『チコちゃんに叱られる!』大竹まこと「メンバーがボケちゃった」 シティボーイズの恐ろしい話

 10月1日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、今回で3回目の登場となる関根麻里と、今回で17回目の出演となる“シティボーイズ1号”こと大竹まこと。大竹は3月26日放送回以来、約半年ぶりの登場だ。

大竹    「あのさあ、ちょっと今回期間空かなかった?」
チコちゃん 「えっ(笑)。そうでした?」
大竹    「テレビ見てたら阿佐ヶ谷姉妹ばっか使いやがって!」

 寂しがりの大竹まこと。ちなみに、阿佐ヶ谷姉妹は芸能事務所「ASH&Dコーポレーション」で大竹の後輩にあたる。

街のあちこちで発生する「コラコラ問答」

 この日最初のテーマは、「怒る時のコラ! って何?」というもの。確かに、言われてみれば何なのだろう。プロレスファンには長州力と橋本真也による「コラコラ問答」が有名だが、「コラ」自体について深く考えたことはなかった。深堀りしがいのある問題だ。ただここ数週、語源を扱うテーマばかり連発するのはいいかげん気になった。そろそろネタ切れなのか? 兎にも角にも、チコちゃんが発表した正解は「鹿児島弁の『ねえ』」である。

 「コラ」とは、もともと九州の鹿児島地方で使われていた方言だそう。江戸時代から鹿児島県の薩摩半島辺りで使われていたとされ、「ねえ」とか「ちょっと」という呼びかけの意味があったようだ。例えば、民謡「鹿児島おはら節」の歌詞にも「コラ」は登場している。

「おごじょ コラコラ お前宿ァ どこや」

 この歌詞の「おごじょ」はお嬢さんという意味。つまり、男性が「お嬢さん ちょっとちょっと 家はどこだい?」と声をかけてナンパしている場面なのだ。「コラ」はナンパに使われる言葉だったのか……。あと、「コラ」=「ねえねえ」という図式が成り立つとすれば、チコちゃんからの「ねえねえ岡村」という呼び掛けは「コラ、岡村」に言い換えても意味的におかしくなくなる。

 さて、鹿児島では優しい呼び掛けだったはずの「コラ」がどうして怒る言葉として全国に広まったのか? 話は明治時代の初めごろまで遡る。現在の警察の元になる「ら卒」という組織が当時発足したが、「ら卒」のメンバーは明治維新で活躍した鹿児島出身の西郷隆盛や鹿児島出身で初代警視総監にもなった川路利良が連れてきた人材など、ほとんどが鹿児島出身者という説があるのだ。

「ら卒」は街を見回る役目を担っていた。例えば、街で誰かが小競り合いをしていたら「コラコラ(ねえねえ)」と声掛けをし、それでもやめないと「コラッ!(ねえ!)」と強い口調で呼びかける。これが、争う2人が逃げ出すほどの迫力だったらしい。例えば、女性が人通りの少ない道を歩いていると「コラコラ(ねえねえ)、こげなとこへおなご一人歩いちゅたらあぶなかど(こんなところ 女性が一人で歩いていたら危ないよ)」と呼びかけるら卒。優しさ溢れるコミュニケーションなのだが、鹿児島弁特有の強いイントネーションでぶっきらぼうに聞こえ、言われた側は「悪いことしたのかな?」と怒られた感覚になったという。こうして、「コラ」は次第に怒る意味に変わり広まったと考えられるのだ。いかにもありそうな話で、この説は非常に納得する。勘違いでここまで広まってしまうなんて、言葉は怖い。あと、言葉の荒さをまったく自覚せず、あちこちで無意識に「コラコラ問答」を仕掛けていたら卒もある意味不憫だ。

 実は、「コラ」のように地方から全国に広がった言葉はまだある。

【うざい】
うざったいの略語で不快感を示すのに使われる言葉。語源は、江戸時代に虫や魚などたくさん集まるのを気持ち悪がった「うざうざ(うじゃうじゃ)」だ。それが東京の多摩地区に残り、同地域で使われていた「うざうざ」が「うざったい」に変化。そして、1970年代後半から八王子近郊に大学や短大などがたくさん移転したことをきっかけに、学生たちの間で「うざったい」が広まり、その後、さらに短縮された「うざい」が使われ始めた。地方から八王子に集まった学生たちはこの「うざい」を都会の言葉と勘違いし、地方に帰ってからも使い続けたことで全国に広まった可能性があるのだ。「うざい」は絶滅寸前まで行き、さらに多摩の言葉だったというのが驚きである。

【めっちゃ】
めちゃくちゃの略語で「非常に」「大変」という意味。語源は1980年代の『Dr.スランプ アラレちゃん』の「うんちゃ」「ばいちゃ」。これらの発音の影響を受け、関西の若者の間で流行った言葉と言われているのだ。その後、バラエティ番組に出演する関西芸人の影響で全国に広まった……という流れが推測できる。これは、奥が深い。「めっちゃ」はペンギン村が発祥だったという意外すぎる事実。いや、シリアスに考えると『Dr.スランプ』作者の鳥山明は名古屋出身である。つまり、「めっちゃ」は名古屋がルーツと考えられるのだ。でも、アラレちゃん由来の言葉がどうして関西だけで流行ったのかは不思議だ。

 というか、語源ばかり探っているうちに『チコちゃん』がいつの間にか『秘密のケンミンSHOW極』(日本テレビ系)みたいな内容になっている。NHKで『Dr.スランプ』を取り上げたのもイレギュラーだ。

 この日2つ目のテーマは「とうもろこしのヒゲって何?」という疑問で、チコちゃんが発表した正解は「めしべ」であった。

 ヒゲの1本1本におしべから飛ばされた花粉が付き、トウモロコシはできる。構造を解説すると、トウモロコシは1本のヒゲが1粒1粒に紐づいてつながっている。つまり、ヒゲの数と粒の数は同じということ。この情報は、今年9月放送『にっぽん縦断こころ旅』(NHK BSプレミアム)ですでに火野正平が言っていたので、筆者も知っていた。だが、今回の『チコちゃん』はもっと行く。実際にヒゲと粒を数えるというのだ。

 というわけで、ヒゲを1本ずつ机に並べ地道に数えていく担当ディレクター。100本数えるのに25分も要したのだから気の遠くなるような作業だ。そして、1時間半経過した辺りで作業現場に塚原愛アナウンサーが現れた。

「なんか、トウモロコシ数えてるって聞いたんで応援に来ました」(塚原アナ)

 これは心強い! ……と思いきや、一向に手伝おうとせず「コーンはバター醤油でごはんに和えるとおいしいよ」と不毛な会話を投げ続ける塚原アナ。ディレクターの横でコーンのヒゲ茶を飲むわ、ポップコーンを食べ散らかすわ、最終的には切りのいいタイミングでさらっと姿を消した塚原アナ。Youは何しにこの部屋へ……?

 というわけで、苦労の末にようやく数え終わったディレクター。結果、トウモロコシのヒゲは590本で 粒は546粒だったようだ。あれ?

「惜しくも何ともない! あ~~~~~っ」(担当ディレクター)

 数を数えるディレクターを塚原アナが邪魔したせい? いや、全てのヒゲで実がなるわけじゃないだろうし、受精しないと粒にならないだろうし、粒よりヒゲのほうが多くて当然だ。というか、『チコちゃん』はいよいよやってることが『所さんの目がテン!』(日本テレビ系)みたいになってきたな……。

 今回の「働き方改革のコーナー」で、ゲストの大竹がチコちゃんと岡村にある相談を持ち掛けている。

「この歳だからしょうがないんだけど、メンバーがボケちゃってさあ。きたろうが。1年くらい前は『大竹、人のパンツ穿いちゃったよ』なんて言うからね」(大竹)

 ある日、きたろうはスーパー銭湯に向かった。そして、入浴後に脱衣所でパンツを穿いていると、若者がきたろうを凝視。あんまりジロジロ見られるものだから、頭にきたきたろうが「何ですか!?」と問うと、その若者から「それ、ぼくのパンツです」と注意されたそうだ。

「きたろうはその若者の前でパンツを脱いで、2回“パン、パン!”とはたいて、畳んで返したらしい」(大竹)

 汚いよ! そんなパンツを返されて、絶対穿いて帰りたくない。

「盛って話してるかと思ったら、そうじゃないんだよ。『大竹、こないだパンツ2枚穿いたんだよ』って(きたろうが)言うんだよ。トイレ行ったら、自分のものがなくなっちゃったと思ったのか、探してもないらしいんだよ」(大竹)

 大丈夫だ。きたろうはもともと、そんな人だった気がする。彼なら若い頃でもありえそう。それより心配なのは大竹だ。

大竹 「俺もこの前、ずっと車のキーを探してたんだよ。で、女房に『車の鍵が見つからないんだけどさ』って言ったら、女房が『その左手に持ってるものはなーに?』って言うんだよ。鍵だよ! 俺、車の中まで探しに行ったわけ。っていうことは、この鍵で車を開けて、中を見て鍵を探して、それから閉めて鍵をかけて、それでも『鍵どこ行った?』って」
岡村 「恐ろしいですよ。正直、きたろうさんを超えてるかもわかりません」
大竹 「(苦笑)」

 眼鏡をかけているのに「眼鏡どこ行った?」と探す失敗談をたまに聞くが、大竹のエピソードはさすがに怖い。指摘してくれる奥さんがいて、本当に良かった。

 シティボーイズはもう3人全員が70代に突入した。おじいちゃんになっても、ずっとボーイズ。心配な面はあるが、歳を重ねても仲のいいトリオだ。

  • 10/8 20:00
  • サイゾー

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