慶応卒イケメン俳優が「会社勤め」を経験して知った“世間知らずだった自分”

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 ドラマ『科捜研の女』『闇金ウシジマくん』などで知られる俳優・崎本大海。6歳で子役として芝居の世界に入り、10代から20代にかけて順調にキャリアを重ねてきたが、節目となる30歳でシフトチェンジ。35歳の現在、俳優業と並行して資産運用アドバイザーとして活動している。

 サラリーマンの間でも転職や副業ブームが定着しつつある近年、「俳優」×「資産運用アドバイザー」というハイブリッドな存在を目指す彼に、セカンドキャリアに対する考え方、将来への展望などについて語ってもらった。

◆NHK朝ドラ出演で俳優業継続を決意

ーーまずは俳優としての経歴をお聞かせください。

 6歳のときに母親の勧めで児童劇団に所属させてもらって、そこから子役としてキャリアをスタートしました。中学、高校と私立の進学校に通っていたので、将来はいい大学に行ってそれなりの企業に勤めるか、弁護士になる夢も持っていたので、そうなっていくんだろうな……と、漠然と思っていました。

 でも、高校3年生のときにNHKの連続テレビ小説『わかば』(2004年)に出演させていただき、本当はもう俳優を辞めるつもりでいたのですが、そこで火がついたというか……。大学に通っているときも俳優の仕事を続けていたし、小さい頃からプロ意識を持って取り組んでいたのでプライドもありました。それもあって、卒業後の進路として最終的に俳優の道を選んだんです。

 恥ずかしい話ですが、当時の自分は、将来もし俳優として食っていけてなかったとしても、まあ30歳くらいだったら、そこからでも、新しい道を歩み直せるというまったく根拠のない思いだけがあって(笑)。「先のことはとりあえず30歳になったら考えよう」と思っていました。

◆「一流」の凄みを感じた大河ドラマでの出来事

ーー俳優活動を通じて得た教えや気づきなどはありますか?

 どこの世界でも同じだと思いますが「挨拶」の大切さですね。特に俳優の世界はいろいろな人たちが関わり合って、はじめましての人も、一度きりの出会いも多いわけじゃないですか。

 一番印象に残っているのが、本木雅弘さんが主演を務めた大河ドラマ『徳川慶喜』(1998年)で幼少期の慶喜を演じたときです。本木さんの楽屋にご挨拶にうかがったのですが、本木さんはまだ子供の僕に対して「徳川慶喜役の本木雅弘です」と、しっかり頭を下げて挨拶してくれました。

 そのとき、一流の人は相手を選ばず、自分のあるべき姿を演技だけでなく、挨拶でも示すのだと強く感じたのを今でも覚えています。

◆30代を目前に控えてジタバタし始める

ーーそうしてキャリアを積み重ねていき、30歳を迎えたのが5年前ですね。

 はい。30歳に近づくにつれ、仕事も少なくなって自分の時間が増えていくなか、何か形に残したいと思い、ジタバタし始めたのが29歳から30歳にかけての時期でした。ファイナンシャルプランナー3級や保険販売の資格、行政書士の資格はその頃に取りました。

 ちょうどその頃、タレントさんが検定に挑戦したり資格を取ったりするのがはやっていたこともあり、本業以外の部分で何か「自分」を形づくることが許容されつつあったのも後押しにはなりましたね。

 そんな中で、大学時代は法学部で学び、一度は弁護士を目指した身として、弁護士にはなれなかったけれど、独学でもいいから知識を習得して、周りの人たちにプラスなるようなことができないか、という意識が芽生え始めたんです。

◆俳優という職業は世間離れ、浮世離れしている

ーーそこから先はどうだったのでしょうか。

 法人設立のための必要条件や手続き、行政とのやりとりなどを勉強していくうちに、自分がいかに「社会」と関わりを持たずに生きてきたのかということを痛感しましたね。

 俳優という職業は世間離れ、浮世離れしている部分もあります。しかし、一般社会の人間を演じるのに社会を反映した役づくりができない自分に対する疑問も湧いてきたタイミングでもありました。

 そうやって、サラリーマンや実業家の人たちとの交流が増えていく一方で、俳優の友達はどんどん減っていきました(笑)。「芸じゃなく、カネに魂を売った」みたいなことも言われました。

 でも、狭い世界のなかで集まるよりも、外の人たちと「接点」を持つことのほうが大事だと思い、次第に「経営」や「経済」に対する目線が自分のなかで増えていったんです。

◆会社で働きはじめて理解できたこと

ーーそうした経験を経て、現在につながる行動を開始されたわけですね。

 その後、一番親しい友人がオーナーを務めている会社で実際に働くようになり、経理や総務、財務を任され、従業員の方々の給与の天引きや社会保険の手続きを行いながら、従業員側と使用者側の両サイドから見た、所得と税金や年金の仕組みに対する理解を深めていきました。

 お金に対する考え方も人によって千差万別で、自分の給料からどうしてこれだけの金額が何の目的で引かれているのか、わかっている人もいればまったくわからない人もいる。

 それを説明しているうちに、会社がどうやって資金を集め、従業員に給与を払い、利益を残していくかという仕組みも見えてきました。つまり「個人」と「会社」それぞれのファイナンスをこの目で見ることができたんです。

◆資産とキャリアを形成するためのサポート

ーー新しい世界に飛び込むことで、これまでとは別の視点が養われていったのですね。

 そもそも僕の年代から上の世代の人たちって、「お金」について学校で学んだ記憶ってまったくと言ってよいほどないと思うんです。そういう僕も20代の頃は「宵越しの銭は持たない」みたいな価値観で、「お金への無知」のど真ん中を突っ走っていた部分は正直、ありました(笑)。

 芸能人やアスリート、フリーランスといったキャリアを頑張っている人の「資産」を守り、次のキャリアに向かおうとしている人に社会の仕組みを教えてあげる。そして、それをビジネスとして成立させるためにどうすればいいのかを今、模索している最中です。

 でも、こういうキャリアを歩んでいきた自分だからこそ、できることがきっとあるのではないかと思うんです。

【崎本大海】
’86年、東京都生まれ。6歳から子役として活動する。海城中学校・高等学校を経て、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業。主な代表作は連続テレビ小説『わかば』『闇金ウシジマくん』『科捜研の女』など。現在は俳優業だけでなく、資産運用アドバイザーとして金融に関する情報発信も行う

取材・文/中村裕一

【中村裕一】
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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