コロナで失業した26歳女性。大家さんの行動に涙した理由とは

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 コロナ禍で業績が悪化した業界は多いですが、特に深刻だったのが航空業界。

 大幅な減便を強いられた航空会社はもちろんですが、関連会社や空港に出店するテナントなども軒並み大打撃。実際、空港内の飲食店や土産物屋の中には閉店に追い込まれたところも少なくないようです。

◆フルタイムだがバイト扱いだったため、解雇も補償なし

「勤めていた某地方空港の土産物屋も今年になって店を閉めることになり、非正規雇用だったスタッフは基本的に全員解雇。私もアルバイト待遇だったため、3月で失職してしまいました」

 前々から覚悟していたことだと言いつつも「やはりショックだった」と話すのは三枝美佐さん(仮名・26歳)。アルバイトでしたが週5日フルタイムで働き、この土産物店の給料で生活していました。

 そのため、昨春から何度も休業期間があったり、営業を再開しても営業時間短縮により、閉店する前から収入減の影響で生活は厳しい状態が続いていたそうです。

「コロナ前の給料は手取りで17万円くらいでしたが、休業期間中は7割しか補償されず12万円。けど、それだけもらえるだけまだいいほうで、営業再開すると出勤調整などで普段より勤務時間が大きく減らされ、月10万円を切ることも珍しくありませんでした」

 一人暮らしなので可能な限り出費を抑えても限度があり、わずか25万円のなけなしの貯金を少しずつ切り崩し、不足分の生活費を補っていました。しかし、今年春に職を失った時点では、その貯金もほとんど尽きてしまっていたそうです。

「ウチは母子家庭なのですが母親は昔から私への関心が薄く、高校卒業後に家を出てからは最低限の連絡しか取っていません。私としても今さら母親を頼るわけにはいかず、自分でなんとかしなければなりませんでした。

 ただ、住んでいるのは田舎だし、求人だって少ない。失業してから3か月は仕事も決まらず、先の見えない状況に絶望しかけたこともありました。あのときが一番辛かったですね」

◆大家さんの優しさに思わず涙

 空港から車で30分ほどの場所にある1DKのアパートに住んでいましたが、その家賃4万3000円を用意することができず、大家さん事情を説明。頭を下げて振り込みの期限を待ってもらったことも。

 農家でもあった大家さんはコロナ禍で困窮している美佐さんに同情。「持っていきなさい」と自分の畑で獲れた野菜を段ボールに詰めて渡してくれたそうです。

「まさかそこまでしてくれるとは想像もしてなかったので、あれは涙が出るほどうれしかったです。おかげでもうちょっと頑張ってみようと思えるようになりました」

◆新しい仕事は月収15万円未満

 その後、地元の総合病院の清掃スタッフの仕事にありつくことができ、7月から勤務。でも、こちらもアルバイト採用で、しかも1日の勤務時間は6時間と少なめ。時給は土産物屋よりも高いものの、月給換算だと前職よりも2万円弱も減ってしまい、月15万円を下回る程度の収入しか得られなくなってしまったそうです。

「それでも節約すれば給料の範囲内で生活できるようになったので、なんとかホッと一息つくことができました。ですけど今の収入じゃ貯金もほとんどできませんし、非正規雇用という不安もあります。

 私は最終学歴が高卒だし、就職に役立ちそうな資格も持っていません。仕事に対して高望みはしませんが、やっぱりあと数万円でいいから多く給料をもらいたいです。ただ、地元には仕事自体があまりないので、求人の多い大きな町に移り住むことも考えています」

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◆美佐さんの1か月の収支

収入
給料      14万9000円

支出
家賃      4万3000円
食費      2万2000円
日用品       7000円
光熱費・通信費 1万8000円
雑費      1万2000円
車の維持費   1万9000円
保険+年金   2万8000円

収支         ±0円
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 ですが、人の多い場所が生理的に苦手で、「できれば今住んでいるところを離れたくない」とも。

「どこかで妥協して、折り合いをつけなきゃいけないのはわかっているのですが……」

 ようやく見つけた仕事もアルバイトで収入はダウン。現在はかろうじて生活できているとはいえ、薄氷のうえに成り立っているにすぎません。潜在的に厳しい状況はまだしばらくは続きそうです。

―お金がない…女の生活苦シリーズ―

<文/トシタカマサ>

【トシタカマサ】
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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