リコ(821)[インタビュー]無限のポテンシャルを放つ15歳の視線の先「表現することが好き。映画とかミュージカルにも出てみたいし、歌うお仕事もしていきたい」
<ホリプロタレントスカウトキャラバン>により選出されたメンバー5名で結成されたガールズユニット、821(ハニー)。多彩なキャラクターを持つ821のメンバーの中で、15歳・沖縄在住のリコは、幼少期から磨き上げてきた高いダンススキルによってグループのパフォーマンス面をリード。また、ギターや三線も演奏するなど、音楽的才能を発揮している。今回、あどけなさを残しながらもクールな雰囲気を漂わせるリコに、音楽やダンスを中心とした自身のこれまでの歩みと821の活動について振り返ってもらった。
編集協力:井手朋子
ギターはYouTubeを観ながら独学で勉強してます
――リコさんは小学校3年生からダンスを習い始めたそうですが、それ以前も何か習い事はやっていましたか?
リコ:
小学校1年生から吹奏楽部に入って打楽器をやっていたんですけど、それ以外は特に何もしていなかったです。もともとお姉ちゃんが金管楽器をやっていたのもあって、その流れで私も吹奏楽部に入りました。打楽器はとても楽しかったですね。小学校2年生の時には九州大会にも出場したんですけど、1人だけ身体が小さくてドラムセットの椅子のサイズが合わなかったのでオーダーしてもらったんです。もともと踊ることが好きだったので、楽譜を見ながらリズムを刻んでいくということも好きだったんだと思います。たぶんドラムは今でも叩けますね(笑)。
――踊ることが好きだと思い始めたのはいつ頃から?
リコ:
自分ではあまり覚えてないんですけど、家族から聞いた話だと子どもの時からずっと踊ってたみたいです。お母さんがカラオケで歌っている横で、EXILEや三代目J SOUL BROTHERS、ピンクレディーなどの曲に合わせて創作ダンスを踊ってたそうです(笑)。
――小さい頃から音楽が好きだったんですか?
リコ:
8歳と3歳離れたお姉ちゃんが2人いて、小学校の時は音楽自体にはあまり興味がなかったんですが、そのお姉ちゃんたちがK-POPが好きというのもあって、中学校に入る頃からK-POPを聴き始めたんです。今はもうK-POPしか聴かないくらいですし(笑)、踊るのもK-POPが多いです。最初はTWICEとかから聴き始めて、今はITZYが好きですね。
――ダンスを習い始めたきっかけは?
リコ:
友達が出ていたダンスの発表会を観に行った時に、すごいカッコいいなと思って、自分もできないかなっていうちょっとした気持ちから、“ダンスを習いたい”ってお母さんに言ってすぐに始めました。でも、もともと積極的に人に話しかけたりできるタイプじゃないので、お母さんはダンススクールでちゃんとやっていけるか心配だって最初は言ってたんですけど、全然そんなことなくて。最初から先生方ともみんなとも仲よくなれました。そこのスクールはウマくなったら中級クラスに上がれるんですけど、先生には上達が早いって言ってもらえて、たぶんそれで余計にハマっちゃったんだと思います。
――もともとリズム感がいいから、ダンスでもコツを掴むのが早かったんでしょうね。ダンスは周りとも合わせなくてはいけないですが、すぐに周りの人たちと一緒に合わせて踊れるようになったんですか?
リコ:
意外とすぐにできるようになりました。ヒップホップダンスを踊っていたんですけど、ダンサーには全然詳しくなくて。特に誰が好きっていうのはなかったんですけど、先生が有名な方だったんです。だからその先生のようになりたいっていうのがありました。先生が教えている高学年のチームは毎年世界大会に行くぐらいで、その先生に教えてもらえることは贅沢って言われてました。
――リコさんは、ギターも弾いているそうですね。
リコ:
小学校3年生ぐらいの時にすごくギターを弾きたくなって、親に“ギターを買って欲しい”ってお願いしたんです。打楽器をやっていたこともあると思うんですけど、急にギターに興味が湧いて、でもその時は結局買ってもらえなかったんです。それからまた中学校に入った時にやりたい気持ちが戻ってきて、そうしたらお父さんがたまたま昔の友達にもらったアコースティックギターがあったので、今はそのギターで独学で練習しています。
――弾けるようになってきましたか?
リコ:
毎日弾いているので、だいぶ弾けるようになってきました。
――ギタリストが最初に当たるFコードの壁も越えました?(笑)
リコ:
Fコードの壁はまだ完璧には越えられてはいないです(笑)。最初は指が痛くて、痛くなったらやめちゃう感じだったんですけど、今はちょっと慣れてきて痛くなっても続けられるようになりました。指も硬くなってだいぶ慣れてきましたね。今は「ドライフラワー」(優里)や「さよならエレジー」(菅田将暉)を練習しています。
――それらの曲を弾きたいと思ったのはSNSの影響ですか?
リコ:
そうですね。TikTokでギターで弾き語りをしてる方が多くて、「ドライフラワー」やあいみょんの曲を弾いてたりしているので、自分もそれを弾けるようになりたいなと思いました。今後は、BLACKPINKの「STAY」っていう曲が好きなので、指弾きで弾けるようになりたいですね。私、基本はYouTubeでギターの弾き方を勉強しているんです。ピアノも4、5歳ぐらいの時からYouTubeを観ながら弾いていて。
――それはすごい! もともと音感があるんですね。
リコ:
生まれた時からずっとお母さんが常に音楽を聴かせてくれてたみたいで、その影響も少しはあるのかもしれません。あとはおばあちゃんが沖縄民謡を歌うのがとても上手だったんです。
「【RIKO】優里さん「ドライフラワー」を歌ってみた!」
諦めずに練習していたら高音が出るようになって、今は歌うのが大好きです
――<ホリプロタレントスカウトキャラバン>を経て、821としての活動をスタートしたわけですが、そもそもオーディションを受けようと思ったきっかけは?
リコ:
最初はそこまで興味があったわけではないんですけど、小学校3年ぐらいの頃から周りに勧められるようになって。小学校6年生の時に<ホリプロタレントスカウトキャラバン>を受けたんですが、最終審査は熱海で5日間の合宿オーディションだったんですけど、周りは知らない子ばかりで。
――オーディションの手応えはありましたか?
リコ:
あまりなかったです。ダンスはちょっと自信があったんですけど、演技は初めてだし、当時は歌も苦手だったのであまり歌わなくて。ここでよい経験ができたらいいのかなっていう軽い気持ちではありました。
――そんな状況の中で、自分が受かった理由はどこにあったと思いますか?
リコ:
なんでだろう……。それが未だにわからないんです。そもそも1人しか受からないと思ってたから、絶対に無理だと思ってました。
――821は、その後『りぼん』2019年4月号より<ホリプロタレントスカウトキャラバン>を舞台としたマンガ『きみとゆめみる羊』が連載され、2020年1月号の最終回でメンバー5人の写真が掲載されるというユニークな形で登場しました。
リコ:
それがけっこう大変でしたね。1年間誰にも言わず、『りぼん』にマンガが公開されるまで自分だってバレないようにしたりして。クラスの子が『りぼん』の付録を持ってるからバレないかなと思ってヒヤヒヤしてました(笑)。
――それでは、1年間友達にも秘密で活動していたんですね。
リコ:
何も言えなかったです。2週間に1度、週末に東京に行ってたんですけど、友達には何も言わず、バレないように頑張ってました。
――当時のレッスンで大変だったことは?
リコ:
やっぱり歌です。歌の前に筋トレしたり、グループで分かれて練習するんですけど、高音を出すのが苦手だったんです。周りには出せる子もいたから、それで気持ち的に下がった時もありました。でも、諦めずに練習していると、最初の時よりもだいぶ歌いやすくなって。今も高音は苦手なんですけど、最初よりは出るようになって歌える曲も増えてきて、それで“あ、歌うのってこんな楽しいんだ”っていう気持ちになって、今は歌うのが大好きです。
――ハイトーンは出るようになるのがわかるので、自分の成長がつかみやすいですよね。逆に当時楽しかったことは?
リコ:
演技レッスンが1番好きでした。初めて長いセリフがある台本もらった時は覚えるのが楽しくて。自分のやり方で演技をして、先生から“こういう風にしたらいいよ”ってアドバイスをいただくんですけど、自分のセリフがない時も、セリフを話してる相手がどういう表情をするのかとか、そういうことを考えるのが楽しかったです。
――女優では、高畑充希さんに憧れているんですよね?
リコ:
高畑さんが<ピーターパン>のミュージカルに出演されていて。ミュージカルって演技をしながら歌ったり踊ったりするじゃないですか。それがまずすごいなと思って。たぶん自分だったらまだ歌いながら踊るということはできないので、そこに憧れています。
――今後はミュージカルをやってみたい?
リコ:
殺陣をやってみたいです。
――殺陣は、821の「WHO」のMVでやってましたよね?
821「WHO」MV
リコ:
そのMV撮影の時に、すごい楽しかったんです。
――リコさんは、今年6月に『世にも奇妙な物語』に出演しましたよね。
リコ:
最初は緊張してたんですけど、楽しかったっていうのが1番です。
――演技も自然にできました?
リコ:
自分的には自然にできたんじゃないかなと思います。
――今回の役作りは、どうでしたか?
リコ:
“お父さん”っていうセリフがあったんですけど、相手役の方を本当にお父さんだと思って、仲のいい親子って思いながらセリフを言いました。
メンバーとは大変な時も楽しい時も一緒にいたから絆が深まった
――821の「Call My Name」の振り付けは、リコさんが担当されたんですよね。
「【本人解説】821 "Call My Name" Dance Practice Video by RIKO」
リコ:
振り付けをやってみない?っていう話をいただいたんですが、もともとやってみたいという気持ちがあったです。これもK-POPの話になるんですけど、韓国のオーディション番組でメンバー自身が作詞&作曲をして振り付けを作るというシーンを観てたので、実際にそれを自分ができることになって嬉しかったです。「Call My Name」は歌詞が可愛らしい感じなので、その歌詞の意味に沿ったダンスにしたり、みんなが真似できるような簡単な振り付けにしました。
――リコさんは、表現したり何かを作ることが好きなんですね。
リコ:
自分を表現することは好きです。今後は映画とかミュージカルにも出てみたいなと思いますし、レコーディングも好きなので歌うお仕事もできたらいいなって思います。
――レコーディングは、最初苦戦しました?
リコ:
そうですね。普通のカラオケとはまた違う感じで、メトロノームの音が聴こえてきたり、自分の声と音楽のバランスを調節できたりして、最初は戸惑いました。
――「Call My Name」のレコーディングで気をつけたことは?
リコ:
ラップを担当させていただいたので、テンションアゲアゲで歌うっていうことを気つけてました。でも、レコーディングブースの外にいるメンバーが面白いことをして笑わせてくれたりしてくれたので、自然とテンションはマックスになりましたね(笑)。
――メンバー同士かなり仲がよさそうですよね。
リコ:
同じ世代っていうのもあると思うんですけど、夏休みや春休みに1〜2週間のレッスン合宿があって、それでずっと一緒にいたっていうのもあると思います。一緒にレッスンを受けてきて、大変な時も楽しい時も一緒にいたから絆が深まったというか。
――リコさんは沖縄に住んでいるので、ほかのメンバーとはなかなかすぐに会えないじゃないですか。それでも結束は常に感じられています?
リコ:
感じられますね。LINE電話でグループ通話する時もあるんですけど、日頃の学校での話や821の活動についてなど、メンバーとはいろんな話をしています。
――821は今後どういうグループにしていきたいですか?
リコ:
ガールズグループだから歌って踊っていつかライブをしたいという夢もあるんですけど、私的にはカッコいい系も取り入れつつ、可愛い感じのグループになったらいいなって思ってます。
――それは楽しみですね。では最後に、リコさん個人の今後の目標を教えてください。
リコ:
821の活動も頑張りつつ、これからは個人としても、歌って踊ってのお仕事をやりながら、自分が目標としている高畑充希さんのようになりたいです。映画もドラマも、CMにも出てみたいなって思いますし、ミュージカルにも出てみたいですね。
リコ プロフィール
2006年9月29日生まれ。沖縄出身
身長:152cm
血液型:A型
特技:ダンス、ギター、三線
関連リンク
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