アーチェリー男子団体銅メダリスト・武藤弘樹、今でも中高生に負ける!?「だからこそプレッシャーがかかります」
藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMの番組「TOYOTA Athlete Beat」。10月9日(土)の放送では、東京2020オリンピック・アーチェリー男子団体銅メダリストの武藤弘樹(むとう・ひろき)選手をゲストに迎え、お届けしました。
(左から)藤木直人、高見侑里、(画面内)武藤弘樹さん
武藤選手は、1997年生まれ、愛知県出身の24歳。東海中学からアーチェリーを始め、東海高校では、3年生のときに世界ユース選手権ジュニア男子団体で銅メダルを獲得。慶応大学に進学後は、2018年アジア大会、2019年世界選手権に出場。5年連続でナショナルチーム入りを果たしました。
大学卒業後の2020年、トヨタ自動車に入社。東京2020オリンピックのアーチェリー男子団体では、最後の1射をど真ん中に決めて銅メダルを獲得、この種目で日本に初めてのメダルをもたらしました。
◆練習は体が覚えるまでやる
藤木:学生時代の練習は最長1日7時間半、1日の練習で打った本数が最高721本と……721本を射つのに、どのぐらいの時間がかかるものなんですか?
武藤:朝8時前ぐらいからスタートして、お昼ご飯をはさんで、夕方5時ぐらいまで射っていたような記憶があります。
藤木:やっぱり、数をこなすのは良いことなんですか?
武藤:すごく大事だと思っています。うまい選手って、考えながら射っているというよりは、自然に射っているんです。僕は今でも考えながら射っちゃうところがたくさんあるので、なにも考えなくても射ることができるようになるまでやる、という練習をしています。
高見:今は、それ以上に射つこともありますよね?
武藤:あります。大学生のときには、毎日“1,000本射ち”を1ヵ月やったことがあって、これは本当にキツかったですね(笑)。800本目ぐらいから“キツいな~”っていう感覚になってくるんですけど、900本目ぐらいになると体が勝手に動き始めるんですよ。余分な動きが削がれる感じですね。無駄なものがなくなって、最後には洗練されていくみたいな感覚になることがすごく多いです。
藤木:もともと、そういう“同じことを繰り返しおこなう”ということが得意なタイプだったんですか?
武藤:それもあったと思います。もともと集中力は高いほうでしたけど、アーチェリーをやり始めて、より集中力が身についてきました。
◆オリンピック前にも中学生に…
藤木:集中力を鍛えるために、ほかにやっていることはありますか?
武藤:基本的に、競技の練習のなかで鍛えることが多いです。アーチェリーって経験がものをいうスポーツに見えがちなんですけど、実際はそうじゃなくて。僕らでも、当たり前のように高校生や中学生にも負けるときがあるんです。
藤木:武藤選手でも(中高生に)負けることがあるんですか!?
武藤:実際にオリンピックの前にも、(練習試合で)大学生に負け、中学生にも負けて“ちょっと恥ずかしいなぁ……”っていう気持ちもありました(笑)。ただ、だからこそ“負けちゃいけない”っていうプレッシャーがさらにかかるじゃないですか。
それって、試合にすごく似ているなと思うんです。“始めてすぐにプロ野球選手に勝てる”みたいな(笑)。イメージ的にはそんな感じなので、そういう意味では、アーチェリーはすごくおもしろいスポーツだなと思います。
◆自分のやりたいことをやってほしい
藤木:メダリストになった今だからこそ、伝えたいことはありますか?
武藤:(コロナ禍で)いろいろな制約などもあるとは思いますけど、自分が好きなもの、自分が打ち込めると思ったことは、ひたすらにやってほしいなと思います。特に、中学生や高校生の頃は本当になんでもできる時期なので、自分のやりたいことを素直にやってほしいと思います。
藤木:3年後には、すぐにパリオリンピックが控えていますよね。“次はパリだ!”っていう思いが強くなったんじゃないですか?
武藤:そうですね。メダルを獲ったときはすごくうれしかったんですけど、それから日が経つにつれて、“もっといけた気がするな”って成長できる部分を感じて、1週間ぐらい経った頃には、もうパリオリンピックのことを考えていました。
閉会式を見ていて“寂しいな”っていう気持ちもあったんですけど、最後にパリの映像が流れたときに“次はこんなところでやるのか”と思って、それもワクワクしました。
次回10月16日(土)の放送は、新体操団体の日本代表・杉本早裕吏(すぎもと・さゆり)選手をゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2021年10月17日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:TOYOTA Athlete Beat
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/