赤楚&町田の”チェリまほ”コンビ再共演に沸く…!『SUPER RICH』の見どころは

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 闇金の事務所から逃げて来た、女社長とインターン大学生。夜の歩道橋下にふとラーメン屋台を見つける。しかし、所持金は二人合わせても500円ぽっち。人生最大の危機に見舞われている女社長は、その500円を使って1杯の醤油ラーメンを頼む。

 黙々と麺をすする社長を学生は静かに見守る。史上最悪の日にはこの味が全身に染み渡り、社長はついつい嘆き節になってしまう。屋台の店主は社長を励まそうと煮卵をサービスしてくれるが、うつむく学生は声をやや荒げる……。

 これは、現在フジテレビ系で木曜22時から放送中のドラマ『SUPER RICH』第1話クライマックス場面でのやり取りだ。

◆俳優・赤楚衛二の素晴らしさとは?

 貧乏学生・春野優(赤楚衛二)がインターン希望先企業の社長・氷河衛(江口のりこ)であることを承知の上で「それは違います!」と意見する瞬間、俳優・赤楚衛二の素晴らしさに改めて気づかされた。

 優の主張はこうだ。衛は生まれながらのお金持ちで、自分は生まれながらのド貧乏育ち。どれだけ望んでも得られない人には得られないお金持ちの環境に産んでくれたことをまず両親に感謝すべきで、お金は可能性を生み出す源だと話す。

◆役を通して伝わってくる“優しさ”

 それに対して自分たちは「可能性ゼロ」だとニヒルな返答をする衛だが、最悪な一日の終わりに、優の率直な指摘と気遣いに触れ、また明日から頑張っていこうとモチベーションを取り戻している。

 衛が一人で食べていたラーメンを取り分けると、それを何とも嬉しそうに頬張る優の表情からは優しげな笑顔が溢れ出る。

 赤楚が演じるキャラクターはいつでも、ストレートな言葉をぶつけながら、決して突き放さない優しさで困っている相手を勇気づけようとする。そうした共通点を持つ役柄を通じて、私たちは赤楚本人の優しさにも触れているような温かな感覚になるのだ。

◆赤楚衛二の不思議な魅力

 しかし、俳優・赤楚衛二の魅力を的確な言葉で表現するのはとても難しい。ピュアで、誠実で、優しくて、柔らかくて、それでいて芯のある人間としての強さを感じさせるのに、それでもまだ赤楚の魅力を言い尽くした気にはなれないのだ。

 それで映画なりドラマなり出演作品を見てみると、やっぱり魅力的な赤楚衛二がそこにはいて、どうにか上手く形容詞を探そうとする。なんて不思議な俳優だろう。

 ただ、ひとつだけはっきりしているのは、先にも述べたように赤楚が扮するキャラクターは必ず相手に刺さる言葉を持って、自分の気持ちを伝える。それが不思議な魅力の正体となっているのだ。おそらく、ストレートなパワーワードを言わせたら右に出る者はいない。

 馬場ふみかとのW主演でMBSで放送されたドラマ『ねぇ先生、知らないの?』(2019)で赤楚が演じたのは、イケメン美容師役。このキャラクターの唐突で強烈な告白の瞬間も驚きだったが、やはりここは記憶に新しい大出世作ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(以下、『チェリまほ』)』(2020)の、あのもどかしくも絶対的な優しさが滲み出ていた主人公について詳述しておこう。

◆町田啓太との共演作『チェリまほ』を振り返る…

 SNSでの世界トレンド上位に輝き、さらに各国で配信されたことが評価され、最終話放送月の12月には「ギャラクシー賞月間賞」を受賞した『チェリまほ』。世界中に胸キュンを贈り、赤楚自身、連ドラマ単独初主演作となった本作では、まじめで誠実な主人公・安達清のキャラが圧倒的なはまり役となった。また特筆すべきは『SUPER RICH』にも出演する町田啓太との共演作でもあることだ。

 童貞のまま30歳の誕生日を迎え、触れた相手の心が読めるようになる「魔法」が使えるようになった安達は、社内イチのイケメンキャラで営業成績トップの同期・黒沢優一(町田啓太)が密かに自分に恋心を抱いていることに気づく。

 いくら童貞とは言え、男同士の恋愛を考えたこともなかった安達は動揺するが、自分をこんなにも大切に思ってくれる黒沢のひた向きさにいつしか心を開いていく。

 そんな二人の関係性が、田中圭主演のテレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ』(2016)以来の純愛BLドラマブームにのって、毎週視聴者の心にもトキメキの魔法をかけたものだった。

◆『チェリまほ』で視聴者を“魔法”にかけた演技とは

 本作をリアタイしたときの筆者も当然魔法にかかったひとり。安達のピュアなリアクションの数々にはいつもキュンキュンさせられたし、黒沢を演じる町田の包容力あるキャラの一途な気持ちを応援したくもなった。

 何より感動的だったのは、黒沢の気持ちに戸惑いながらも、彼の本気に何とか応えようとする誠実さが赤楚の全身から滲み出ていたことだ。

 安達が黒沢の気持ちに気づき、二人の関係性が徐々に近づき始めた第3話でのこと。飲み会で盛り上がる王様ゲームで当たりを引いた安達と黒沢がキスをすることになり、唇ではなくおでこでとどめたものの、安達を怖がらせてしまったと謝る黒沢に対して、「嫌じゃなかった」と言う場面。

『SUPER RICH』のラーメン屋台と同じように、ここでも相手の立場を気遣いながら自分の気持ちを伝えるために、選び出した言葉が胸に刺さる。その言葉に黒沢がどれだけ救われたことか。

 こんなに優しげな雰囲気をまとわせて演技をする俳優を他に知らない。赤楚の魅力、それはやっぱり相手をほっこり安心させる優しさだと思う。

◆『チェリまほ』コンビ再共演に期待!

 さて、話を『SUPER RICH』に戻すと、本作は赤楚&町田の『チェリまほ』コンビ約1年ぶりの再共演作として話題を集めている。第1話では二人のやり取りはなかったが、両者ともどん底の衛にしっかり寄り添うような役どころ。

 衛がつい心を開いてしまう優が子犬系なら、秘書として衛を支える町田扮する宮村空は忠犬といったところだろうか。『チェリまほ』とは違いおそらく今後はライバル関係になっていくことが予想される。

 しかしライバルでもきっと二人は手を取り合うはず……と、想像してしまうのは、『チェリまほ』ロスとその魔法が解けていないためだろうか。いずれにせよ、赤楚がこれまで一貫して持ち続けてきたほっこり優しげなキャラが、この先もドラマを展開させていくことに期待したい。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。 ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」や「映画board」他寄稿中。日本大学映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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