「それ、仕事なの?」テレワーク中の夫の口出しがウザァ…。ストレスで身体に異変も

 コロナ禍が続くなか、出社せずに在宅で仕事をするリモートワークも定着してきました。会社で働いていたころよりも自由度が高く見えますが、同居人がいる場合はその限りではないようです。

◆せまい2DKで、夫婦のリモートワークを開始

 光代さん(36歳・仮名)は、夫と二人暮らし。食品メーカーの生産管理部に勤めている夫の孝之さん(38歳・仮名)は、月末の締め日などは出社しますが、普段はリモートワークをしています。そのため、お互いが家で過ごす時間が増えました。

 光代さんは、インターネットの通販サイトを運営する企業に勤めていて、商品登録やページの更新作業を行っています。去年からリモートワークが推奨されていたため、二人が暮らす部屋にあった小さなテーブルは、光代さんが仕事に使っていました。

「夫は、職場のパソコンからじゃないとアクセスができないデータを扱うこともあり、リモートワークは短期的なものだと思っていました。いずれ出社に戻るのなら、新たに仕事用の机は買う必要なないと判断したので、夫はダイニングテーブルで仕事をしていました」

◆後ろからモニターをのぞき込む夫

 光代さん夫婦が暮らす家は、2DK。寝室と居間の2部屋しかありません。すべての部屋のエアコンや電気を使うのは非経済的なので、日中はテーブルのあるダイニングでリモートワークをしています。

「私は壁と向かい合わせに机をつけて、ダイニングテーブルに背中を見せた状態で仕事をしています。夫は、私のすぐそばの椅子だと近すぎるため、テーブルをはさんで、私と同じ壁方向を向いた状態で仕事をしています。私は、商品画像の修正やリサイズなども行うため、去年、奮発して大型モニターを購入したんです。そうしたら、夫が後ろからモニターを覗いているんですよね……」

 同じ部屋でオンライン会議をするため、相手の業務内容が丸聞こえになるという弊害も起こっていました。

「夫はZoom会議をするときはノートパソコンを持って寝室にこもります。自分の仕事内容は知られたくないようなんです。でも、私が仕事をしていると、夫がモニターを、ちょくちょく覗き見ているのが見えるんです。この前は、黒バックの画面を見ていたら、うっすらと夫の顔が映し出されて、ギョッとしました」

◆パソコンを覗き込み「それ仕事?」

 しかも、夫は画面を見ては必ず話しかけてきます。

「ニュースサイトなどを観ていると『それ仕事?』と言ってきます。私にとって、どういうものが流行っているのか調べるのも仕事のうちだと思っているのに。あと、仕事の電話が掛ってくると、ノートパソコンに顔を向けているのですが、聞き耳を立てているのがわかるんです。電話を切ったあとに、『お前の話長すぎ。あと何度もえーっとが多い』とダメ出ししてきたんです。これには腹が立ちましたね」

 さらに、新しいクライアントの仕事をしているときのこと……。

「本来なら、掲載内容をディレクターの私がチェックするのですが、営業さんとクライアントさんだけで仕事が進んでいたんです。こちらの確認なしで進んでしまった仕事に対して、夫は『お前のスケジューリングが悪い。全部最初に段取りを確認して、いつ頃にできて、いつまでに戻せば間に合うかまで最初に確認すべき』と、業種すらも違うのに正論のように言ってくるんです」

◆夫がそばにいるのがストレスに…

 最近は夫が側にいるのがストレスで、耳が詰まった感じがするようになったという。

「どうやらストレスからくる難聴みたいなんですよね……。夫がいると監視されているみたいで窮屈なので、シェアオフィスを借りたり、カフェに行って仕事をするか悩んでいます」

 まだ続きそうなリモートワーク。同じ空間で行うのならば、お互いを干渉しないことが大事なようです。

<取材・文/池守りぜね イラスト/朝倉千夏>

2021/10/11 8:47

この記事のみんなのコメント

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  • 家族とはいえ他社の業務内容を覗き込むって褒められた行為じゃないと思うんだけど…

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