「草彅剛×やすとも」を組み合わせたプロデューサーの狙いとテレビの変化

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草彅剛とお笑いコンビ・海原やすよ ともこの3人がMCをつとめる読売テレビ『草彅やすとものうさぎvsかめ』(10月24日・日曜 ひる0時35分~1時30分放送)の反響がさらに広がりを見せている。

10月のみ4週連続で放送している当番組のオンエアは関西圏のみ。しかしTVerやGYAO!、ytv MyDo!での配信により、全国の視聴者から好評を得ている。番組のメインテーマは、童話「うさぎとかめ」の現代版対決。その道のプロにみっちり1時間教わる要領のいい“うさぎタイプ”と、真偽の定かではないネット情報をもとに1週間コツコツと努力を重ねる“かめタイプ”とで、どちらがスキルアップできるかを勝負していく。

ネットでは「ゆるくってすごく面白い」「温かな空気感が視聴者にもしっかり伝わってくる」「やすともさん存じ上げなかったけどつよぽんと合ってる」といった声が相次いでいる。どうやら、草彅とやすともの組み合わせが醸し出す独特な雰囲気がウケているようだ。

そこで、このキャスティングを実現させた遠山正悠プロデューサーに話を聞いてみた。なぜ国民的な人気者・草彅剛に関西の人気者やすともを組み合わせたのか?

【企画 : 藤生朋子 / 取材・文 : 鈴木しげき】

草彅×やすともには違和感と共通点の両方が

――なぜ、この2組を掛け合わせようと?

遠山 : 前提として、関西の番組なので関西弁のタレントさんがいいな、というのがありました。やすともさんは今、関西の視聴者の方から絶大な人気を誇っていて、お2人とも人と接する時に相手を大切にする姿勢があって、温かい笑いをつくります。それが今の時代にあっているなと感じていました。

日曜のお昼の放送ですから家族で見られるような番組にしたいと思い、まずはやすともさんで行こうと。で、誰かと組み合わせることで新たな反応が起きればいいなと考えました。

やすともさんがやられている他の番組は芸人さんと絡むことが多くて、仲の良い人たちとのノリが魅力になっています。だったら、この番組では、いい意味で違和感のある人がよさそうと思って、「初めまして」となるんだけど、不思議と合うよねって人がいないかなと思案しました。

僕が個人的に草彅さんを好きだったというのもあります。どうだろうとイメージしてみたんですが、この組み合わせ、違うようで共通点があるんです。今まで接点はないけど、同世代でどちらも温かい。人を悪く言わない。全世代に人気があって、いい空気感になりそう。人を傷つけない笑いは今の時代に合っていて、これは合うなと思いました。

――草彅剛さんとは初めての仕事ですよね。素顔はどんな方ですか?

遠山 : 初めてお仕事をさせていただいたのですが、想像以上に草彅さんでした(笑)。裏表がなく、誰とでも分け隔てなく話してくださいます。読売テレビにタクシーで来られて、その時が初対面だったんですけど、弊社が新社屋になったばかりで「あー、会社、新しいね」というのが第一声でした。いきなり気さくで、打ち合わせしていてもよくお話してくださるし、こちらも話しかけやすい。草彅さんには本番での内容をほとんど伝えていないのですが、「いいですね、やっちゃいましょう」という感じで、こちらのコンセプトを受け入れてくださる大きさも感じましたね。

――そこはやはり国民的スターだと。

遠山 : カメラが回ればスイッチが入って、たった一言で笑いを起こしたり、一言で人の心をつかむような説得力を持ったり、その瞬発力はスゴいですね。やすともさんとは本当に、本番がガチ初対面だったのですが、すぐに虜にしちゃうんですよ。

文字にすると失礼だったりする発言もあるのに、むしろそれが距離を縮めるような親しみに変わったりするんです。スターオーラでしょうか。それを感じて、やすともさんもテンションが上がるという好循環が起きました。

――関西で圧倒的な支持を集めるやすともさん。プロデューサー目線でその魅力を分析すると?

遠山 : お2人を嫌いな人っていないんじゃないでしょうか。トゲトゲしさがなくて、フツーに話をしてるだけでずっとおもしろい。視聴者のみなさんも、ゆったりとした気持ちで楽しめるコンビだと思います。世代で好みや生活様式が分かれる時代ですけど、幅広い層から受け入れられているのは貴重ですよね。

関西発の特別感を生かして全国の視聴者へ!

――全国から注目される番組として意識していることはありますか?

遠山 : それがないんです(笑)。3人が自由に楽しんでくれることが一番大事だと思っているので、こちらはその環境をしつらえているだけで。

ただ、地域制のことで感じることは、もし、この番組が東京でもやっていたら、そこはちょっと見方が変わるかもなと思います。関西エリア限定だから見たくなるというのはあるのかもしれません。だからといって関西色を出そうとは思ってなくて。出ちゃう分にはいいんですけど。

――準キー局としてのよさが発揮されたと。

遠山 : 『うさぎvsかめ』に限らず、エリア限定というのはどこか特別感のようなものがありますよね。それが地方の強みだと思うんです。もし全国でやっていたら、こんなにネットで話題にしてくださらなかったかもしれませんし。

また、関西の方たちにとっては、草彅さんがちゃんと大阪に来てくれている嬉しさもあるようで、そのようなツイッターの反応も拝見しました。

――昨今、視聴者がテレビに求めるものが変わりつつあると感じます。そのあたり、どう感じていますか?

遠山 : あまり意識しないようにしています。確かに若い世代は自分のタイミングでコンテンツを楽しむようになっています。そういった変化は理解しています。もちろん番組により役割も違うので一概には言えませんが、一般論で言うと、テレビ番組というのはいろんな世代の人がすぐ入ってこられるような番組がいいと思うし、やっぱりそこを目指したいと思っています。

『うさぎvsかめ』の場合、3人の空気感で見てもらいたいという点で誰もが入って来やすいようにしたつもりです。VTRも、対決を大げさに煽ることなく、それぞれから色んな情報を提供できれば…それをMC3人が一視聴者として茶の間で楽しんでくれればというくらいの感じで作っています。

テレビって不特定多数の人が見るので、たまたま見ちゃうってことも起こり得るんですよね。とくに日曜のお昼時だと、テレビの前に家族でいることも多い。そんな時にテレビが楽しいから、みんながテレビの前に集まっちゃう。それが理想ですね。

昔の『8時だヨ!全員集合』じゃないですけど、そうなってほしいので温かい空気に触れてもらえるようなアナログなテレビを目指しています。

――『うさぎvsかめ』は次回でいったん最終回となりますが、今後の展開はある?

遠山 : 僕としてはもちろん新たな展開は勝手に考えています。SNSやネット記事でたくさん話題にしてもらえましたから、そこは応えたいです。あとは様々な条件が揃えば!ですね。

……と、今後も期待される『草彅やすとものうさぎvsかめ』の10月24日(日曜ひる0時35分~)は「歌唱力対決」と「柔軟対決」。お見逃しなく!

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