歌舞伎町キャバクラの大型新人「落ち込みがちな時期こそポジティブに乗り切る」

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止で度重なる時短営業・休業要請を受け、夜の街が疲弊している。特に人と人との接客を主とする水商売への風当たりは強い。が、そこで働く人たちそれぞれにリアルな生活があり、逆風のなかでも明るく前向きに、人、仕事と向き合っている。

 クラブ、キャバクラ、ガールズバー、スナック…業態は数あれど、そこで働く女性たちは、この時世にどう試行錯誤しながら仕事と向き合っているのか。夜の街で働く女性を対象にしたミスコン「ナイトクイーングランプリ」に出場する女性たちの仕事術から、逆境を生き抜くヒントを見つけていきたい。

◆歌舞伎町・キャバクラ「キングダムクイーン」胡蝶美蘭さん
自分を貫きながら歌舞伎町で羽ばたく

 様々なメディアで取り上げられることが多く、映画やドラマの舞台にも使われるなど歌舞伎町を代表する老舗キャバクラとして高い知名度を誇る「キングダムクイーン」。この人気店に、今年7月に入店したばかりにも関わらず、7月・8月の営業成績でベスト5に名を連ね、お店の正面に掲げられた特大店頭看板に掲載されたゴールデンルーキーの胡蝶美蘭さん。

 なかなか自分に自信が持てないという彼女が、なぜキャバクラ激戦区の歌舞伎町で働こうと思ったのか? また、数多くいるキャバクラ嬢の中で埋もれないように心がけていることとは?

――キングダムクイーンに勤め出して日が浅いそうですね。

胡蝶:今年7月に入ったばかりです。もともと夜の経験はあったんですけど、こんなに広いお店は初めてですし、歌舞伎町自体で働くのも初めてです。

――どうして歌舞伎町で働こうと思ったんですか?

胡蝶:18歳から夜のお仕事をやっているんですけど、正直、水商売に引け目を感じていて友達に言うことができなかったんです。前に働いていたキャバクラが郊外にある小さなお店というのもあって、余計に知られたくない気持ちがありました。でも水商売にコンプレックスを感じている自分を変えたくて、だったらキャバクラと言えば誰もが知っている歌舞伎町で働けばいいんじゃないかと思ったんです。思い立ったときに行動するタイプなので、ネットで歌舞伎町のお店を調べて、内装などの雰囲気に惹かれてキングダムクイーンの面接を受けました。体験入店の日は、「ここで絶対、長く続けるぞ!」と気合を入れるために、ブランド物のバッグを伊勢丹で買ってきました(笑)。

◆接客は、キャラを作らず素の自分で

――友達に水商売のことは話したんですか?

胡蝶:自分から話した訳ではないんですけど、インスタを通じて広まりました(笑)。みんなビックリしていましたけど、世間話もしやすくなりましたし、みんな応援してくれています。

――以前働いていたお店とは違いますか?

胡蝶:お客さんの層から、在籍する女の子のタイプまで、何もかもが違います。前のお店は地域密着型だったので常連のお客さんが大半だったんですけど、今はフリーのお客さんもたくさんいらっしゃいます。ほとんどアフターもしたことがなかったんですけど、頻繁にアフターがあるのも歌舞伎町ならではだなと。アフターだとお互いにお店で見る顔とは違うので、よりお客さんと仲良くなれるんですよね。在籍している女の子も、前のお店は清楚系が多かったんですけど、キングダムクイーンは派手でオシャレな子が多いですね。

――美蘭さん自身、キングダムクイーンの子たちに影響されて変化したことはありますか?

胡蝶:みんなまつげが長いので、まつエクを始めました(笑)。それと、どの子も眉毛が薄いんですよ。なので私も眉毛を薄くしました(笑)。メイクが上手い子ばかりなので、もっとメイクを学びたいですね。ただ、お客さんから「あまり歌舞伎町にいないタイプだね」と言われることも多くて、その意見を大切にしたいです。あまり歌舞伎町っぽいメイクに寄せ過ぎても埋もれてしまうので、今の自分を貫きたい思いもありますね。

――自分を貫いた結果、入店早々、特大店頭看板に掲載されたのはすごいことです。

胡蝶:ありがとうございます。ビギナーズラックに終わらないように、2回目、3回目と結果を残すことが重要だと思っています。

――接客で心がけていることは何でしょうか?

胡蝶:キャラを作らず、素の自分で接客するようにして、自分も楽しんで飲むことにしています。

◆コロナ発症で気づいた自己管理の大切さ

――前のお店にいたとき、コロナの影響はいかがでしたか?

胡蝶:最初はそれほど感じなかったんですけど、緊急事態宣言が出て周りのお店が早く締まるようになって、お客さんと同伴する場所も減りましたし、お酒も飲めなくなりました。お店自体は、それほどお客さんが減った訳ではなかったんですけど、周りで発症した方がいて不安を感じているお客さんもいて、リアルにコロナの状況を知るようになりました。私自身も去年6月末に、コロナに感染してしまったんです。

――そうだったんですか! どんな症状でしたか?

胡蝶:最初はエアコンの利きすぎで鼻が利かなくなったのかなと思ったんですけど、どうやら違うなと感じて病院に行ったら陽性でした。それから味も匂いもしない状態が続いたんですけど、それ以外の症状はなくて、約2週間後に陰性が出ました。一時期は何を食べても味が薄いなと感じていましたけど、今は味覚も戻って後遺症も全くないです。その経験から自己管理の大切さを、より感じるようになりましたね。

◆「私服いいね」にモチベーションが上がる

――こういう状況で気分が落ちるときもあるかと思いますが、モチベーションを上げるためにやっていることはありますか?

胡蝶:普段からポジティブ思考なんですけど、それでも気分が下がってしまうときもあります。なので月に1回は、楽しい予定を入れます。たとえば洋服を爆買いしたり、お店の子と飲みに行ったり、そういう目標があると頑張ろうって思えるんです。私は過去にアパレルで働いていた経験があるぐらい洋服が好きなんですけど、アフターでお客さんに「私服いいね」と言われたときも、ものすごくモチベーションが上がります(笑)。

――「ナイトクイーングランプリ(NIGHT QUEEN GRANDPRIX)」には、どうしてエントリーしようと思ったんですか?

胡蝶:ここで働くようになって、なんにでも挑戦したいなと思っていた矢先に、お店の方から出てみないかと誘っていただきました。ミスコンに出た経験もないですし、あまり自分に自信がなかったので迷ったんですけど、ここで引いたら、次のチャンスも引く気がしたので出ようと決心しました。

――最後に意気込みを聞かせてください。

胡蝶:競争はとっても苦手なんですけど、お客さんも、お店の人たちも応援してくれているので、キングダムクイーンとナイトクイーングランプリを広めるためにも頑張りたいです!

 胡蝶美蘭さんは、11月8日に本戦を迎える「ナイトクイーングランプリ」のローズ部門にエントリーしている。同イベントは、コロナ禍に“夜の街”として苦戦をしてきた水商売業界の再起を目指して“夜の女王日本一”を決めるコンテスト。まだまだ歌舞伎町歴は浅いながらも、個性を活かしてめきめきと頭角を現している彼女の活躍に期待したい。

取材・文/猪口貴裕 撮影/林 鉱輝  協力/日本水商売協会

―[コロナ禍の夜の街「働く女の仕事論」]―


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