銀座のナンバー1嬢「コロナ禍でも指名が途切れたことがない」接客の極意とは?

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止で度重なる時短営業・休業要請を受け、夜の街が疲弊している。特に人と人との接客を主とする水商売への風当たりは強い。が、そこで働く人たちそれぞれにリアルな生活があり、逆風のなかでも明るく前向きに、人、仕事と向き合っている。

 クラブ、キャバクラ、ガールズバー、スナック…業態は数あれど、そこで働く女性たちは、この時世にどう試行錯誤しながら仕事と向き合っているのか。夜の街で働く女性を対象にしたミスコン「ナイトクイーングランプリ」に出場する女性たちの仕事術から、逆境を生き抜くヒントを見つけていきたい。

◆銀座・キャバクラ「ラヴィエ」らむねさん
母のお店を継ぐために航空会社から水商売に転職

 これまで西麻布や門前仲町のキャバクラ、銀座のクラブなどで働き、錦糸町のガールズバーでママを務めたこともあるらむねさん。現在所属する「銀座ラヴィエ」は今年3月から働き始め、最初の月から現在までナンバー1の座をキープ。8月は系列店の全店舗を含めた中でもナンバー1を獲得した。

 かつては日本体育大学でバスケットボールと集団行動に打ち込み、現在も週に3回以上は体を動かして、抜群のプロポーションをキープしているスポーツマン女子の彼女が水商売にかける思いとは?

――前職は日本の航空会社で働いていたそうですね。

らむね:新卒で航空会社に就職して2年間、グランドホステスをさせていただきました。

――どうして水商売に転職しようと思ったんですか?

らむね:母が自営業で、東銀座で小料理屋とバーを経営しています。うちは母子家庭で、私には妹がいるのですが、母は女手一つで私たちを育てるために水商売を始めました。それまで外資の大手コンピュータ関連企業に勤めていて、英語もペラペラなエリートだったんですけど、私たちのために時間の融通が利く水商売を選んだんです。そんな母を尊敬しているのですが、家族のために自分に何ができるかを考えたときに、30歳までに母のお店を継ごうと決心しました。それで水商売に転職したんです。

◆母には接客について教えてもらうことも

――お母さんは転職することに賛成だったんですか?

らむね:もともとは反対でした。なかなか世間から応援されるお仕事ではないですし、昼職をやってほしいと。でも今は「やるなら本気でやれ!」と言われていますし、お店を継ぐのも賛成してくれています。挨拶や話し方、空気の読み方など、母から接客について教えてもらうことも多いです。

――銀座で働く前から、幾つかのお店を経験しているそうですね。

らむね:初めて夜のお仕事をしたのは大学時代で、門前仲町のキャバクラで働きました。それまで私はスポーツ一筋で、化粧も下手でしたし、ブランド物の知識もありませんでした。最初の頃は全く指名が取れず、ヘルプばかり……。でも水商売は楽しかったので、何とか結果を残そうと、日体大のジャージを着たり、大学で学んでいた集団行動の行進をしたり。自分ならではの接客をやったらお客様の反応も良くて、ナンバー1になれました。後に錦糸町のガールズバーでママをやらせていただくんですが、私を推薦してくださったのは、門前仲町のキャバクラでお世話になった方でした。

◆西麻布、錦糸町から銀座へ

――初めての水商売で、それだけの結果を残したということは、性に合ったんですね。どうして銀座で働こうと思ったんですか?

らむね:航空会社を辞めた後は西麻布のキャバクラで働いて、母のお店が東銀座というのもあって、次に銀座のクラブで働いていたんです。その後、錦糸町のガールズバーのお話があって、そこで2年間働いていたんですけど、コロナ禍という状況もありましたし、将来も見据えて銀座に戻ろうと「銀座ラヴィエ」に所属させていただきました。幾つかのお店で働いたことで、いろいろなお客様と知り合うことができましたし、その経験は財産ですね。

――やはり銀座は特別な街ですか?

らむね:そうですね。心が広くて知識のあるお客様ばかりなので、学びの多い街です。お仕事に関しても親身になってアドバイスをしてくださるので、成長することもできます。私が元気を与える立場なのに、逆にお客様から元気をいただいていますね。

◆日体大で「集団行動」を体験

――日体大に通っていたそうですが、大学時代の経験が、今のお仕事にも活かされている面はありますか?

らむね:清原伸彦先生の元で集団行動をやらせていただいたんですが、メンタルを鍛えられましたし、上下関係など人との付き合い方も教わりました。そのおかげで、お客様から姿勢の良さや挨拶を褒めていただけることも多いです。

――プロポーションも素晴らしいですが、今もスポーツは継続しているんですか?

らむね:週に3回以上は体を動かすように心がけています。普段はプライベートジムに通って、朝まで飲んだ後でも筋トレを1時間はやるようにしています。そのほかにもヨガ、サップヨガ、キックボクシングなどもやりますし、コロナ禍になる前はサーフィンやシュノーケルもやっていました。お客様に時間とお金をいただくお仕事なので、できるだけきれいな姿をキープするのが義務だと思っています。

◆コロナ禍でもギブ・アンド・テイクを意識

――プロ意識の強いらむねさんですが、コロナ禍でモチベーションは下がらなかったですか?

らむね:下がらなかったと言えばウソになりますね。街から人がいなくなって、フリーのお客様がほぼいない状態。地方のお客様も来られないですし、大人数でいらっしゃる方もいなくなりました。ただ私は負けず嫌いな性格ですし、そんな状況でも応援してくださるお客様が多くて、おかげさまでコロナ禍になってからも指名のない日はありません。私はギブ・アンド・テイクを心がけているので、たとえば同業者の方だったら一人で飲みに行かせていただきますし、商売をやってらっしゃる方なら、そこの商品を買わせていただきます。

――お店だけの関係ではないんですね。モチベーションを上げるための方法はありますか?

らむね:落ち込んだときは、お客さんとのLINEや写真、頂き物などを見て気分を上げるようにしています。先日、お客様が奥様と一緒に来てくださって、奥様から「一緒に宝塚に行きましょう」と誘っていただきました。その際に「いつも主人が楽しい子だよと言ってるから、これからもよろしくね」と言ってもらえて、すごく嬉しかったですし、元気をいただきました。

――今回、どういう意気込みで「ナイトクイーングランプリ(NIGHT QUEEN GRANDPRIX)」に出ようと思ったのでしょうか?

らむね:コロナ禍でネガティブな気分になることも多いですけど、お客様に元気を与えるのが私のモットーです。それを多くの人に発信したかったんです。これをきっかけに同年代の女の子、同業者など、落ち込んでいる人たちに勇気を与えられたら嬉しいです!

 らむねさんは、11月8日に本戦を迎える「ナイトクイーングランプリ」のローズ部門にエントリーしている。同イベントは、コロナ禍に“夜の街”として苦戦をしてきた水商売業界の再起を目指して“夜の女王日本一”を決めるコンテスト。負けず嫌いでポジティブ気質な彼女が女王となるのか、注目したい。

取材・文/猪口貴裕 撮影/林 鉱輝  協力/日本水商売協会

―[コロナ禍の夜の街「働く女の仕事論」]―


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