年収150万円アップした例も。コロナ転職で人生が好転した人たち

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 コロナ禍で先行きが見えない今、「コロナ転職」と聞けば、ネガティブなイメージを抱く人も多いかもしれない。しかし、転職した“その後”は収入が上がったり、プライベートな時間が増えたりと、生活そのものがポジティブに一変した人たちもいる。

◆教育業界から医療業界へ転職、年収は150万円アップ

 教育業界の総務人事部に勤めていた山本良子さん(仮名・30代)は、医療法人の人事部に転職した。

「以前は集団授業スタイルの学習塾で働いていました。コロナ禍の影響で、一度に多数の塾生が集まることに不安を抱くご家族が多かったんです。そのため、流れとしては個人指導スタイルや家庭教師に切り替える必要がありました」

 塾内ではクラスターが発生、職員や塾生に陽性者が出て長期閉校することも多かった。

「私自身は教師として現場に立っていたわけではありませんでしたが、減収・減益が続いていることを知り、給与や賞与に影響が出る前に会社を移ろうと思いました」

 山本さんは、業種にはこだわらず、総務人事の経験を活かしたいと思った。

◆コロナ転職は「良いことづくし」

「大きな決め手となったのは、在宅勤務が推奨されていたことです。リスクの高い医療法人だからという特性もあるかもしれませんが、医師や看護師など現場職を除き、バックオフィス人員は基本的に在宅勤務です」

 もともとどこでも集中できるタイプで、夫の会社は在宅勤務制度がなく、家には誰もいない状態。環境はすぐに整った。

「新卒から同じ企業に勤め続けて初めての転職だったのですが、年収は450万円から600万円に大きく伸びました。経験を重視していただけたこともあるかと思いますが、交渉次第でここまで収入が上がっことに、今でも驚いています」

 月に2~3回の出勤があり、チームメンバーとの関係も良好だ。健康診断の補助額も大きく、法人として加入している保険の幅も広いため、福利厚生の種類も増えた。山本さんにとって、コロナ禍での転職は良いことづくしだったと感じている。

◆“年上の部下”のほうが給料が良かった

 東証一部・大手企業にて、当時最年少でチームリーダーに昇進するなど、順風満帆の社会人生活を送っていた三田怜治さん(仮名・20代)だったが、1回目の緊急事態宣言で輝かしいキャリアに陰りが見え始める。

「同部署にてチームリーダーに着任した社員は全員、昇進のみで給料は上がりませんでした。ミッションが個人からチームの達成へと変わり、給料は下がったし、他部署で同時期にチームリーダーに着任した社員の給料は上がっていました」

 また、社会人歴・社歴だけが長く、三田さんよりも明らかに仕事ができない“年上の部下”のほうが給与は良かった。チームリーダーより上の役職は詰まっており、今後の昇進・昇給は見込めなかったと話す。

 不合理な人事制度に嫌気がさして、三田さんは退職を決意した。

◆大手からベンチャーに転職

「転職活動もコロナ禍の影響を受けました。中途採用の凍結もしくは、選考基準の見直しをした企業も多かったのではないでしょうか。面接の機会すらもらえないこともありました」

 コロナ禍さえなければ——。

 自分の経歴があれば、100%書類選考を通過していたはずだという。最終的には約半年で150社程度に応募し、転職活動は思った以上に長期化してしまった。

「大企業に嫌気がさして、採用コンサルティング事業を展開しているベンチャー企業へ転職しました。コロナ禍なので、出社は必要最低限で基本的にはほぼリモートワークです」

 転職先の社長が非常に社員想いで、それぞれのライフスタイルに合わせて仕事を柔軟に割り当ててくれるそうだ。

「会社は社員のものでもあるという意識から、希望した社員たちで会社方針などを話し合う機会があります。この経験で、自分自身は会社の重役であるとの自覚が芽生えてきました」

 給与は500万円から550万円へ。納得する会社から内定をもらうまで諦めずに探し続けた結果、現在の会社に転職が実現。非常に満足していると話してくれた。

◆1日19時間も仕事に拘束されて手取り23万円

「コロナ禍で転職することになりましたが、まったく後悔はありません」と話してくれたのは内藤美保さん(仮名・30代)。むしろ、自分の人生を見つめ直す良い機会となり、より人生を楽しむことができるようになったという。

「小売りチェーン店の本部にて正社員の事務職をしていたのですが、通勤が片道約3時間かかる支社へ異動させられ、労働時間も1日約12~13時間でした」

 通勤時間を含めて1日約18~19時間の拘束。長時間勤務にもかかわらず、月給は手取り23万円ほどだった。

◆現在は派遣社員で月収35万〜60万円に

「固定残業制のため、残業代は出ませんでした。昇給や賞与もないので、将来も絶望的な状況ですよね。しかも、年末年始やお盆、GWも休むことができず、長期休暇は一切ありませんでした」

 ミスも絶対に許されない環境で、上司のパワハラとモラハラに苦しんでいた内藤さんは、コロナ転職することに何の抵抗もなかったそうだ。

「退職したあとは、派遣社員としてコロナにかかわる仕事に就きました」

 コロナの影響を受けた人たちへの給付金関連の仕事を始めた内藤さん。仕事条件はメリットしかなかったという。

「時給が高く、月によっても異なりますが、月収は35~60万円ほど稼ぐことができました。そして休暇の希望も通り、長期休暇も取ることができます。プライベートの時間が大幅に増えました」

◆コロナ収束で仕事がなくなる、将来を見据えて…

 内藤さんにとって、コロナ禍にもかかわらず収入が増え、ストレスも減るという最高の状態になったようだ。ただし、コロナ関連の仕事は、コロナの収束とともに仕事が減っていくため、長くは続けられないという。

「現在は、プライベートの時間を削り、副業や勉強をするなど、将来を見据えて対策をしています。いま悲惨な状況にいるならば、思い切って転職したり、自分の人生設計を見つめ直すのが大切だと思います」

<取材・文/chimi86>

―[「コロナ転職」のその後]―

【chimi86】
ライター歴5年目。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。Instagram:@chimi86.insta

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