千葉ロッテの「銀行」になった楽天と日ハム。その対戦成績をデータで紐解いてみた

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―[数字で見るプロ野球]―

◆カモメにカモられた2球団

 クライマックスシリーズに向けてシーズンも大詰めとなってきたプロ野球。

 今回はシーズンの順位に大きな影響を及ぼしたであろう極端な対戦成績となったチームの対戦を振り返る。要するに「カモ」った球団と「カモ」られた球団のチェックだ。来年に向けて課題が見えてくるだろう。

 まずはパ・リーグ編。パ・リーグでもっとも極端だった対戦成績を示したのはロッテだ。

◆ロッテに借金8 益田登板でお手上げになっている楽天

 10月7日現在、オリックスと首位争いを繰り広げている千葉ロッテ。ただ、オリックスには借金2、ソフトバンクと西武とはタイの状況で、ここだけ見るととても首位のチームとは思えない数字である。だが、楽天と日本ハムからともに貯金8ずつ得ており、完全にこの2球団を「カモメがカモ」としている。

 まずはロッテと楽天の対戦だ。見てみると5月までは決して極端な対戦成績ではなく、ロッテの5勝6敗1分けで、むしろ僅かに楽天が勝ち越していたのである。ところが後半戦に入ってからロッテは対楽天に9連勝。その内容を見てみると、半数以上の試合で抑えの益田直也投手にセーブか勝ちを献上してしまっている。対楽天戦の防御率はここまで1.93で1勝1HP7Sと、ほぼ完璧に抑え込んでいる。

 また、対戦成績をよく見ると引き分けが1つしかない。つまり、しっかりロッテに決着をつけられてしまっているのが痛い。せめて引き分けに持ち込もうとしても、勝ち越され益田投手に抑え込まれているパターンがくっきりと見えてしまっているのだ。

 とはいえ益田投手を打ち込んでいるのは3敗を喫したソフトバンクだけ。来年パ・リーグで楽天が上を狙うには対益田攻略なのか、益田投手の出番より前に勝ち越すか。首位争いをするチームに極端に負け越すのは厳しいので、いずれかを狙う必要がある。

◆最下位日本ハムを完璧に「脚」で叩いたロッテ

 もう一つ、カモメがカモにした球団が日本ハムだ。対戦成績は11勝3敗4分。3敗しかしていないのである。その3敗のうち2敗時に先発したのは岩下大輝だが、岩下の先発4試合で1勝1分もあり、また、9月18日に岩下が敗戦投手となった試合のスコアは1-0。単純にロッテ打線が日本ハム先発バーヘイゲンを打ち崩せず11奪三振を奪われ援護できなかっただけで、岩下を攻略したとはいえない状況だ。

 ちなみにロッテの対日本ハム戦打率は.241。チーム打率が.245なので特に日本ハムに対して打ちまくっているわけではない。問題はもっと闇が深い。日本ハムとロッテの対戦成績を書き出すと

ロッテ(対日本ハム) 打率.241 防御率2.85
日本ハム(対ロッテ) 打率.249 防御率3.92


 打率はさして変わらぬどころか日本ハムのほうがわずかに上回っているのだが、防御率に1点以上の開きが生まれている。つまり、ロッテの得点効率が対日本ハムでは異常に良いのである。ロッテの得点数は81、対する日本ハムは53。どうしてこうも違うのだろうか。

◆チーム盗塁数の4分の1を日ハムで稼ぐ

 今年のロッテはチームで102盗塁と、阪神の106に次いで100盗塁を超える機動力を持っている。そして、日本ハムには27盗塁と、4分の1をココで稼いでしまっている。悲しいが、日本ハムの盗塁阻止率は厳しい。正捕手清水優心の盗塁阻止率は.181でパ・リーグ正捕手では最下位。そこを今年脚で攻めるロッテに突かれている格好だ。

 一番直近の対戦であった9月20日の試合は1-0でロッテが勝利しているが、この1点は盗塁ではないものの、9番加藤匠馬が脚を活かしてツーベース。からの荻野貴司の送りバントから2番藤原恭大の犠牲フライと、流れるように脚で1点を失って決勝点となってしまっている。

 盗塁阻止率については里崎智也氏曰く大半は投手のクイックなどの責任という話があるが、いずれにせよ日本ハムとしては、脚を絡められると走られ放題な状態を改善することが来年への優先課題の一つとなっているだろう。

 次回はセ・リーグ編。極端だった対戦成績から課題のチームを洗い出す。

文/佐藤永記

―[数字で見るプロ野球]―

【佐藤永記】
公営競技ライター・Youtuber。シグナルRightの名前で2010年、ニコ生で全ての公営競技を解説できる生主として話題に。現在はYoutube「公営競技大学」を運営。子育てやSE業界の話題なども扱う。Twitter:@signalright

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