いよいよ“勝利必須”の大一番! 最後に日本が豪州に敗れたのは…?

 アウェイで挑んだ勝負のサウジアラビア戦、結果は0-1での敗戦。3試合を終えて1勝2敗と、アジア最終予選突破に立ち込めつつある暗雲が、より分厚くなってしまった感がある。このタイミングで迎える次の相手は、ここまで3連勝と着実に勝ち点を積み上げているオーストラリアだ。

 過去に日本とオーストラリアは国際Aマッチで25試合を戦っており、結果は日本の9勝9分け7敗。最後に日本が負けたのは2009年6月17日のアジア最終予選だが、既に本大会出場を決めた後のゲームであり、以降の7試合は4勝3分けと決して相性の悪い相手ではない。なお、両国の初対戦は1956年11月27日のメルボルンオリンピック本大会。スタメンに名古屋グランパス初代監督の平木隆三、ベンチには元JFA会長の長沼健も控える中、2-0で“ホーム”のオーストラリアが勝利を収めている。

 1994年5月22日のキリンカップサッカー94は、いわゆる『ドーハの悲劇』からのリスタート。初陣に臨むロベルト・ファルカン監督は今藤幸治、名塚善寛、岩本輝雄、前園真聖、佐藤慶明、小倉隆史と代表デビューとなる選手を6人も起用した。浅野哲也のミドルシュートで先制しながら1-1で引き分けた一戦は、その選手選考も含めたファルカンの大胆な采配が個人的に印象深い。

 こんな時だからこそ、ポジティブな記憶を紐解きたい。2011年1月29日のアジアカップ決勝。カタール・ドーハで行われたゲームは延長後半4分、今回の代表にも選出されている長友佑都のクロスから李忠成がボレーを叩き込み、劇的な優勝を引き寄せた。なお、この時のオーストラリア代表監督が浦和レッズで指揮を執った経験を持つホルガー・オジェックだったことも、不思議な縁を感じずにはいられない。

 現在のオーストラリア代表を率いるグラハム・アーノルド監督も、日本と非常に関係の深い指揮官だ。現役時代は1997年から98年までサンフレッチェ広島に在籍。日本の森保一監督は当時のチームメイトでもあり、高木琢也、久保竜彦、盧廷潤らと前線でコンビを組むこともあった。また、2014年にはベガルタ仙台の監督に就任したものの、開幕から公式戦8戦未勝利のまま、4月に退任という形でチームを離れている。

 中盤のキーマンとして10番を背負うMFアイディン・フルスティッチは、フランクフルトで鎌田大地や長谷部誠とチームメイト。セットプレーも担当する左利きのプレーメーカーで、高いキック精度を誇る。左サイドの低い位置に下りながらボールを引き出し、長短のパスでリズムを生み出していくだけに、ここを誰がケアするかは日本にとっても一つのポイントになってくるはずだ。

 Jリーグファンにも馴染みが深いのは、スーパーサブ的な役割で最終予選もここまで2ゴールを挙げているFWミッチェル・デューク。2015年から4シーズンに渡って清水エスパルスでプレーし、今年8月にはファジアーノ岡山へ加入。常に100パーセントでファイトする姿が、サポーターの共感を呼ぶハードワーカーでもある。ちなみに彼の国際Aマッチ初ゴールは、EAFF東アジアカップ2013の日本戦。今年に入ってからの代表でも6試合4得点と好調を維持しており、本人の日本に対するモチベーションを考えても、警戒すべき選手であることは間違いない。

 勝利を義務付けられた一戦は10月12日(火)19時10分キックオフ。試合の模様はテレビ朝日系列で生中継、DAZNで生配信される。

文=土屋雅史

2021/10/12 7:30

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