iPhoneの新OSは何が違う? アップデートされたSafariに注目してみた
―[デジタル四方山話]―
9月21日にiOS 15がリリースされた。iPhone 13シリーズには最初から搭載されており、iPhone 6s以降のiPhoneでも無料でアップグレードできる。多数の新機能が追加されているが、今回は標準ブラウザのSafariについて紹介しよう。
◆Safariで拡張機能が搭載された
Safariが正式に拡張機能をサポートした。拡張機能はApp Storeの「Safari拡張機能」カテゴリからダウンロードできる。以前からSafariで利用できたパスワード管理ツール「1Password」やセキュリティアプリ「ウィルスバスターモバイル」、各種広告ブロッカーなども収録されている。
今回は、ジェスチャーでSafariを操作できる「Svadilfari」を使えるようにしてみよう。App Storeからインストールしたら、Safariの設定を開き、「拡張機能」をタップ。「Svadilfari」をオンにする。
これでウェブ閲覧中にジェスチャーでタブを閉じるなどの操作が可能になる。
◆Safariのアドレスフィールドが上から下に移動した!
Safariを起動して驚くのが、URLの表示欄が下に来ていること。この部分を「タブバー」と呼ぶ。複数のタブでウェブページを開いている場合、このタブバーを左右にスライドすることで、前後のタブに切り替えられるようになった。いちいち、タブボタンを押す必要がないので、手間が省ける。
筆者としては、片手操作時に親指で届くようになったのでありがたいのだが、使いにくいという声もあるよう。そんな時は、Safariの設定を開き、「タブ」項目で「シングルタブ」を選択すればいい。これで従来のようにアドレスフィールドが上に表示されるようになる。
ちなみに、タブの概要ボタンをタップしたときの画面も大きく変わっている。サムネイルが並ぶグリッド表示になったのだ。
◆タブグループで多数のウェブページを管理できる
タブグループを作れるようになったのも便利だ。これまで、色々なことについて調べ物をしていると大量のタブが開いてしまっていた。オススメ飲食店で20ページ、iPhoneの活用記事で20ページ、漫画サイトで10ページなど、あっという間に100枚くらいは開いてしまう。
そうすると、目当てのタブが見つかりにくくなり、結局一から検索するなんてことも起きて本末転倒になっている。しかし、カテゴリごとにタブグループを作っておけば、すっきりと整理できる。
操作は簡単。タブバーをタップするとメニューが開く。「空の新規タブグループ」をタップして、タブグループを作り、サムネイルを長押しして1枚ずつタブを移動させる。もし、現在開いているタブすべてをまとめるなら「●個のタブから新規タブグループを作成」をタップするほうが簡単だ。これで、タブバーを開くと、いつでも切り替えられるようになる。
◆「プライベートリレー」機能はオフにしておく
新たにiCloudプライベートリレー機能が追加された。iCloudのサブスクリプションを契約しているユーザー向けとなるが、追加料金なしで利用できる。
例えば、Safariから送信される通信が暗号化され、2つの異なるインターネットリレー経由で送信されるようになる。すると、ウェブサイトからは、ユーザーのIPアドレスと位置情報が見えなくなり、情報を収集されなくなるのだ。
プライバシー保護としてはとても安心できる機能。さすがApple、という感じではあるのだが、実はユーザーを特定できないために、トラブルも起きている。
NTTドコモではdアカウントメニューが利用できなくなる。ソフトバンクモバイルでは動画SNS放題に加入していても、プライベートリレーがオンになっていると対象とカウントされなくなる可能性があるという。同様に「LINEMO」の「LINEギガフリー」も対象外になってしまう。
解決法は機能をオフにすること。設定から自分のAppleIDをタップし、「iCloud」の「プライベートリレー(ベータ版)」を開いたら、「プライベートリレー(ベータ版)」をオフにする。いつか、両方のメリットを享受できる対策を施してほしいところだ。
iOS 15でSafariが大きく変わったが、便利になっていることは間違いない。日々使う物なので、しっかり操作方法をマスターしておこう。
<文/柳谷智宣>
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【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる