元「ゆるめるモ!」あのが『あのちゃんねる』で見せた“規格外のリアクション”に芸人もタジタジ!?

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テレビの中の女たちvol.63あの

 不思議な番組だった。今年9月まで放送されていた『あのちゃんねる』(テレビ朝日系)のことだ。同番組のメインMCは、かつてアイドルグループ「ゆるめるモ!」に在籍していた、あのである。――と書いても彼女を知らない人はどこが名前だか困惑するかもしれないけれど、「あの」が名前だ。

 少し前まで頻繁に使われていた言葉を当てはめるなら、彼女は“不思議ちゃん”ということになるのだろう。“独特の世界観”とか“あのワールド”といった言葉を使いたくもなる。

 けれど、そういうありきたりな言葉でくくられることに抵抗するスタンスと、戯れるスタンスとが彼女には同居しているように感じられる。

 いずれにしても垣間見える、常套句を食い破るような過剰さ。『あのちゃんねる』は、そんな彼女の魅力を損なうことなく画面に写し取っていたように思う。

 番組終盤の9月6日から20日までの放送では、出川哲朗による、あのへのリアクション講座が3週にわたってお送りされた。あのがチャレンジしたのは、「箱の中身は何だろな」やロシアンシュークリーム、足つぼマッサージなど。いずれもバラエティではおなじみだが、あのはいずれも予想外のリアクションを見せていく。

 たとえば、箱の中身はなんだろな。動物などが入れられた箱の中に手を入れて、何が入っているかを当てるゲームだが、あのは箱に躊躇せず手を突っ込んでしまう。で、カエルやヘビなどをどんどん触ってしまう。そんなノーリアクションなあのに、リアクションの名手である出川が「もっと怖がんないと」とルールを教え込もうとする。しかし――

出川「もっと怖がんないと。ホントに怖いの入ってたらどうすんの?」
あの「大丈夫」
出川「いやいや危ないよ。パクって噛まれちゃったりすることあるんだよ?」
あの「最悪、それはそれ」
出川「おぉ…。すげぇな。ある意味リアクション芸人の鑑だ」

 企画の最後、誕生日を祝うケーキを出されたものの、例のごとく爆発。クリームまみれになったあのは、ぐちゃぐちゃになったケーキをさらにぶん殴るというリアクションを見せた。

 既存のリアクション芸にないパターンを次々と繰り出す彼女を見ながら、出川は終始「これが新しいリアクション芸なのかな?」などと、自身の“哲学”が揺らぐ表情を見せるのだった。

 こんな出川のように、『あのちゃんねる』に出演していた芸人たちは、他の番組ではあまり見せない表情を見せていた。終始ポジティブなティモンディの高岸宏行が「嫌なものはしょうがない」と諦めてしまう場面や、終始ネガティブな宮下草薙の草薙航基が積極性を垣間見せる場面といった具合に。

 『あのちゃんねる』のあの。いまのテレビではあまり見かけないキャラクターの彼女は、番組の中心に立つことで芸人たちの得意技を崩し、新たな一面を引き出していた。それも、フワちゃんのような「予定調和を崩すという予定調和」をあまり感じさせない形で。ある意味で、黒柳徹子に近いのかもしれない。

(文・飲用てれび)

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  • 10/15 17:00
  • 日刊大衆

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