竜巻によって遥か上空に飛ばされたポメラニアン、奇跡の生還を果たす(豪)

豪ニューサウスウェールズ州メドー・フラットに住むスコット・マッキノンさん(Scott McKinnon)とアン・ビークロフトさん(Anne Beecroft)夫妻の家を先月30日、突如巨大な竜巻が襲った。

この竜巻は強い勢力を保ったまま、バサーストとリスゴーの間にある森林や家屋を倒壊させながら進んだ。

中間地点にあたるスコットさんの家も竜巻の直撃を受け、崩れかけたキッチンの窓からスコットさんは危うく吸い上げられそうになったそうだ。林業労働者で屈強な身体を持つスコットさんは何とかベンチにしがみついたが、115キロある彼の大きな身体は宙に浮いていたという。

スコットさんは「人生で最も破壊的な30秒間だった」として、このように振り返っている。

「(キッチンにある)ベンチを何としても掴んでおかねばなりませんでした。片腕でなんとかしがみついていましたが、次の瞬間に足が宙に舞ったのです。足はベンチの高さまで持ち上げられました。」

なんとか竜巻をやり過ごしたスコットさんは、窓に向かって外の様子を確認した。すると近所の牛や瓦礫などとともに、愛犬でポメラニアンの“ポムポム(Pom Pom)”が約20メートルの高さを回転しながら宙に浮いていたという。

その様子は「まるでオズの魔法使いのような光景だった」とスコットさんは語る。

竜巻が過ぎ去った後、ポムポムが寝ていた犬小屋は見事に消え失せ、愛用していた毛布は松の木の高さ30メートルあたりに突き刺さっていたそうだ。

1.5キロほどしかない小さな体で竜巻に飛ばされたポムポムが生き延びるチャンスはほぼないに等しい。スコットさんはポムポムの生存の可能性を諦め、他の動物の救助に取りかかった。

そして1時間ほど経った頃、スコットさんは遠くから犬の鳴き声が聞こえるのに気付いた。なんとポムポムは竜巻に巻き込まれ、300メートル先に飛ばされながらも生き延びていたのだ。

スコットさんはポムポム発見時の様子をこう明かしている。

「15トンもの木々がまるでボロ人形みたいに投げ捨てられていたから、僕たちはもうポムポムのことは諦めていたんだ。」

「もう死んだと思っていたよ。でも300メートル離れた放牧場に行ってみると、ポムポムが生きていたんだ!」

「大きなネズミほどの大きさのポムポムが生き残っていたんだ。理解できないよ!」

「信じられない、信じられないよ。」

ポムポムは肋骨が数本折れて肺に穴が開いていたほか、歯を欠損し顎が外れるなどの重傷を負ったものの、動物病院で2週間治療を受けて退院した。現在は家の再建までの間、スコットさんの父親のもとで安静に過ごしているという。

竜巻によって見るも無残に破壊されてしまった築100年のスコットさんの家だが、夫妻は今も片づけを続けている。家のパーツの中には、約20キロ先のタラナという街まで飛ばされているものもあったそうだ。

また不幸にもこの地域は竜巻の後に豪雨に見舞われ、復旧作業はより困難を極めているという。それでも夫妻はポムポムの生還を大いに喜び、再び新しい家でともに暮らす日を楽しみにしているという。

画像は『ABC 2021年10月14日付「Dog that survived being sucked into tornado near Lithgow returns home from vet(ABC: Lauren Bohane)(ABC Central West: Arianna Levy)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 YUKKE)

2021/10/16 5:00

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