就寝中の妻の部屋に猛毒コブラを放ち殺害した夫「財産が欲しかった」(印)

インドのケララ州コラムで昨年5月7日、ウトラ・クマルさん(Uthra Kumar、25)が猛毒を持つコブラに噛まれて死亡した。同年3月2日にも毒を持つラッセルクサリヘビに噛まれていたウトラさんは、約2か月の入院を経て退院し、実家で療養していたという。

地元紙は当初、この事件に不審な点はなく警察の監視対象にはならなかったと報じたが、実際には夫ソラージ(Sooraj、27)が猛毒のコブラを使って就寝中のウトラさんを殺害したのだ。

ソラージと彼の両親はウトラさんの葬儀を急ぎ、さらにソラージは妻の財産を管理しようとしたため、不審に思ったウトラさんの父ビジェイセナンさん(Vijaysenan)はアンチャル警察署に「娘の死に事件性があったのではないか」と訴えた。

ビジェイセナンさんは当時のことについてこう語っている。

「ウトラが亡くなる前日、夕食後に娘はソラージと一緒に寝ていました。翌朝になって妻がウトラを起こしに行くと、意識を失っていたんです。病院に搬送された後に亡くなってしまって…体が青くなっていたので死因はヘビに噛まれたのだろうと。その後、息子のヴィシュヌ(Vishnu)がウトラの部屋でコブラを見つけ、それを殺しました。」

「ウトラの部屋はエアコンがあり、窓を開けることもありません。なので外からヘビが侵入するはずがない。妻によると、いつもは遅くまで寝ているソラージがその日に限って早起きしていたそうです。娘からは以前『ソラージは毒ヘビに詳しい』と聞いていました。」

そのことを受けて捜査を開始した警察は昨年5月23日、ソラージと彼に2匹のヘビ(ラッセルクサリヘビとコブラ)を販売したババルカブ・スレッシュ(Vavarukavu Suresh)を逮捕した。

警察署長補佐であるハリラム・サンカー氏(Hariram Shankar)は、逮捕に至るまでの経緯をこのように述べた。

「科学的な調査を行い、ヘビに噛まれた人の死について専門家に意見を求めました。目撃者がいなかったので困難を極めましたが、我々のチームは証拠を集めました。捜査の過程でウトラさんを噛んだコブラを調べ、DNA鑑定も行いました。専門家によると偶然に噛まれた場合、コブラは約1.7センチの噛み傷を残しますが、強引に噛まれた場合は2.8センチになるそうです。それが決定的な突破口となりました。遺体の検死報告では、2.5センチと2.8センチの噛み傷が発見されました。」

ソラージは無罪を主張していたが、彼の携帯電話にはヘビ使いと連絡を取り合いインターネットでヘビの動画を見ていた記録が残っていた。

またソラージは経済的な余裕を求めてウトラさんと結婚したが、結婚生活に不満を抱くようになり、別の女性と結婚するために妻を殺そうと計画したという。そしてヘビ使いからコブラを購入し、より攻撃的になるように1週間エサを与えずウトラさんを噛むように誘導したそうだ。

さらにサンカー氏は、こう明かした。

「離婚すれば妻の財産を手放さなければなりません。そこでソラージは事故のように見せかけたのです。しかし捜査の過程で、専門家が『このヘビは地上で生活するのが特徴で、どこかに登ることはない』と話していました。にもかかわらず2階の部屋で発見されています。その部屋に誰かがヘビを放ったことは明らかでした。」

ウトラさんの死後、彼女の銀行の貸金庫から貴金属類を盗んだソラージはその一部を自宅近くに埋めたという。そのことを知っていたソラージの家族も後に共謀罪で起訴された。

これらのことを受け検察側は「就寝中の妻を殺害するという被告人の行為は、悪質極まりない」と主張し、死刑を求刑した。

そして10月1日に行われた裁判では、妻の財産を奪うためにラッセルクサリヘビやコブラを使って妻を殺害したソラージに「最も悪質なケース」として二重の終身刑(a double life sentence)が言い渡され、さらに50万ルピー(約76万円)の罰金の支払いを命じられた。

なお世間からはこのニュースについて「彼を飢えたヘビがいる部屋に入れて鍵を閉めたらいい」「こんな男は一生刑務所にいたほうがいい。殺害された女性と武器にされたヘビが気の毒」などの声があがっている。

画像は『Metro 2021年10月14日付「Husband murdered wealthy wife by setting venomous cobra on her as she slept」(Pictures: manoramaonline.com)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 上川華子)

2021/10/18 5:00

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