キングオブコント王者・空気階段のラジオは最高です!

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 爆笑問題・太田はラジオの開始早々気炎を上げた。

「越崎(こしざき)、鼻高々だね!直談判したらしいよ、社長に。空気階段はぜんぶオレの手柄だっつって」(『爆笑問題カーボーイ』TBSラジオ10月5日放送回より)

「ウソつけ!」すかさず田中が突っ込んだわけだが、太田がこう言うのも無理はない。
 前述の「越崎」こと越崎恭平氏とはフリーのディレクターであり、キングオブコント王者・空気階段がまだバイトをしていた2017年4月からレギュラー番組『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)を担当し続けている、影の立役者だ。

◆空気階段 キングオブコント優勝のシンデレラボーイ

 空気階段は『有吉の壁』(日本テレビ)をはじめとして、バラエティ番組ではすでに知られた存在ではあったが、今回のキングオブコント優勝を機に爆笑問題・田中が「シンデレラボーイだね」と評した通り、一気に広い認知度を得るだろう。

 鈴木もぐらの親しみやすい風貌やギャンブル好き、借金エピソード(550万円ある負債は優勝賞金をもってしても返せないらしい)は、平場(ひらば)でも愛され、テレビの世界で確たる居場所を築くだろうし、水川かたまりの潔癖な姿勢、素直な発言は人の耳目を惹きつけてやまないだろう。キングオブコントで大会史上最高得点の審査結果を見た彼は真顔で言いきった。
「生まれてきた意味があります!」

◆『空気階段の踊り場』は最高のラジオです

 彼らが4年以上続けてきた『空気階段の踊り場』は劇団ひとり、安住紳一郎アナウンサー、花澤香菜、佐久間宣行プロデューサー、作家・一穂ミチ氏ら著名人のリスナーも多いが、私が皆さんにお伝えしたいのは、これに尽きる。

『空気階段の踊り場』は最高のラジオです。

 以下、その魅力をわずかながらお話ししたい。

 『踊り場』(『空気階段の踊り場』の略称)はドキュメンタリーラジオだとよく言われているんです。

 番組内で、好きな人に公開告白、交際、結婚、子どもの誕生、離婚、新しい恋人との出会いを報告など、二人はさらけ出してきています。が、同じことをやったからといって、よいわけではない。

 はっきり言って、知らんヤツの公開プロポーズは、ラジオを聞いている人間にとって、どうでもいい。少なくともエンタメになるとは限らないですよね?

 が、空気階段の告白は、聞いている人間を引かせない。むしろ彼らの物語のなかへ引き込む。

 それだけ彼らは過剰なんです。感情においても、やり取りの展開においても、言葉においても。

◆聞いていると巻き込まれるパワー系ラジオ

 水川かたまりは、番組内でプロポーズしたのですが、そもそも予定にはない突発的なアクシデントでした。また相手とは破局していたタイミングであり、鈴木もぐらが強く説得した結果、思いを告げることにして、番組収録を2時間15分中断して書いた手紙の中での「僕のお嫁さんになってください」に至ったという。

 結果、号泣してのプロポーズではあったものの、途中、破局はもちろん交際していたことも公開したくない水川かたまりを、なんとか口を割らせるべく持ちかける鈴木もぐら、そのせめぎ合いがあったり、かたまりが泣いていると指摘するもぐらの口ぶりに、なんだか笑ってしまったり…など、単に予定調和の“感動モノ”というわけではないんです。

 鈴木もぐらも、過去に誰とも交際したことがない時点で、意中の人に番組内で告白したのだけれど、もともと計画し言葉も準備していたのですが、あまりの長文に、編集作業でカットした箇所もあるというくらい、めちゃくちゃ突き抜けて思いがあふれ出しており、聴いてる側を流れに巻き込んでしまう力がある。

 余談ですが、今回のキングオブコントを振り返ったマヂカルラブリー・野田クリスタルは、ファイナルステージに残った空気階段、ザ・マミィ、男性ブランコを、ストーリーや設定を重視する「シアター系」として、ジェラードン、そいつどいつらキャラクター重視だったりバカバカしい笑いの「パワー系」(決勝には残っていないが5GAP、インポッシブルなどもこちら)と対比していたが、空気階段はネタはシアター系であるものの、ラジオはパワー系なのかもしれない。

◆空気階段は天高く伸びていく…たぶん

 ともかく、空気階段はこれからも続いていく。

 優勝翌々日の10月4日の『踊り場』生放送(ふだんは収録です。二人が番組途中でケンカしてディレクターが仲裁に入ったりするからね)では、銀杏BOYZのボーカル・ギターの峯田和伸が祝福に登場。

 もぐらは10代の頃、銀杏BOYZのライブの出待ちをしたり、オフィシャルサイトの掲示板への投稿で、バンドメンバーにも認知されていた。峯田和伸らにご飯をごちそうしてもらったり、地方公演ではライブの手伝いをしてホテルに泊めてもらったこともあるそうだ。

 芸人となった後に峯田と偶然の再会をきっかけとし、峯田が『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)出演時にもぐらとの再会エピソードを話したこともあり『踊り場』やライブイベントにゲスト出演してもらうなど、15年以上にわたる交流が続いている。今回の優勝も、過去から未来へのひとつの通過点なのかもしれない。

 峯田が『ガキ使』で明かすまで、もぐらはこの交流について語ってこなかった。その理由について、「俺が中途半端な状態で、銀杏BOYZの峯田さんとすごい仲良くさせてもらってと言うことによって、銀杏BOYZに迷惑がかかったりだとかもヤだし、借金600万のどうしようもねえやつが聞いてる音楽みたいな、ってなるのもヤだし、俺らみたいなもんがそういう銀杏BOYZって名前を出して、注目されるみたいなのも、ヤだというか。それもなんか違うなというか。
 そういうの関係なしに、いっぱしになってね、共演できたら、嬉しいなっていう思いはあったんですよ、俺の中でね」と話していた。

 が、ついに彼は「いっぱし」になったのだ。

◆駆け抜けて、もぐら!叫び続けろ、かたまり!

 キングオブコント優勝コメントで、もぐらの「ちょっとでも関わってくれた方々に感謝です」という言葉に、峯田さんはじめ、大阪芸術大学時代の平和寮の寮民たち、バイトしていた大阪と東京の風俗街や育った千葉の団地の人々など、もぐらがこれまでラジオで語ってきた、すべての人々が含まれているのだろうと、胸が熱くなった。

 これからも駆け抜けて、もぐら!叫び続けろ、かたまり!

 地に深く潜ったこともあった彼ら空気階段の行く先は天高く空へ伸びていくのだろうから。

<文/女子SPA!編集部・北大路>

【女子SPA!編集部・北大路】
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  • 女子SPA!

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