東日本大震災以来の23区内震度5強/矢野吉彦

【矢野吉彦=コラム「競馬最前線」】

◆競馬のおかげで地震の揺れを直接体験せずに済むも…

 7日、関東地方で久しぶりに大きな地震が発生しました。影響を受けられた方々にはお見舞いを申し上げます。

 東京23区で震度5強以上を観測したのは2011年の東日本大震災以来とのこと。また、今回と同じような地震は、2005年7月23日に起きていたそうです。

 その話を聞いて、すぐに16年前のことを思い出しました。当日は土曜日で、地震の発生は午後4時半ごろ。私は新潟競馬の中継を終えた後、競馬場から新潟駅へと向かうバスの中で地震のニュースを聞きました。

 上越新幹線が動いて、東京駅まではほぼ何事もなく帰れたものの、その先のJRが止まっていて、地下鉄を乗り継いで帰宅したのを、今でもよく覚えています。

 2011年の東日本大震災は、前にもどこかに書いたと思いますが、シンガポール競馬観戦ツアーの案内役で渡航していた時に発生。現地で競馬を見ることなく、3月12日(震災の翌日)早朝に帰国しました。あの時は、羽田に着いてから自宅に戻るまでが大変でした。

 そして今回、私は名古屋にいました。新型コロナの緊急事態宣言発出中は控えていた“旅行”に出かけていたのです。

 今回は、久しぶりの“遠出”なので、“鉄道”と“競馬”を目一杯詰め込みました。岡山県津山市にある「津山まなびの鉄道館」と、京都市歴史資料館で開催中の特別展、「こんにちは京都市電-京都市電関係資料をひもとく-」の「熱中!京都市電-上級編」を見学、園田・姫路競馬の元実況アナウンサー、吉田勝彦さんに久々にお目にかかり、かつて岐阜県の北方にあった地方競馬場の跡を訪ね、笠松競馬場に立ち寄るという、盛りだくさんのプランです。

 7日は、“京都市電展”を見学してから吉田勝彦さん宅で夕食をご一緒させていただき、名古屋のホテルに着いてテレビを見ていたら、地震のニュースが流れてきたのでした。

 つまり、東京在住の身にもかかわらず、2005年も11年も今回も、大きな地震の揺れを直接体験せずに済んでしまったわけです。2度あることは3度ありました。

 改めて振り返ってみると、それらはすべて“競馬”のおかげ。だからと言って、幸運だったとは考えていません。むしろちょっと恐ろしくなっています。3度もそんなことがあったので、次はもう逃れられないんじゃないか、と思うのです。

 まぁそれはさておき、久々にお目にかかった吉田御大、お元気で何よりでした。

 御大が最後のレース実況を務められたのが去年1月9日。同30日には、私が聞き手となって“引退記念”のトークショーも行なわれました。

 これ、考えてみればコロナ流行の直前だったんですよね。もしあと1、2か月、御大が実況を続けていたら、競馬は無観客開催になっていたところでした。それを前に引退の日とトークショーの日を迎えられたのは、吉田御大の“人徳”だったのかもしれませんね。

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2021/10/9 12:00

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