『チコちゃんに叱られる!』携帯番号「090」が多いのは「ズルい!」と言われるのを避けるため? 

 10月8日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、川島海荷とDAIGO。基本、ゲスト紹介をする際はグループ名で呼ぶのが通例(大竹まことは「シティボーイズ」など)のこの番組。DAIGOのことはもちろん「BREAKERZ」呼びだ。なのに、川島のことを「9nine」と呼ばなかったのは不可解である。もう脱退したからだろうか。MC・岡村隆史のコンビ名「ナインティナイン」と響きが近く、まぎらわしいから避けたのか?

「午前中」はあっても「午後中」がないのは、「婚約中」はあっても「結婚中」がないのと一緒

 この日最初のテーマは、「なんで午前中と言うのに午後中と言わないの?」。確かに言わないが、理由はいくつか考えられる。真っ先に思い浮かぶのは、「午後中」はつまり「今日中」と同じだから、だが……。チコちゃんが発表した正解は「午後の終わりは人それぞれだから」であった。まさに、日本人の働き方を表す答えだ。始業時間については厳しいわりに、終業時間は曖昧という。

 詳しく教えてくれるのは、東洋大学の木村一教授。曰く、「○○中」という言葉は、基本的に“終わり”がハッキリしているものに使われるそう。そこで、午前と午後の終わりについてどのように書いてあるのか大辞林を引いてみると……。

【午前】
「夜の12時から正午まで。または、夜明けから正午まで」。始まりに違いはあるものの、終わりは正午とハッキリしているのが「午前」だ。
【午後】
「正午から午前0時まで。または、正午から日没まで」。始まりはハッキリしているが、終わりはハッキリ決まっていないのが「午後」だ。

 例えば、「午前中に荷物が届きます」と言われたら昼の12時までには来ると予測できるが、「午後中に届きます」だとわからなくなる。日が暮れるまでなのが、深夜0時までなのか? このように終わりがハッキリしていない午後には「○○中」が使いにくい、という考え方のようだ。これは、時間軸ではなく動作的な意味合いにも当てはまる。結婚するまでの期間と決まっているため「婚約中」とは言えるが、終わりがあるか不明なので「結婚中」とは言えない。最後がわかるものには「中」が付き、人によって終わりが様々なものには「中」が付きづらい、という考え方である。

 う~ん、あまり納得できない。深夜帯を含むと「午前中」という言葉だって微妙になるだろう。例えば、深夜2時を思い浮かべて「午前中」とは言わないはずだ。終わりが曖昧だから「午後中」という言葉を使わないのと同様に、始まりが曖昧だから「午前中」も使えない……ということにはならないのか? 答えとして不完全で腑に落ちないのだ。

 話を元に戻そう。人は“午後の終わり”をいつとイメージしているのか? そこで、担当ディレクターは会社の先輩、後輩、家族・友達それぞれ3人ずつに「午後中に電話がほしい」とメールした。すると、「午後は3時まで」派が3人、「午後は5時まで」派が4人、「午後は6時まで」派が2人、「午後は深夜12時まで」派が1人という結果に。つまり、「5時まで」派が一番多かったのだ。これはわかる気がする。仕事を前提にしたら、定時までに電話を返そうと考えるのが普通だ。ちなみに、電話をかけてこなかったのは12人中2人。リターンしなかった理由を聞くと、友人のHさんからは「頼みごとがあるんだったらそっちから電話かけてくるでしょ」、後輩のTさんからは「もらった服を売っちゃったんで、その話になったらイヤだなと思った」という返答が。これってもう、言葉の定義ではなく関係性の実証実験になってしまっているな……。

 返事がちゃんとほしい場合は「午前中」「午後中」なんて言葉を使わず、しっかり時間指定しなければならない。「午前中」「今日中」という言葉はケンカの火種になりかねない。だから、あまり使わないほうがいいと思う。

 この日最後のテーマは「携帯電話が090から始まる事が多いのはなぜ?」というもの。チコちゃんが発表した正解は「争いが起こらない平和な番号だったから」であった。今、090は巷で“中年の証”と言われている。同じ番号を20年以上使い続けている人の証だからだ。そんなご時世なのに、この問題はなかなかキツい。でも、新規契約すると解約された090が今も割り振られることも稀にあるらしい。

 兎にも角にも、「争いが起こらない平和な番号」とはどういうことなのだろう? 詳しく教えてくれるのは、日本のすべての電話番号を管理する総務省の番号企画室室長の鈴木厚志さんである。曰く、携帯電話のサービスは自動車電話が始まりだったらしい。そのときに使われたのは030から始まる番号で、全部で10万通りの番号があったという。なぜ030だったかというと、当時すでに010と020は別のサービスで使われており、それに続く番号が030だったから。

 そして1985年、肩からぶら下げて自由に持ち運べるショルダーフォンが登場した。これを機に利用者の数は増え、040から始まる番号が追加されることに。そして、電話番号は自動車電話の頃の倍の20万通りに増えた。その後、電話はどんどん小型化し、1987年には片手で持てる携帯電話が登場! さらに、携帯はポケットサイズにまで進化して爆発的に普及し始めた。つまり、たくさんの人が携帯を利用するため、番号が足らなくなってしまったのだ。その状況に対応するべく、1996年9月からは始まりを010、030、080の3種類とする新たな番号ルールが導入されることに。これで、番号は一気に3000万通りへと増やされた。そういえば、筆者が初めて使った携帯も010から始まる番号だったな……。

 しかし、これでも数年後には番号が枯渇し、いずれ限界が来てしまう。そこで、携帯電話の番号を10桁から11桁に増やし、最大9000万通りに増やすことが決まったのだ。この時代のことを筆者はよく覚えている。「僕の話を聞いとくれ 携帯PHSは11桁 1桁増えて11桁♪」とホフディランが歌うCMが頻繁に流れていたものだ。

 11桁に変更される番号は、すでに携帯電話を利用する人も混乱なく移行できるようしっかり考慮されていた。例えば、030からの番号を持っていた場合は3を4桁目に移動させ、新たに決まる0a0を頭に付けるという方式が考えられていたのだ。

【10桁】030-○○-○○○○○ → 【11桁】0a0-3○○○-○○○○

 このとき、aに入る番号は9に決定し、携帯電話の始まりは090に統一された。でも、なんで9だったのか?

「10桁の段階で携帯電話では010と030と080が、PHSでは050と060が使用されていました。さらに、11桁に移行するまでの間に020と040も使う予定で、11桁になる前は070と090しか空いていなかったのです。さらに、070は050と060に続く番号でわかりやすいため新しいPHSの番号とし、残る090が携帯電話の11桁の新しい番号に決まったのです」(鈴木さん)

 でも、今まで使っていた010や080ではダメだったのだろうか?

「最大の理由は、不公平と感じる人が出る可能性があったからなんです」(鈴木さん)

例えば010に決めた場合、他の番号を持っていた人が「010だけそのままなんてズルイ!」という気持ちになりかねない。それを不安視したようだ。例えば11桁の最初の番号を010に統一した場合……

【10桁】010-○○-○○○○○ → 【11桁】010-1○○○-○○○○ 

 010だった人は4桁目に1を追加するだけで済むが、もともと010以外の番号だった人は頭の010と4桁目の両方が変更になってしまう。これは、030を採用しても080を採用しても同様に起こってしまうこと。そこで、10桁時代に使われていなかった新しい番号090を採用する選択が最も公平になると考えられたのだ。ちなみに、10桁の時代も090は使われていたが、最も少なかった。

「ちょっと大げさかもしれないですけど、そういった不公平感からくる争いが起こらない最も平和な番号が9だったんです」(鈴木さん)

 う~ん、くだらない。しょうもないと思う。でも、それだけでは済ませられないのが日本人の気質。「ズルい!」と騒ぎ立てる人が多いのは、我が国の国民性と言える。炎上案件になりかねないと今なら多くの人が予測できるだろう。当時にしてはきめの細かい判断である。

 こうして平成11年1月1日の午前2時、日本の携帯電話は090から始まる11桁になった。その後、一人一台の状況が当たり前になると番号は再び足りなくなり、2002年には080を追加。2013年には PHSに割り当てていた070が使えるようになり、現在、携帯電話の番号はおよそ1億9440万に。人口に対する普及率は155%だ。でも、もっと使用人口が増えたらどうするのか? 電話番号はすでに枯渇し始めているとも聞く。いつか、また桁数を広げるのだろうか。

 最後に補足情報を。今回、番組では一般的な言い方に合わせて「090」を「ゼロキューゼロ」と読んだが、本当は「レイキュウレイ」と読むのが正しいらしい。確かに、ゼロは日本語読みじゃなく英語だ。「零戦」を「ゼロ戦」と呼ぶのと同じか……。

 今回の「働き方改革のコーナー」で、ゲストのDAIGOがチコちゃんと岡村に家庭での生活ぶりを明かしている。

チコちゃん 「DAIGOちゃんは家にあるアイスのこと忘れて、同じアイスを何度も買って帰っちゃうらしいわね」
DAIGO 「そうなんだよねえ。アイスだけならいいんだけど、同じラムネが4つくらい家にあったり……。そしたら、妻に『このラムネ4つあるから。もう、当分買ってこないで』って言われて(笑)」

 DAIGOが言う妻とは、言わずと知れた北川景子である。あの人があの顔で怒るのか。整った顔だけに、怒ったら逆にめちゃくちゃ怖そうだ。「チコちゃんに叱られる!」ならぬ「北川景子に叱られる!」。

 実は、DAIGOは1歳の娘に英語を習わせようか悩んでいるという。なぜ、悩むことがある? 率先して習わせればいいはずだが、「英語がめちゃくちゃ話せるようになって、『留学したい』って言い出したらどうしよう」という理由でDAIGOは二の足を踏んでいるようだ。

チコちゃん 「そうなっちゃったら、奥さんと二人で(外国に)行っちゃうってこともあるわねえ」
DAIGO 「もう、それ最悪なパターンっすよね。最悪なケースですよね……」

 寂しさのあまり、あからさまに悩んでいるDAIGO。彼の“軽さ”を見てると、ヘコんでいても少し元気になれてしまうから不思議だ。

  • 10/15 20:00
  • サイゾー

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます