筋トレを仕事にした20代モデル社長・エドワード加藤が語る「仕事とトレーニングの共通点」

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◆インスタグラムのフォロワー数は19万人超のフィジーク第一人者

 テレワークの運動不足解消や健康志向の高まりによって、フィットネスやトレーニングジムで体を鍛えるのが一般的となった。最近では、フィットネス系YouTuberの台頭で、より一層筋トレに勤しむ人の裾野が広がっている状況だ。

 まさに空前の筋トレブームと言えるわけだが、肉体を究極まで鍛え上げ、“肉体美”を競い合うフィジークという競技がある。筋肉隆々とした、たくましい肉体はもちろんのこと、体型と筋肉量のバランスやプロポーションなども重視されるのが特徴となっている。

 そんなフィジークの第一人者として活躍しており、今勢いのある選手がエドワード加藤さん(29歳)だ。

 数々の大会で優勝を収めてきたほか、5月には日本人9人目のIFBB PROとなった日本トップクラスの男性フィットネスインフルエンサーとして知られ、インスタグラム(@edward_kato_fitness_jp)のフォロワー数は19万人を超える。さらには自身のアパレルブランド「LÝFT」も展開する経営者としての顔も併せ持っているのだ。

 プロフィジーカーとして、経営者として、ここまで成功できた理由は何なのか。その姿勢から学ぶべきこともあるはずだ。また、筋トレが「三日坊主」で終わってしまうという人も少なくないはずだが、継続するコツやプロテインの選び方なども聞いた。

◆高校時代からなんとなく筋トレを始める

 エドワードさんが筋トレを始めたのは16歳の頃だった。

 中学時代はサッカーをやっていたが、進学した高校はあまりサッカーが強くないところだったために、帰宅部になったそうだ。ただ、体を動かすことがとにかく好きだったエドワードさんは、特に理由もなくジムに通い始めたのが筋トレとの馴れ初めだった。

「家の近くにあるオアシスに入会して筋トレをやり始めたんですが、仲の良い友達も一緒に入ったので、楽しく続けることができたんです。のめり込むほど熱中していたわけではありませんが、週1、2のトレーニングを繰り返すうちに肉体が目に見えるほど変わってきました。これがきっかけでトレーニングの魅力に気づけたと思っています」

 だが、当時は食事やプロテインにもさほどこだわらず、なんとなくトレーニングをこなしていたという。趣味として筋トレを捉え、もっと高みを追求していこうとは思っていなかったのだ。

◆留学先のジムで出会ったマッチョな学生に衝撃を受ける

 そんなエドワードさんが衝撃を受けたのが、留学先の大学で出会った「マッチョな学生」だった。

「向こうの大学には専用のジムがあって、学生はそこを利用できるんです。そこで、定期的に通って筋トレをしていたのですが、日本とは明らかに体格の違うマッチョな人がゴロゴロいました。もう本当にすごい体つきで。見とれてしまうほどの美しい肉体でしたね。そんなマッチョな人に自然と憧れるようになり、自分の中でスイッチが入った。そこからは、目標とする肉体を目指すため、週4~5回の筋トレをやるようになりました」

 そして次第に、「筋トレを仕事にしよう」という思いがこみ上げてきたエドワードさんは、スポーツを専攻していたイギリスの大学を中退。

 日本でパーソナルトレーナーを目指すべく帰国を決意することになる。

◆限界がない分、どこまでストイックになれるか…

 日本に戻ってきて最初に考えたのは、パーソナルトレーナーになるための資格取得だった。NESTAやNSCAなどの資格を有していれば、 1つの肩書きとなり、トレーナーの仕事をこなす上で有利になるからだ。

 しかし、資格保有者は何万といるゆえ、埋もれてしまうと考えたエドワードさんは「経験」と「惹きつける力」が重要だと思い、肉体美を競う大会で結果を出すことを志した。

「もちろん資格を取っても良かったのですが、何より大会で成果を出せば名声も上がるし、箔も付く。実力で自分の力を示そうと思ったんです。当時、ベストボディジャパンという大会が流行っていて、2015年に地元の名古屋大会で優勝しました。その後、東京で開催された全国大会では2位でしたが、フィジーク選手としても一流を目指そうと思ったターニングポイントになりましたね」

 多くの大会で結果を残すために心がけてきたことをエドワードさんに聞くと「限界がない分、どこまでストイックになれるかが勝負」だと語る。

「ステージに立ったときに、自分のパフォーマンスを最高潮に持っていく必要があるのですが、ちょっとの甘えでもステージ上に現れてしまう。シビアな競技だからこそ、自分に妥協せずに筋トレに打ち込めるかが大切だと思っています。大会前は1日中筋肉のことを考えていますね(笑)。スケジュールがパンパンになるくらい日々が忙しくなるので、うまく回るように意識しないといけないんです。

 また、どれだけ筋肉量を増やしながら体重を落とせるかが肝になるので、食事も1日5食とこまめに摂り、不要なエネルギー源が脂肪に回らないよう留意しています。大会本番の見せ場となる直前まで筋肉に負荷をかけ、彫刻のような肉体の美しさを魅せられるよう、最後の最後まで貫く姿勢が大切ですね」

◆周囲を尊敬し、チームワークを発揮すること

 一方で、2018年からはフィットネスブランドのLÝFTを立ち上げ、アパレル事業を展開する経営者としても手腕を発揮している。

 ワークアウト用のトレーニングウェアや普段着としても着こなせるアスレジャーウェアを中心に扱い、2020年からはプロテインシリーズも発売。商品ラインナップを拡充させ、着実にファンを増やしている。

 フィジークのプレイヤーとして、また事業家としても成功する秘訣はどこにあるのだろうか。

「やはり一番大事なのは、自分自身のマネジメントだと思います。一匹狼にならず、周囲を巻き込みながらやっていくことが良い結果を出すためには必要だと感じています。私の場合、仕事もトレーニングも信頼のおけるメンバーと一緒に動いているんです。『自分がすごい』という思いがないので、自分がやれないことは周囲のメンバーがカバーしてくれ、チームで物事をこなしていくスタンスを持って取り組んでいます。

 自分のわからないジャンルに関しては信頼するメンバーに任せ、リスペクトの念を持ってフェアに接すること。組織で動くからこそ、権限移譲できることは行う。そして時に厳しく、時に楽しく対話をしていくことが、良いチームワークを生み出す秘訣だと考えています」

 また、「人付き合いを良くするのも必要なこと」だとエドワードさんは言う。

「実を言うと、こう見えて意外と人見知りなのですが(笑)、人と交流する機会があるときはフランクに明るく接しています。うまく立ち回ることが得意なんですよ。また、LÝFTを街中で着ている人を見かけた際は積極的に声をかけています。些細な会話でも、コミュニケーションを図ることで、そこから人の輪だったり、思わぬ出逢いに繋がったりする。人付き合いに関しては、昔から留意してきたことですね」

◆筋トレは楽しみながら継続することが大事

 そんなエドワードさんに、健康を意識した体づくりの基本的なマインドセットについて伺った。

「楽しみながら、継続すること。これが筋トレをする上でまず抑えたいことです。体を絞って、ダイエットしたいからと短期的に追い込んでも、ひとたびトレーニングをやめてしまえばリバウンドしてしまいます。いきなりハードルを上げすぎると維持できないですし、たとえ短期的にはやり遂げたとしても、長期的に続かないことも多い。継続こそ、理想の体づくりにおける最も近道であり、体を動かす習慣を根付かせるのが肝心なことです。

 それこそ、YouTubeで好きな人を参考にしたり、知人と一緒に筋トレを楽しくやったり、おしゃれなウェアを着てトレーニグしたりとモチベーションは何でもいいんです。続けられる環境を作り、筋トレがライフスタイルに自然と溶け込むようになるのを目指すといいのではないでしょうか」

◆プロテインは「味が美味しいかどうか」が決め手

 また、プロテインの選び方は「色々な商品を試して美味しいと思ったものを選ぶ」のがポイントだと説明する。

「私自身、これまでさまざまなプロテインを試しましたが、行き着いたのは『味が美味しく飲みやすいかどうか』でした。プロテインは魔法の薬ではないので、味が好みでないのにもかかわらず、無理して飲み続ける必要はないんです。

 こうした経験から、LÝFTのプロテインシリーズは味と質にこだわり、アロエヨーグルト味やキャラメルラテ味など、他のメーカーが出さないようなフレーバーを出したりと、飲みやすさを重視しています。自分に合うプロテインを探す際は、味の美味しさをひとつの目安として選んでみるといいでしょう」

◆世界最高峰のフィジーク大会出場を目指す

 今年7月には、原宿キャットストリート沿いにLÝFTのフラッグシップ店舗をオープンさせ、リアルでのブランド展開を行なっている。

 また、フィジーカーとしての活動では8月末に行われた日本初開催のプロフィジークショーに出場。並みいる強豪揃いの中でも4位と健闘を見せた。

 今後どのような目標を持っているのだろうか。最後にエドワードさんへこれからの展望を聞いた。

「アパレル事業に関しては、LÝFTをもっと多くの人に知ってもらえるようにしていきたいですね。今は筋トレをしている人や自分のファンを中心に購入いただいていますが、将来的には日本一かっこいいフィットネスブランドに成長させたいと考えています。原宿のキャットストリートにリアル店舗を出したのも、LÝFTの認知度を上げるため。まだまだやれることはあるので、ひとつずつできることから実践していく予定です。

 また選手としては、もともとビジネスのために大会へ出始めたわけですが、ここまで来た以上は世界最高峰の舞台と呼ばれるオリンピアへの出場を目指したい。8月の日本大会では4位でしたが、過去最高の肉体の仕上がりを実感できたので、オリンピアに立つことを目標にこれからも精進したいと思います」

<取材・文/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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