東京23区で震度5強 エレベーターに閉じ込められたら…専門家が対処法を指南

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。10月9日(土)の放送では、東京大学地震研究所の古村孝志教授に、「10月7日(木)夜に発生した地震」についてお伺いしました。

※写真はイメージです

10月7日(木)午後10時41分頃に千葉県北西部を震源とするマグニチュード6の地震があり、東京・足立区、埼玉県川口市宮代町で震度5強を観測しました。都心でも大きく揺れ、恐怖を感じた方も多かったのではないでしょうか?

今回の地震のメカニズムについて、古村教授は「関東の下に沈みこんでいる太平洋プレートとフィリピン海プレートがちょうど積み重なっている、約80 kmの深さで起きた地震」と分析します。

「地震が起きた千葉県北西部の地下は、普段から地震活動が非常に活発で、2005年7月23日(土)にも今回の地震と同じマグニチュード6の地震が起きています。また最近では岩手や鹿児島でも発生していたりと、地震が続けざまに起こっています。

そうすると、“首都直下地震と関係するのではないか?”“南海トラフ地震との関係は?”と、気になる人もいるかと思います。ですが、今回の地震は、普段から地震活動が活発で、過去にも同規模の地震が繰り返した場所で発生したわけですから、今回は“起こるべきところで起きた地震”であり、他に特に変わった現象ではないため、大地震の兆候としての関係性は低いと言えます。地震は“あるときにまとまって発生する”など活動に波があるので、しばらくすると、一定期間地震活動が下がる可能性が予想されます。

今回の地震に関わらず、首都直下では、マグニチュード7クラスのより大きい地震、いわゆる“首都直下地震”の発生がずっと心配されています。もっと、大きい地震が起きる可能性があることを想定して、実際に地震がきたときのために備えておくことが重要なのではないかと思います」

また、今回の地震が起きたときにオフィスにいた方や帰宅途中だった方もいらっしゃったのではないでしょうか? 国土交通省によると、首都圏を中心におよそ5万5,800台のエレベーターが停止し、そのうち閉じ込められてしまったケースが28件あったそうです。2005年の地震でも同じ問題が起きました。そこで古村教授から、地震が起きてエレベーターに閉じ込められたときの対処法を教えていただきました。

「地震が起きると、新しい規格のエレベーターは揺れを感知して最寄りの階に停止しますが、念のため、すべての階のボタンを押して一番近い階で停まるようにして、エレベーターから降りることが大事です。

万が一に閉じ込められてしまった場合は、エレベーターのなかにインターホンがあるので、それで連絡して救助が来るまで待ちましょう。ドアをこじ開けると危険です。また、エレベーターのなかには、食料や携帯トイレ、懐中電灯、ラジオなどが備え付けてあるものもあります。もしマンションや職場のエレベーターにまだ非常グッズが備え付けられていない場合は、直ちに対処しましょう」

そして、電車がストップして帰宅が困難になってしまった場合に備えて、職場や外出先で一晩過ごすための薬や携帯充電器などの必需品は、いつも持ち歩きましょう。避難施設を事前に調べておくことも大切です。商業施設や文化施設でも帰宅困難者を受け入れてくれるところもあります。

地震発生後、1週間程度は今回と同程度の揺れを伴う地震が発生する可能性があるため、引き続き注意が必要です。家具の固定は必須です。高いところに重い荷物は置かれていないか、あらためて確認をしましょう。

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<番組概要>

番組名:防災FRONT LINE

放送日時:毎週土曜 8:25~8:30

パーソナリティ:手島千尋

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

2021/10/15 6:00

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