病気の予防すらお金で買える時代?富裕層が注目する高額医療サービスのトレンド

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 年収と健康には因果関係がある――近年、さまざまな研究によってそんな事実が明らかにされてきた。格差が広がる日本でも問題視され始めた「健康格差」が今、新型コロナの影響で深刻化している。残酷なまでに広がりだした“命の格差”の実態に迫る。

◆セレブの共通認識は「体=資本」

 生活困窮者が無料低額診療を求める一方で、ある意味“対岸”にいる富裕層たちは、どのような医療との接し方をしているのか。

「健康とお金には、多くの共通点があります」

 そう断言するのは、虎ノ門中村クリニック院長の中村康宏医師だ。ニューヨークで公衆衛生学修士を取得した中村氏は、留学中は経営者や富裕層などいわゆる「セレブ」とも交流してきた。

「彼らに共通していたのは、『体=資本』と考えていること。健康体でいることで仕事のパフォーマンスも上がり、仕事の業績もアップする。病気の早期発見、早期治療が大切と言われていますが、体への一番の投資は、病気になる前に予防することなんです。特にアメリカでは、医療保険料が非常に高いので、予防やケアへの意識がシビアになっているという社会的な背景もありますね」

◆投資と健康の相似点

 さらに中村氏は、投資と健康の相似点を述べる。

「投資では、利息を元本に含めたものに、さらに利息をかける『複利』によって雪だるま式に資産が増えていきますが、病気のリスクも同じです。私たちの日々の小さな習慣の積み重ねが、やがて大きな病気に繋がっていくんです」

◆幹細胞治療、遺伝子検査etc. 予防医療の最前線とは?

 健康を維持し、病気を予防するためには、大枚をはたくこともいとわない富裕層たち。では、具体的にどのような医療サービスがトレンドなのだろうか?

「人気なのが遺伝子検査です。最近では、大学発の医療系ベンチャーも次々と創設され、研究レベルの検査も商品化されているため、クリニックに行けば自由診療で受けられます。

 アルツハイマー病になりやすい遺伝子型を調べる『認知症検査』は4万円ほど、遺伝子の強度を調べて糖尿病や心不全、心筋梗塞などのリスクを予想する『テロメアテスト検査』は5万円強と決して安くはないですが、検査を希望する患者さんは後を絶ちません。

 またごく少量の血液で13種類のがんを超早期に発見ができる『マイクロRNA』も話題ですね」

◆富裕層が注目する最先端の再生医療

 また治療に関して言えば、富裕層の間で最も注目を浴びているのが、「幹細胞治療」だ。

「幹細胞は、さまざまな細胞に分化できる万能細胞。これを人工培養し、投与することで病気やケガ、加齢でダメージを受けた組織を修復してくれるんです。特に腹部から脂肪細胞を採取して人工的に培養し、再び体内に移植する『脂肪幹細胞治療』は、30万円程度から行えることもあり、膝痛や美容、予防医療まで幅広く活用されています。

 中国では規制が厳しく幹細胞治療ができないので、コロナ前には、多くの中国人富裕層が脂肪幹細胞治療を目当てに日本にやってきていましたね」

◆病気の予防すらお金で買える時代

 まさに高額医療は日進月歩。

「投資でも、良さそうな銘柄をひとまず買ってみて、その後も続伸するなら買い増しをするというように、富裕層には健康維持でも『とりあえずやってみる』とフットワークの軽さは共通していますね」

 治療はもとより、病気の予防すらお金で買える時代が本格化していくのかもしれない。

【中村康宏氏】
虎ノ門中村クリニック院長。勤務医を経て28歳で渡米、最先端予防医学を学ぶ。著書『ヘルスリテラシーNYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること』

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[年収×健康 残酷な格差]―


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  • 日刊SPA!

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