日本人より遥かに頑張っている。でも、疑問がないわけじゃない。あたかもリスよりナッツのほうが頭がいい設定であるが、ナッツは果たしてそんなにしたたかなのだろうか? こういう意図でナッツが進化したのではなく、そんな種が結果的にたまたま生き残ったということではないのか? これぞ、いわゆる淘汰だ。

 もう一つの疑問は、リスたちと人間の味覚は同じなのか? ということ。その前提が保証されていないと「ナッツが美味しい理由は土に埋めてもらいたいから」の説が成り立たない。

 最後に補足説明が。ナッツと聞くとピーナッツを思い浮かべる人は多いが、ナッツは「地上の木になる木の実」と定義されるので、地中で実るピーナッツはナッツではないらしい。うわっ、最後の最後で衝撃が来た。ピー「ナッツ」なのにナッツじゃないのか! 「スイカは野菜か、果物か?」の論争を思い出してしまった。

 この日最後のテーマは「アンティークとヴィンテージの違いって何?」というもので、チコちゃんが発表した正解は「100年経っているかどうか」であった。そんな単純な話なの!? 本当に年数だけの違いなのだろうか。

 詳しく教えてくれるのは、西洋アンティーク研究家の岩崎紘昌さんだ。おお、なつかしい! かつて、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)のレギュラーだった先生である。岩崎さん曰く、アンティークとは100年以上昔のものを意味する言葉とのこと。この考え方のきっかけは、1930年にアメリカで定められた関税法である。当時の関税法の条文には「1830年より昔に作られたもの」、つまり法律ができた年から100年以上前のものには関税がかからないと記されている。1830年というと、1700年代にイギリスで起きた産業革命が各国に広がっていった時期。産業革命以前は主に手作業で作られていた家具や食器なども、この頃からは機械を使って徐々に大量生産ができるようになった。そのため、当時のアメリカの人々は1830年以前のものを歴史的に貴重と考え、それらの商品を輸入するため関税をかけないようにしたと考えられるのだ。自分たちに状況が良くなるよう解釈した“大人の都合”がきっかけだったわけだ。

 そして1966年、「関税がかからないのは100年以上前に作られたもの」という書き方に法律が変化する。このことから、アンティーク業界では「アンティーク=100年以上昔のもの」という定義が誕生。つまり、今はもう20世紀のものでもアンティークになってしまうのだ。

 一方、ヴィンテージの定義はアンティークに比べて曖昧である。実は、「ヴィンテージ」とはもともとブドウの収穫年を意味するワイン業界の専門用語だったそう。「ヴィンテージワイン」とは、ブドウの収穫年を特定できるワインのことなのだ。ヴィンテージは「古い」という意味を指す言葉ではなかった。しかし、日本ではヴィンテージワインを「長期熟成された素晴らしいワイン」の意味で使う場合もある。このことから、年月を重ねて価値を増した古いものという意味がヴィンテージにも付け加えられたのだ。

 では、アンティークという言葉がありながら、なぜ近い意味を持つヴィンテージという言葉が必要になったのか? そのきっかけは、第二次世界大戦。戦争によって100年以上昔のアンティークと呼べるものの多くは失われてしまった。だから、作られてから100年経っていないものの古くて価値のあるものに、アンティーク業界は「ヴィンテージ」という別の呼び方を与えたのだ。アンティークとヴィンテージの違いは、産業革命と第二次世界大戦が理由だったのか……。

 ちなみに、ヴィンテージがどれくらい前のものを指すかは業界によってさまざま。例えば、ジーンズ業界では染料がインディゴ染料だった1978年以前のものをヴィンテージと呼び、硫化染料を使用する現在のジーンズと区別している。色落ちすると縦方向に色落ちするのがヴィンテージジーンズの特徴だ。しかし、“戦後以降に作られた古くて価値のあるもの”がヴィンテージという考え方が一般的には主流。そう考えると、ヤフオクでアンティークとされる品物はほとんどヴィンテージになってしまうな……。

 VTR終了後、岩崎さんから「古いほうがいいと思うものって何?」と質問されたチコちゃんは、「恋女房」と即答した。ちょっ、チコちゃんの“中の人”の木村祐一がそれを言う!? 今まで3度も離婚して、4回も結婚した人なのに……。

  • 10/22 19:00
  • サイゾー

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