40代最後の冬、準備ゼロでフルマラソン挑戦。足に激痛、痛風に

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 一度しかない人生。いくつになっても新しいことに挑戦したい――。その気持ちは大切だが、中高年が若かりし頃と同じ感覚でいると思わぬ大ケガに繫がるもの。

 人生の折り返し地点とされる40代に達すると、とかく人生をマラソンに例える向きが増える。だがその勢い余って、実際にフルマラソンに出場してしまうのはいかがなものか。小説家の松永多佳倫さん(52歳)に挑戦と挫折の顛末を聞いた。

◆40代最後の冬、フルマラソンに挑戦

「僕は’09年に沖縄に移住して物書きをしているんですが、毎年12月に那覇市で全県を挙げて開催されるNAHAマラソンは気になる大イベントでした。移住生活が10年になる区切りにそろそろ東京に戻ろうかと考え、沖縄最後、そして40代最後の思い出として’19年の大会にエントリーしたんです」

 人生の転機をフルマラソン完走でドラマチックに飾ろうという心理に、共感する諸兄は多かろう。

◆急激な運動で尿酸値が上昇し、痛風を発症

「練習ゼロでも、レース前の食事や用具に気をつければ完走できるという話はよく聞くんです。そんな言葉に、ほぼ準備ゼロで臨んでしまった。おかげでスタートから4㎞を過ぎると気分が悪くなってきて、あっという間に最後尾に。10㎞からは足の指先に激痛が走って、もう走れる状態ではなかったのです。あとで医者にかかったら、急激な運動で尿酸値が上がったことで痛風を発症したとの診断でした」

 彼と同様に落伍したランナーたちは、13㎞地点でバスに収容されて公道から姿を消した。

◆13㎞地点でバスに収容

「13㎞なんて、真面目なランナーからすれば練習で走る距離。そんなところでリタイアしたのが恥ずかしくて、『やっべー、マジやべーぞ、これは』と、自分のふがいなさを猛省しました。同乗者たちもみな俯き加減で顔を隠し、誰ひとり話さない。さながら護送車のようでした」

 哀れな結末に終わった初マラソンだが松永さんの意欲は衰えない。

「痛風を抱えた状態ですら13㎞走れたなら、今度はきちんと食事管理をすれば楽勝で完走できるに決まってます。来年は捲土重来、エントリーしますよ!」

 痛風を発症した今、途中リタイアするくらいなら、5㎞走から始めたほうがいいのでは?

【松永多佳倫さん】
小説家。出版社勤務を経て、執筆活動。’09年より沖縄に移住。著書に『まかちょーけ 興南 甲子園春夏連覇のその後』(集英社文庫)など

取材・文/沼澤典史(清談社)

―[やってはいけない!]―


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  • 日刊SPA!

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