隣家の火事をいち早く察知した聴導犬 寝ていた飼い主を起こして救う(英)

英ノースヨークシャー州在住のカーステン・カーマイケルさん(Kirsten Carmichael、36)は2016年、メニエール病を発症したことが原因で両耳の聴力を失ってしまった。

それから2年後、音の聞こえない生活に不自由を感じていたカーステンさんは、アメリカン・コッカー・スパニエルとプードルを掛けあわせた犬種であるコッカプーで聴導犬の“ピクル(Pickle)”を迎えて一緒に暮らし始めた。聴導犬は電話や目覚まし時計などの音が鳴るとタッチして知らせてくれる、飼い主の生活をサポートする介助犬だ。

ある晩、ピクルは眠っていたカーステンさんのことをしきりに舐めたり鼻で突いたりして起こした。ピクルのその行為は、何か危険が迫っていることを示す合図だったという。

カーステンさんは「全ての部屋を一つずつ確認してみましたが、心配になるようなことは見当たりませんでした。それでもピクルは私をドアの方へ連れていこうとしていたので覗き穴から外を見てみると、隣の家から煙が出ているのが見えたんです」と当時を振り返る。

「私の家にも煙が入ってきてしまったのでパニック状態になりましたが、ピクルのおかげで冷静になることができました。寝ていたパートナーのマット(Matt)を起こして消防署に通報しました。」

ピクルがカーステンさんを起こしたときは、まだカーステンさんの家に燃え移っていない段階だった。しかしピクルはいち早く隣家の火事を察知し、早めの避難をカーステンさんに促していたのだ。

ピクルのおかげで早めに逃げ出せたものの、家にはすぐに煙が充満したという。もしそのまま寝ていたら、命を落としていた可能性もある状況だった。のちにカーステンさんは、火事が起きた家の住民も無事に逃げ出せたことを明かしている。

その火事からほどなくして結婚したというカーステンさんとマットさんは、結婚式のリングベアラーとしてピクルに結婚指輪を運んでもらったそうだ。

現在のカーステンさんは妊娠中で年内に出産予定とのことだが、ピクルについてこう話している。

「これまで障害によって多くの困難に直面してきましたが、ピクルのおかげで人生を前向きに捉えられるようになりました。ピクルが一緒にいてくれることで、1人でいることが怖くなくなったのです。必要な時にいつもそばにいてくれます。」

「ピクルがいなかったら私たちはここにいませんし、結婚もできずに人生の次の章を楽しみにすることもなかったでしょう。ピクルはソウルメイトであり、守護天使です。」

幸せいっぱいのカーステンさんに、さらに嬉しいニュースが届いた。火事で大活躍したピクルが、補聴器販売会社「Amplifon」が開催した“Best of British”というコンテストのヒーローペット部門で4匹のファイナリストのうちの1匹に選ばれた。

このコンテストは、イギリス国内のあらゆる分野で活躍した人や動物を称えるものだ。惜しくも受賞は逃したものの、聴導犬以上の活躍を見せたピクルには「まさにヒーロー犬だよ」「素晴らしい話だ。本当に賢いね」「美味しいおやつのご褒美をあげたい」など称賛の声が集まっている。

画像は『YorkshireLive 2021年10月4日付「Hero cockerpoo saved York couple after house filled with smoke as they slept」(Image: Carmichael family/This World Wedding Photography)』『The York Press 2021年9月28日付「‘My dog Pickle is my hero and guardian angel - she saved my life’」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 iruy)

2021/10/10 21:00

この記事のみんなのコメント

1
  • トリトン

    10/7 16:17

    さすがワンちゃん何処でも活躍してるね。友であり家族でありそして目と耳になりあらゆるジャンルで頑張ってるね。

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