明石ガクト「成功する動画クリエイター」に必要ことは?「今はスマホがあれば誰でも制作できるなかで…」

恵俊彰がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「東京海上日動 presents Challenge Stories~人生は、挑戦であふれている~」(毎週土曜 15:30~15:55)。10月2日(土)、9日(土)放送のゲストは、「ワンメディア」創業者で動画プロデューサーの明石ガクトさん。この記事では、2日(土)放送の模様を紹介します。

明石ガクトさん

YouTube、Tik Tok、Twitterなどスマートフォンでの視聴に最適化した動画の企画・制作・配信を担うコンテンツスタジオ「ワンメディア」を、2014年に立ち上げた明石さん。スマホ向け動画のプロデュースをはじめ、現在はTOKYO FMの番組「News Sapiens」にレギュラー出演するなど、活動の幅を広げています。

◆失敗や挫折が力になる

恵:僕は、明石さんが現在のように成功を遂げるまでに、不安や葛藤がまったくなかったのではないかと勝手に思っていました。

明石:いやいや、会社を始めたばかりの頃は、にっちもさっちもいかなくてね。僕が作った動画は自分では正解だと思っているんだけど、それが社会の歯車と全然かみ合っていかないんですよ。よく、若い人が「俺は歯車にはなりたくない」って言うじゃないですか?

恵:うん。

明石:いやいや、歯車から1回外れてみなよと。めちゃめちゃ孤独だから……と思っているんです。例えば、世の中を動かすときは、自分で新しい歯車を作らなきゃいけないんですよね。それが起業することだと思うんですけど、自分が「これだ」と思っているものが、社会から全然必要とされていない感覚は、空しいとしか言えないですね。

恵:だけど、それが1回ハマりはじめて(社会から)「求められているぞ」となると、やる気も元気も出てくると?

明石:そう。誰が求めているのかわからないんだけど、「いいね!」と言ってくれる賛同者たちが現れて、そこに対して「ちゃんと報いたい」という気持ちで、一つひとつの仕事を丁寧にやってきて今があるっていう感じなんですよ。すごく軽やかに成功したように見える人も、実はみんな言わないだけで、すごく泥くさい血と汗を流しながらやっていると思うんですよ。

恵:人間って、やりたいことがあって、認められたいことがあるからこそ、やっていけるような気がするんですよね。失敗や挫折が力になるというか、型があってこその“型破り” というか。

明石:まさしく! わかります。(まずは)型を守ってそれを続けていないと、型破りや型から離れるようなことにはならないんですよね。ただの“形なし”になっちゃう。

恵:本当にそうですね。

明石:昔は動画を作るのは特別なことだったけど、今はスマートフォンがあれば誰でもできちゃう。そういう状況もあり(動画制作に)参加している人口が本当に多いんです。参加人口が増えると山の頂点も高くなって、全体のレベルがすごく引き上がる。そのなかで上にいけるクリエイターは、きちんとした“型”を知っているからこそ、「ここを破る」「ここを離れよう」っていうことを考えられる。そんな若いヤツが強いですね。

恵:おもしろい話ですね。

◆動画と映像の違いとは?

恵:あらためて「動画」と「映像」の違いを伺いたいのですが。

明石:基本的に、動画はコミュニケーションツールだと思っています。映像作品は、それを観て感動したり、感動を求めたりするものですよね。動画の世界は、“感動”よりも“行動”。

恵:へぇ~!

明石:動画の再生画面の下には、コメント欄や「いいね!」ボタン、シェアするボタンがあったり、アクションするものが常に付いているんですね。(動画は)テレビのように1度に大勢に観せるものではないし、映画館のように1,800円を払って、みんながそこに集まって観るものでもない。

動画は、一人ひとりが自分の手のひらのなかの(スマートフォンの)スクリーンで観るものなので、そこで何かしらのアクションを起こしてくれないと、ムーブメントとして世の中に伝わっていかないんですよね。

恵:なるほど。

明石:ちなみに、うちのスタッフや動画に携わっている人たちに口を酸っぱくして言っていることは、「映像は感動させることが目的だけど、動画は行動させることが目的。だから、動画を観た人が、その動画に対するアクションを何か1つでもすることを目指しましょう。これが一番の違い」だと。

(動画を観た人から)アクションがあって、動画の作り手、クリエイターたちも、そのアクションに対して応えていくわけですよね。そこにインタラクティブ(双方向)があるので、動画に夢中になる人は多いと思います。

恵:僕らが子どもの頃は、テレビを観ることが画期的でした。(でも、当時の)親世代からすると、テレビを観すぎると大変なことになってしまうのでは……という怖さが同居していた気がするんですよ。それがあっという間に凌駕して、みんなどんどん使い始めるじゃないですか?

でも今、うちの子どもたちを見ていると、ご飯を食べながら(手元にスマートフォンを)置いて、それを観ながらご飯を食べるのが普通。(上の)お兄ちゃんが妹に「BTSのこのダンスどう思う?」って話している横で、小学生の子はスマホでTikTokを観て笑っている……みたいな。これは昭和の人間からしたら考えられない。食卓の景色が変わりましたね。

明石:みんなで同じものを観るのではなく、それぞれが(スマートフォンで)自分の好きなものを観ると。

恵:みんなが(テレビを観るために)集まらなくてもいいわけじゃないですか。(今後は、スマホ向け動画の作り手と、観る側の関係性が)深くなって、1対1になったら余計なものはいらなくなりますよね。なおかつ、1対1でドンと突き刺さるようなものになっていくんですかね? デバイスが違うだけで、作品の本質がこれだけ変わっていくんだ……っていう。

明石:デバイスの変化もありますが、人類の歴史が始まってからの情報摂取量は、年々上がり続けているわけですよね。20年前のインターネット上にあるコンテンツよりも、今のほうが“おいしい”と判断している世代にとって、適切なスピード感や情報量というのは変わっていくんじゃないでしょうか。動画には、まさに型があるんですよ。

恵:先ほどもおっしゃっていましたよね。

明石:型というのは、「モーニングルーティン」や「ナイトルーティン」「ビデオブログ(Vlog)」「やってみた動画」など。ああいう型を楽しむ世界って、映像の世界にはあまりないですよね。

恵:そうですね。

明石:テレビ(番組)を作るクリエイターって、基本的に新しいものを作りたいという欲求が強いと思うんです。でも、動画の世界って、むしろみんながやっているフォーマットに乗っかって大喜利をしていくような。

恵:なるほど。

明石:(動画の世界は)そういう文化が強いんですよね。

次回10月9日(土)の放送も、引き続き明石さんが登場。「ワンメディア」起業に至るまでのストーリーや、“起業後の挑戦”についての話が聴けるかも……!? どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2021年10月10日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:東京海上日動 presents Challenge Stories~人生は、挑戦であふれている~

放送日時:毎週土曜 15:30~15:55

パーソナリティ:恵俊彰

番組Webサイト:https://tfm.co.jp/challenge/

2021/10/9 6:00

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