コロナ禍で女性のほうが男性より「不安疲労」を抱えていることが判明

一向に終息する気配のないコロナ禍。

「慣れてしまった」という人もいるかもしれませんが、「もう限界!」という人のほうが多そうです。

暗黙の了解や行政からの指示でさまざまな事柄に制限が加えられているだけでなく、感染自体も心配。

先の見えない日常の中で、社会全体に不安や疲労感が蓄積していることが推察されます。

そんな中、パラミロン研究会が行った「不安疲労」に関する調査で、男性より女性のほうが不安疲労を感じやすいこと、特に若い女性が不安疲労を抱えがちであることが分かりました。

女性の6割が「不安疲労」を自覚不安疲労とは、“生活の変化によりストレス・不安を感じることが多くなり、疲労感を感じている状態”のこと。

長引くコロナ禍によって顕在化している精神的疲労と身体的疲労が結びついた心身の不調と言えます。

2021年9月に20~70代の男女1,200人を対象に行ったアンケートで「不安疲労」を感じることが増えたかを聞いたところ、全体の54.5%が「不安疲労を感じることが増えた」と回答しました。

この回答の男女比を比較すると、女性のほうが男性より「不安疲労を感じることが増えた」と答えている人の割合が高く、多くの女性が不安疲労を抱えている実態が明らかになりました。

最近どのような不調を感じているかを聞いた質問では、「疲労感/倦怠感」と答えた人が最も多く、次に「なんとなくやる気が出ない・体を動かす気が起きない」「ストレスを感じやすい」と不安疲労に関連する症状が上位を占めました。

この記事を読んでいる読者の皆さんも「私も当てはまる」と感じているかもしれません。

さらに、不安疲労に関連する症状を感じている人の8割以上(84.1%)がこの夏のコロナ感染第5波以降「さらに症状が悪化した」と回答しています。

繰り返す感染拡大の中で不安疲労が蓄積し、不安疲労と関連する症状がより深刻化していることがうかがえます。

20代非正規雇用の女性の75%が不安疲労を感じているコロナ禍では特に女性の非正規社員がシフト減による減収や不安定な職場環境等により不安を抱えていると言われています。

今回の調査でも、女性非正規社員で「不安疲労」を感じる人の割合は64.0%と、女性全体(60.0%)と比べ、4.0pt高くなっています。

そのなかでも特に20代女性の非正規社員の「不安疲労」を感じる人の割合が75.0%と顕著に高いことが明らかになりました。

20代の非正規社員は外食産業や小売店舗でパートタイム就労する割合が比較的高く、身近に家族のいない単身世帯も多いため、新型コロナウイルスの感染不安に加えて、出口の見えないコロナ禍が続くなかで、先行きに対する不安感が高まっているようです。

パラミロン研究会の理事であり医師でもある久保明先生によると、不安疲労を放置すると「うつ」に移行するリスクもあるそう。不安を減らし心を健やかに保つための工夫が必要です。

毎日時間を決めてストレッチをしたり、いい匂いの入浴剤を入れてお風呂に浸かったりするなど、できる範囲で自分自身をケアしてあげましょう。

2021/10/18 10:00

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