「服好き」以外も知っていたほうがいい“ファッションの最新トレンド”3選

―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第348回目をよろしくお願いします。

「トレンドは10年スパンで大きく変わる」なんて言われますが、まさに今、ファッショントレンドは変革の真っ最中!

 ストリートな着こなしから徐々にクラシカルな装いに軸足が移っており、徐々に変化が起こり始めています。

 今回は「時代遅れのオジサン」にならないように重要トレンド3つをお届けします。ぜひご参考に!

◆★「ダウンジャケット」から「クラシカルなコート」に!

 カナダグースやモンクレールなどプレミアムダウンが国内市場に流れ込んできてから早10年以上。今やユニクロでも高品質ダウンが手に入るようになり、すっかり浸透しきった印象です。

 定番品としてまだまだ需要のあるダウンではありますが、昨年今年あたりからは各ブランド、浸透具合を見計らってクラシカルなロングコートなどを強化して展開しています。今から買うならダウンより大人顔のコートのほうが選択肢は多いかも。

 トレンド的にもストリートライクな着こなしがひと段落し、徐々にクラシックなスタイリングが人気となっています。デニムからスラックスへ、ダウンからコートへ、スウェットからニットへと軸足は移っている印象です。

◆ユニクロのダウンもトレンドを意識して変化

 ユニクロもシームレスダウンなどの販促は昨年あたりからすっかり控えめになり、ダウンに見えない「ハイブリッドダウン」や「ステンカラーコート」などの提案が増えてました。

 もっともトレンドの旬が過ぎたとはいえ、ダウンを買ってはいけないというわけではありません。今年選ぶなら「ロング丈のダウン」などコートのように見えるダウンがいいでしょう。

・UNIQLO シームレスダウンコート 1万5900円

 昔ながらのモコモコ大ボリュームのアウトドアライクなダウンではなく、スーツでも合わせられるようなものが今年は主流です。

◆★「スニーカー」から「革靴・ブーツ」に!

「ファッションスナップ・ドットコム」に掲載されたスニーカーストア「アトモス」代表のインタビュー。何度となくスニーカートレンドの隆盛と終焉を見てきたアトモスには、そのパターンが見えているようです。

 いわく「NIKEのトレンドはエアマックス→エアジョーダン→エアフォースなど移り変わり……最後にダンクが流行るとスニーカートレンドは終焉する」とのこと。確かに90年代~2000年頃のスニーカートレンドも同じようにマックスから始まって最後にはダンクが流行っていたような……。

 そして、空前のスニーカーブームだった近年、人気はまだまだ維持されているしNIKEの希少モデル購入権をめぐる抽選はいまだにまったく当たる試しがない。

◆ダッドスニーカーのブームもひと段落

 しかしながら言われてみると……海外コレクションの足元は革靴やブーツが着実に増えてきており、あれだけ「スニーカー推し」だったDiorやルイヴィトンでさえ少しずつ革靴やブーツの提案が増えてきています。

 街中を見ても明らかに革靴やブーツの比率が増えてきており、アトモス代表の予言通り、スニーカートレンドは若干の落ち着きを見せている模様。

 一時の色とりどりのイカつい「ダッドスニーカー」も今はひと段落しており、現在は同じスニーカーでもニューバランスなどの大人顔のものが人気あるようです。

 この冬の足元を探すなら革靴やブーツ、もしくはスニーカーでもきれい目な色の切り替えの少ないシンプルなモデルを選ぶといいでしょう。

・GU リアルレザーストレートチップシューズ+E 3990円

 GUでもこのタイミングでリアルレザーの革靴を強化して展開していますから、先読み具合ハンパないですね。

◆★「スキニー」から「ストレート・ワイド・ブーツカット」に!

 長らく市場を席巻していたスキニーもそろそろ「定番」へと落ち着き、トレンドから格下げとなった印象です。今や街中を歩くとスキニーと同じくらいストレートやワイドなどのシルエットが増えており、おしゃれな男子はブーツカットにも手を出しています。

 現在のトレンドは70年代のリバイバル、ヒッピートレンドを模した流れが強く感じられます。ベトナム戦争の反戦運動、ヒッピームーブメントなどは昨今のSDGsやサステナブルともどこか似た思想を感じますが、それがファッションカルチャーにも影響している様にも思えます。

 トレンドカラーは70年代と同じようにグリーンなどのアースカラーが増えてきており、ミリタリーアイテムを好み、またヒッピーのごとくアクセサリーやボタンZIPワッペンなど装飾もどんどん増えています。

◆変化のあるシルエットがおすすめ

 その中でボトムスのシルエットも70年代を中心に巻き起こった「ブーツカット・ベルボトム」が復刻。レディス市場では既に数年前から増えていますが、いよいよメンズでも今年あたりから人気が出てきました。

 リーバイス517のような膝からわずかに広がった自然なブーツカットが足長に見え、またボリュームシューズなどと相性いいと評判。

 スキニーも悪くはないですが、今年買うならワイドやストレート、ブーツカットなど変化のあるシルエットの方がおすすめです。

・Wrangler ランチャードレスパンツ 8800円

 1万円を切る価格でも買えるので試してみるのも手かも。

 以上、2021-2022年秋冬に見られるメンズファッションのトレンド3つでした!

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】

ファッションバイヤー。最新刊『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』ほか関連書籍が累計100万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)

2021/10/13 8:54

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