NSX生産終了は生まれ変わった新型コルベットのせい? 勝手にスーパーカー考察

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―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆NSXは大失敗! コルベットは大成功! 日米スーパーカーの明暗はどこにあった?

今シーズン限りでF1を撤退するホンダが、NSXの生産終了を発表。フェラーリやランボルギーニにはなれなかったわけですが、こうした状況では是非もなし……。そう思っていたところ、コルベットがフェラーリのようなスーパーカーに生まれ変わりました! スーパーカーをやめるホンダと続けるGM、NSXとコルベットの差はいったいなんなのか? 考えてみました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆庶民が知らないスーパーカーの世界

 この8月に、ホンダは来年いっぱいでのNSXの生産終了を発表。それと入れ替わるように、シボレー・コルベットの日本でのデリバリーが始まった。

 新型コルベットは、8代目にして初めて、エンジンを運転席のすぐ後ろに置くミッドシップを採用した。この形式は、フェラーリやランボルギーニ、そしてNSXでおなじみのスーパーカーレイアウト。つまり、日本唯一のスーパーカーが消え、アメリカ初のスーパーカーが登場したことになる。

 パワーは502馬力で、フェラーリやNSXに比べれば控えめだが、価格は1180万円~。今回試乗したのは一番高い1550万円のコンバーチブルだが、NSXの2420万円に比べるとはるかに安いし、フェラーリに比べれば半額以下だ。しかも、アメリカ現地価格は700万円台~。コスパ的には世界最高のスーパーカーということになる。

◆見た目が田舎のフェラーリ?

担当K:永福さん、新型コルベット、どうです?

永福:見た目が田舎のフェラーリみたいになっちゃったのはすごく残念だけど、乗ると最高なんだよね……。とにかく「ドロドロドロ!」って吼えるV8のOHVエンジンがスバラシイ! 今新車で買えるスーパーカーのなかで、エンジンの気持ちよさなら一番だよ!

◆なんでミッドシップに?

担当K:乗り心地はいいし、アクセルをグッと踏み込んでも怖いと感じるほどは加速しないので、僕みたいなスーパーカーを買えないボンクラでさえも、いろんな意味でコスパがいいと思いました。でも、なんでミッドシップにしたんですかねえ。パっと見はフェラーリみたいだけど、テールランプとかにやりすぎ感が散見されるし、見れば見るほど、由緒あるコルベット感がなくなってるなあと思うんですが……。

永福:それについちゃ同感だけど、GMは昔からコルベットをミッドシップにしたかったんだって。それはもう、ホンダがNSXを作ったのと同じで、ミッドシップこそスポーツカーの究極の姿だから、それを作るのがクルマ好きの夢なんだよ!

担当K:でもこれ、誰が買うんでしょう。ミッドシップのコルベットなんて、欲しがる人いるんですか?

永福:それがいっぱいいるんだよ! アメリカに!

担当K:そっ、そうなんですか!?

◆アメリカでは安定して年間2万台

永福:コルベットって、アメリカ以外ではほとんど売れてないけど、アメリカでは安定して年間2万台売れていて、今年は3万台売れそうなんだよ! つまりフェラーリの3倍!

担当K:ええ~~~~~っ! 港区にいると、フェラーリは毎日のように見かけますけど、コルベットなんてぜんぜん見かけませんよー!

永福:今年の日本への販売割り当ては300台だけど、それってつまりアメリカの100分の1ってこと! アリンコみたいなもんなんだよ!

◆NSX生産終了の原因に?

担当K:ついでに聞きますけど、NSXが生産終了になったのは、ミッドシップになったコルベットに太刀打ちできないから……っていう噂は本当ですか?

永福:デタラメだよ! だってNSXって、この5年間で見ても全世界で2500台しか売れてないんだから! 5年でコルベットの1か月分だよ!? 最初っから象とアリンコで勝負になってないんだよ!

担当K:ガ~~~~~ン! 2代目NSXはアメリカ向けになったから、日本では売れてないけど、アメリカでは売れてるって聞いてたのに……。

永福:本当は全世界で鳴かず飛ばずだったんだよ! 生産中止は当然の判断だよ!

◆なぜNSXは売れない?

担当K:なんでコルベットは売れて、NSXは売れないんでしょう?

永福:やっぱコスパかな?

担当K:でも永福さん、現代のスーパーカーはブランド宝飾品だからコスパは関係ないって、どっかで書いてたじゃないですか!

永福:この2台は宝飾品じゃない。コルベットはアメリカの由緒正しい民芸品で、NSXはユニクロが作った超高級服だったんだよ!

◆【結論!】

我々リリパット国のカーマニアが、コルベットを田舎のフェラーリ呼ばわりしたところで、象が蚊に刺されたようなもの。コルベットはアメリカ人に愛される超絶民芸品ゆえ、ビクともしないのでした!

◆2021年 上半期スポーツカー 販売台数ベスト10 in アメリカ

1位 フォード・マスタング 3万1950台
2位 ダッジ・チャレンジャー 3万148台
3位 シボレー・コルベット 1万4582台
4位 シボレー・カマロ 9881台
5位 マツダ MX-5 6677台
6位 ポルシェ 911 5108台
7位 トヨタ・スープラ 4548台
8位 BMW 8シリーズ 3781台
9位 ポルシェ 718 2412台
10位 AMG GT 2329台
圏外 86/BRZ 1755台
圏外 レクサスLC 1575台
圏外 GT-R 99台
圏外 NSX 60台

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

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