身体が弱い彼とこのまま付き合う?やさしくて楽しいのに、将来が不安です/ものすごい愛

by Claudia Mañas

親愛なるAM読者のみなさま、ごきげんよう。ものすごい愛です。

ここ2ヶ月ほど非常に多忙な日々を送っていたのですが、先日無事に解放されました。
忙しくなり始めた頃はまだまだ汗ばむ季節だったのに、気づけば北海道の今日の最高気温は9℃。
完全に冬じゃん……? えっ秋どこ行った……?

前回の記事では、地元から離れた土地での結婚を母親に反対され、両親も彼も大事だからこそ悩む女性からの相談でした。
親の反対を押し切って彼と結婚するか、それとも彼と別れて親の望みを叶えるか。
これは相談者さん自身にしか決められないことで、どちらを選択するにせよ正解/不正解はないお悩みだと思います。
どちらを選んでも誰かを傷つける可能性を孕んでいる場合は、“自分がどうしたいか”を主軸に決めるのが最適解ではないでしょうか。

身体が弱い彼。このまま付き合っていけるか不安

【相談】私には付き合って2年の彼がいます。人に心を開くのに時間がかかり、これまであまり長く人と付き合えなかったのですが、彼はのんびりしていてやさしく、一緒にいてもとても楽しいです。結婚願望も今まで全くありませんでしたが、これからもずっと彼と一緒にいられるといいなと先のことも考えるようになりました。 ただ一点、彼はとても体が弱いようで出先で体調が悪くなることも多く、立ち眩みしやすいだの頭痛だのとしょっちゅう病院に行っています。軽いものだそうですが、精神的な病気で去年も今年も数か月休職しています(今は復帰しました。よかったです)。もちろん心配でよくなってほしいのですが、この先も体調がよくならずに仕事も頻繁に休んでいるようだと、もし結婚したら私が家計の収入を稼ぎながら彼の面倒も見ることになるのかな、そんなことできるのかなと不安になってしまいます。体調が悪いのは事実だと思うのですが、休職は医者に勧められたわけではないようで、もしかしてできるだけ休みたいと思っているのかなと思ってしまうこともあり、信頼しきれていない自分が嫌になります。 彼のことは好きなのですがぐるぐると思考が回ってしまいます。愛さんの旦那さんも体が弱いとのことですが、何かアドバイスをもらえたらうれしいです(27歳女性)。


ほんとうだ、わたしの夫とよく似てますね。
まず最初に、わたしたち夫婦が夫の体調不良とどう付き合っているかについてお話しさせてください。

あなたの彼と同じように、夫も出先で体調を崩すことは多々あり、旅行先で寝込むこと、無事に自宅に帰ってきても疲労でぐったりしていることもしばしば。
体力がないため、一度体調を崩すと回復までかなり長い時間を要します。
幼少期は体が弱くて入退院を繰り返し、学校も休みがちで外遊びなんて論外……その頃に比べるとかなり良くなったのかもしれませんが、それでもわたしや他の人と比べてみても体が弱い人だなとは感じています。

ただ、そんな夫の病弱な部分をわたしは全く気にしていないんですよね。
「気にしていない」はかなり突き放しているようで語弊がありますが、大袈裟にしていないというか、そこまで重要なこととして捉えていないというか……。
薬剤師という職業柄、医学的な知識に明るいという理由もありますし、もともとわたし自身が楽観的な性格だということもあるかもしれませんが、「そりゃあ別の人間なんだから仕方ないよね、個体差ってあるよね」と認識している程度なんです。
出先で夫が体調を崩しても「えっまた? いい加減にしてよ……」とイラつくことはなくて、「あははは! 案の定! 期待を裏切らないね~」と笑ったり、季節の変わり目に風邪をひいても「そろそろ夏も終わりか~」と風物詩くらいに捉えています。
ゲンナリしたことはありませんし、いちいち慌てふためいたりもしません。
もちろん、心配はしますし寝込んでいる夫の看病はしますが、基本的には「そうなんだ」と思うだけ。
そして、「どうしてほしい?」と夫の要望を聞き、わたしはただそれに応えるだけです。

お互いにとっての居心地のいい環境をつくる

なぜそういう風に捉えられているのかというと、夫が「おれは病弱のプロだ」と自負しており、体調にきちんと注意を払って、逐一対策をしている姿を見ているから。
夫は幼少期から病弱だったことから、「おれは体力がないし体も弱いから、バリバリ働いて徹夜だの休日の接待だので生活リズムが乱れやすい働き方は無理だな」と自覚していたらしく、きっちり定時に上がれて休みも取りやすい職種に就きました。寝不足で体調を崩さないように早寝早起きをするなど規則正しい生活を日頃から心掛けていますし、日常的に運動をしたり、食事にも気を配っています。「あっなんかやばいかも……?」と予兆を感じたらさらに整え、決して無理をせず意識的に休息を取るようにしています。

もし、自分の体調を鑑みず、生活リズムはぐちゃぐちゃ、毎日飲み歩いて午前様、いくら気を遣っても無理ばかりするという生活を改善する姿勢がなければ、「いや! だからしょっちゅう体調崩すんだろ! いい加減学べよ!」と腹が立っていたかもしれません。
でも、できる限りの努力をしている夫を近くで見ているので、「これだけのことをやって体調を崩すんだから、もう仕方ないよね~そういう体質だもんね~」となんの疑問もなく受け入れられるわけです。

なにより、夫はわたしに対して過剰な対応を求めていないため、一緒に暮らしていて苦にならないのです。
夫は、出会ってから今に至るまで、一度たりともわたしの行動を制限したり、過剰な寄り添いを求めたりしたことはありません。
これまでの人生で何度も、自分の体調不良が原因で結果的に周りの人に我慢を強いるかたちになったことを心苦しく思っていた、と言っています。だから、たとえば一緒に訪れた旅行先で体調を崩しても、「たぶん寝ていればよくなると思うから、君は一人で観光をしてきて」と言うのです。その際、わたしは「じゃあそうする、やばそうだったらすぐ戻ってくるから連絡して」と素直に夫の意見を聞いて行動します。

夫からしてみたら「自分のせいで我慢させるのは申し訳ない。だから一人で楽しんでくれたほうがずっといい。寝ていれば良くなるんだし、常に付き添って看病されることはむしろ気を遣ってしまう」というのが本心で、わたしも「わたしが気を遣いすぎることは夫も望んでいない。むしろ楽しんでくれたほうがうれしいと思っている。ほんとうに体調がやばくなったら変な気を回さず素直に言ってくれるだろう」と信頼しているので、とても楽チンなんです。
もしも、夫が「おれはつらいんだ! 一人だけ楽しむなんてずるい! だから君も同じ目に遭え!」と強要してきたり、自分の不調をひた隠しにしてわたしに気を遣わせまいと無理をしたりするような人だったら、きっと上手くいっていなかっただろうな、と思います。

事情をよく知らない人から、「ずいぶん冷たいね」「鬼嫁じゃん」「もっと優しくしてやんなよ」などと言われた経験は多々あります。でもこのやりとりは、たとえば寒いときにお互いが居心地のいい環境をつくるのと同じだと考えています。
「ちょっと寒いな……」「そうかな? クーラー切ろうか?」「いや、おれが上着着るわ。それでも寒かったらクーラー切ってもいい?」「オッケー、そしたら教えて。暑かったらわたしは一枚脱ぐから」というように、人それぞれ体質が違うのだから各々対策してそれでもどうにもならないときは相手に頼りましょう、ってだけの話だと思っています。
というか、日常茶飯事の出来事をいちいち大袈裟に捉えてたらわたしも夫も疲れちゃいますしね。
はっきり言って慣れです、慣れ。
「こんなもんでしょう」と楽観視して生活をしています。

失礼、少し前置きが長くなってしまいました。
あなたに何をお伝えしたいのかというと、彼が自分の体調をどのように理解をしてどう向き合っているのか、そしてあなたにどんなことを求めているのかに注目してはいかがでしょうか。
たとえば、彼があなたの心配の声に耳を傾けようとする姿勢はあるのか、自分の体調が悪いことを隠して無理をした結果、体調が悪化する機会が多くないか。
他にも、「おれは体が弱いんだから、家事や仕事は君がやってくれて当たり前」「おれが落ち込んでるのに楽しそうにするな、一緒に悩むのがパートナーだろう」といった、押しつけとも取れる過剰な要望を抱いていないかなど。
こういった部分をチェックしてみて、あなた自身が彼と一緒に生活を送るうえで精神面でのプレッシャーを感じる可能性がないか確認することをおすすめします。

他人のために自分ができるやさしい行動

さて、今回の相談で一番気になったのは、彼が自主的に仕事を休むことに関して、あなたが「医者に言われたわけでもないのに? もしかしてただ休みたいだけ?」と少し不信感を抱いている点について。
わたしは、彼の行動はとても正しいと感じました。
自分の調子を常に気にして、本格的に体調を崩す前に自主的に休息を取るのは、自己管理ができている証拠ではないでしょうか。
「たぶんまだ大丈夫」「ちょっと頑張れば乗り切れるかも」と無理をして、心と体を酷使した結果、ドッカーン!と爆発してしまえば回復まで時間を要するわけですから、それこそ本末転倒ですよね。

目に見えない病気や障害、それこそメンタルの疾患はハタからはわからないため、理解されにくいが現状です(そのためにヘルプマークというものはありますが)。
たとえば、うつ病では人それぞれ症状や程度も違いますから、仕事や家事はできないけれど趣味や遊びなどはできる場合もあり、周囲の人に「遊べるのにどうして仕事はできないの? ほんとうは怠けてるだけなんじゃない?」と心無い言葉をかけられて苦しんでいる人もいる実態を耳にしたことはないでしょうか。

「自分はそうじゃないから」「周りにそんな人がいなかったから」で収束させて、理解する努力や思いやりを持とうとしない精神は、とても残酷なことだとわたしは思います。
他人なのだから自分とは違う部分もあるという認識は持ちつつも、違うけれど知って理解することはよい人間関係を築くためには必須ですし、「本人がつらいって言ってるのだからつらいんだろうな、じゃあ自分にできることをしよう」と寄り添うことが、他人のために自分ができるやさしい行動ではないでしょうか。

「この人とならなんとかなるでしょ」と思える結婚を

結婚というのは、他人と共存することです。
だからこそ、相手と助け合い、寄り添うことで幸せになれるのだと思います。
結婚をしたら(結婚しなくても、ですが)、思いがけない様々なことが起こります。
現時点では、彼の体調が悪くてあなたが頑張らなくてはいけないことが多いのでしょう。
彼が頼る側で、あなたが頼られる側。
でも、あなたと彼が今の関係性・立場のまま過ごし続ける確証はないはずです。
あなたが今後、彼に助けてもらう可能性、あなたが頼る側になる可能性だってあるのです。
たしかに、現時点ですでにわかっていることと、これから起こり得るかもしれないこととでは、現実的に感じる不安の大きさが違うのは重々承知しています。
でも相手を助けること、相手に助けてもらうことをお互いに気持ちよくできないのなら、結婚しても上手くいきっこないと思います。

わたしがどうして夫と結婚したのかというと、もちろん夫がサイコーにいい男で世界一番愛しているというのは大前提なのですが、死ぬまでの結婚生活をざっくり想像してみたときに「まあ、この人とならなんとかなるでしょう」と楽観的に思える相手だったから。
結婚を決めるにあたって、金銭面や仕事などの現実的な部分を無視できないのはもちろんですが、わたしはそれ以外の部分に重きを置きました。
「なにか困難にぶち当たっても、それを乗り越えるための話し合いをできる人だな」「一時的に助ける側/助けられる側になったとしても、常に対等でいられそうな人だな」と、お付き合いの中で感じられたのです。

夫は、助けてもらっている現状に胡坐をかいたり、助けてもらったことに卑屈になったりせず、助ける側になることを損だと感じず、助ける側が優位に立つと勘違いするなどの価値観を持っておらず、自分が助けてもらったら純粋に感謝できる、わたしを助けることに一切の疑問を抱かない人だとわかっていたので、結婚を決めました。
もちろん、人生は想像通りにいくことばかりではありませんから、結婚前にいくら予測していたところでダメになるときはダメになるものですが、せめてスタートの段階で「なんとかなるでしょ」と思えない相手とはどう頑張ったって上手くいきっこないとは思います。
彼自身の向き合い方、あなたへの接し方をよく観察したうえで、いい関係を築いていけるか想像してみてはいかがでしょうか。

ただ、パートナーの病気などの身体的・精神的なサポートは程度の差はあれ、決して楽なものではないですよね。社会的には生涯支え続けることが美徳とされていますし、それができている人はほんとうに立派だと思います。
もし、あなたが彼との別れを選択した結果、「彼の体が弱いから別れた」という部分だけに注目して「なんて薄情な人なんだ!」とわかったような口で非難してくる人もいるかもしれません。でも、それは「彼の体が弱くて一緒に暮らすのが大変そうだから」「結婚したときに自分ばかりが割を食いそうだから」といった表面的なことではなく、そういう事態に陥ったときの向き合い方や態度など、価値観の本質的な部分で合う/合わないの結果なわけですから、気にしなくて大丈夫。
それって、ごくありふれた普通のことですから。
「逃げる」「見捨てる」などマイナスな言葉に囚われるのではなく、「価値観が合わなかった」と自分を守る方向で受け止めてくださいね。

Text/ものすごい愛
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結婚して、まる3年。夫婦、ふたり暮らし。
食べさせたいのはきれいに焼けたほうのハンバーグ、ついでにもうひとつ淹れるドリップコーヒー、 眠れなくて深夜に誘う近所の散歩…楽しい、楽しすぎる、楽しくってしょうがないぜ、結婚生活!
読むとどうしても幸せになってしまう。“ものすごい愛” にまみれたサイコーにハッピーな日常エッセイ!

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