『ルパン三世 PART6』押井守に湊かなえ……豪華脚本家陣のオムニバス回は超必見!「かなり衝撃になると思います」峰不二子役・沢城みゆきインタビュー

2021年10月9日より日本テレビ系で全国放送スタートとなる、アニメ化50周年記念の新作テレビアニメ『ルパン三世 PART6』より、峰不二子を演じる沢城みゆきさんのインタビューをお届けします。

アニメ化50周年を記念する今作『ルパン三世 PART6』には、超豪華なゲスト脚本家陣が参加。シリーズ構成を務めるのは、映像化作品多数の推理小説家でありアニメ・特撮の脚本も手がける大倉崇裕氏が担当し、オムニバスエピソードの脚本には特別ゲストとして、辻真先氏、芦辺拓氏、樋口明雄氏、湊かなえ氏、押井守氏など、小説界・アニメ界を賑わす豪華な顔ぶれが名を連ね、今シリーズのルパンを紐解くキーワード、謎多き〈ミステリー〉の世界へと視聴者を誘います。

2011年より峰不二子の声優を務める沢城みゆきさんに、今シリーズの見どころやキャラクターの魅力、そして次元の声優が小林清志さんから大塚明夫さんに交代になることについてもお話を伺いました。

衝撃のオムニバス回「まさに押井守カラーに染まったルパン三世」

――前作、TVシリーズの「PART5」についてはキャストの皆さんの中でどのような盛り上がりがありましたか?

沢城:「PART5」は現代社会を軸にネット社会VSルパン三世という世界観だったので、それがルパンTVシリーズの歴史の中でもすごく挑戦的なモチーフでしたし、世界観もいつも『金曜ロードショー』などで描かれるようなものとも違っていて。出てくるヒロイン像も、いつもルパンが助けるヒロイン像とは少し違うタイプの女の子だったり、全体的にとても新鮮な気持ちでみんなで毎話取り組んだ印象があります。

――本当にすごく現代的なシリーズでしたよね。逆に今作「PART6」では、シャーロック・ホームズが登場するロンドンが舞台の<原点回帰>をテーマとしたミステリーということで。

沢城:「PART4」は、レオナルド・ダ・ヴィンチが現代に蘇り、という少しファンタジックなお話で、そこから「PART5」は急にすごくリアリティーのある対ネット社会のお話でした。今回の「PART6」は、どちらかというと「PART4」に近い少しクラシカルな<ルパンVSシャーロック・ホームズ>という世界が描かれています。ただ、「PART4」の舞台はイタリアだったので、色彩もすごく明るいし、爽やかな感じで始まったのですが、今回の「PART6」は、曇天でまさに霧の都ロンドンという感じのスタートが色味的には非常に対照的で、物語の舞台が違うんだなというワクワクが第1話を観ていただいた時点であるかなと思います。

その<ルパンVSシャーロック・ホームズ>とは別に、まさかの豪華作家陣の方々が脚本で参加してくださったオムニバス話がありまして。そこは、非常にイレギュラーなイベントとして楽しんでいただきたい『ルパン三世』に仕上がっています。使っている筆記用具が全然違うような、タッチがまったく違う『ルパン三世』になっていますので、本筋とはもう1つ違う部分として楽しんでいただきたいです。ビックリすると思います!

――オムニバス話の中に、不二子がフィーチャーされているお話はあるのでしょうか?

沢城:どのお話にも登場するのですが、押井守さんが書いてくださっている3人しか登場人物がいないお話では必然的に多く喋らざる負えない、なぜなら3人しかいないから(笑)、というのはありました。かなり不二子が物語の真ん中に居るという部分もありましたし、物理的にも登場シーンは多いです。もうひたすら会話しています。

――とても独特な作品になっていそうですね。

沢城:押井さんの掌の上、という感じで、まさに押井守カラーに染まったルパン三世にご期待ください。

また、押井さんのある過去作品のセルフオマージュに近いような話があるんです。だからファンとして、「おお~!」「もしかして、そうなのかな?」と思いながら個人的には観ていました。そして、非常に博識なあの音響監督の清水洋史さんが「シナリオを読んで初めてわからなかった。難しかった」と言っているのを10年間で初めて聞きました(笑)。「清水さんがわからないなら、私達に(理解するのは)絶対無理だ!」と言って(笑)。

――では、『ルパン三世』の中のオムニバスの1話ですが、1つの作品として注目ですね。

沢城:かなり衝撃になると思います。逆に湊かなえさんのお話は、映画『告白』や、ドラマで楽しんだ『リバース』のイメージがあったので、どんなお話がくるんだろう?と待ち構えていたのですが、湊さんは逆にルパンに染まりに来てくださったという感じで、すごくルパンの世界を描こうとしてくださっている印象を私としては受けました。そういう意味で、私の小さな想像とは違うものが上がってきたな、と思いましたし、本当にそれぞれ全然違う振り幅のあるオムニバス話になっています。立て続けに台本を渡されると、気が狂いそうでした(笑)。ちょっと1回、間を置かないと、まったく毛色が違いすぎて消化しきれない感じがしました。

それぞれの作家さんにそれぞれの『ルパン三世』の印象があるんだな、そしてそのルパンという箱を使って、何をしよう?と、こんなに人それぞれ違うんだなと感じました。

「脚本ごとに“俺の峰不二子”があるような感覚」峰不二子という大女優といろんなドラマの撮影に行っている気分

――今作での不二子のイメージはどのように捉えていますか?

沢城:セクシーであるとか、外側の印象は1つなのですが、脚本ごとに“俺の峰不二子”があるような感覚です。だから、賢かったり、急に馬鹿っぽかったり、セクシーだったり、キュートだったり、少し毒舌だったり、全方位に峰不二子という入口があって。1つのキャラクターを演じるというよりは、峰不二子という大女優といろんなドラマの撮影に行っている気分なんです。

だから、私も1人の不二子というキャラクターに執着するつもりはなくて。そもそも(前任の不二子役の)増山江威子さんの時代からそんなものはなかったように感じています。外側の形として「峰不二子」は保たれていながらも、その中身を覗いてみると、「え!いろんな入り口が全部ある!」という感じだったんです。だから、今回も「さ、今回はどんな役なのかな?」というくらい、毎回違って、コレというものはない印象です。

特に、おもちゃ箱みたいに今回それぞれ作家さんの作品は、本当に“それ色に染まりに行く”という感じで。もう<◯◯役:峰不二子(CV:沢城みゆき)>みたいな感じですよ、ややこしいですけど(笑)。もはやそういう次元です。

――様々なメディアミックス展開などされてきましたが、アニメ化50周年化記念ということで、今後の展開で期待することがあれば教えてください。

沢城: 1つは、“小池ルパン”(LUPIN THE ⅢRDシリーズ)がまだ完結しておりませんので、そこがきちんと完走できる楽しみがあります。そして、今回取材の機会を設けていただいて、改めて「PART4」、「PART5」と『LUPIN the Third -峰不二子という女-』を少し見直したんですけどのですが、どの作品も、当時は全然そう思わなかったのにですが、ビックリするくらいチャレンジングで、「ずっとチャレンジングじゃん!」だと思ったんですよね。今までのルパンを守りながらも更新していこうとする姿勢に頭が下がりました。私達(山寺、浪川、沢城)がルパンファミリーになってからずっと攻め続けてきていた。   今回の「PART6」に関しては、またこういう面白い試みがあって、もう私的には十分満ち足りています。しかも、この間は大きい劇場でシリーズ初のフル3DCGの劇場映画『ルパン三世 THE FIRST』まで作ってもらっていただいていたり……! だけど、今までは新しいもの作品がくることにビビって怖気づいていたのですが、今回本当に七変化な色々なお話をやらせていただいたからか、もっとチャレンジングな中に居続けたいという気持ちが、こと「PART6」で湧いてきてしまいました。次ははどんな色に染めてもらえるの!?という、そんな気持ちも芽生えてきています。

――チャレンジングですし、全部クオリティーが高くて面白くて凄いですよね。

沢城:そうだったらいいな、と思っています……!

―舞台脚本家の西田シャトナーさんが参加されたTVスペシャルの『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』(2019)もすごく面白くて、友人と話題にしました。

沢城:舞台作家さんの作品も初めての挑戦で。(次元役の)小林清志さんが開口一番、「ルパンはこうでなくちゃ。これが面白いんだよ」とおっしゃっていたのがすごく印象的でした。非常にスタンダードな『ルパン三世 カリオストロの城』の血を継ぐ、スタンダードなルパン!ということだったと思うのですが。たしかに、『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』は安心するルパンでした。でも、参加されている方々はチャレンジングという。

――毎回、異なる色も見せつつ、同じ『ルパン三世』シリーズとして収まっていて面白いです。

沢城:シリーズとしてきちんと収まるのは、作家の方たちがルパンを好きでいてくれるから、ルパンの世界を大事に描いてくれていることで、まとまっているような印象があります。

小林清志の闘いを目に焼き付け……今は目の前にある不二子を伸び伸びと演じることに集中

――「PART6」より、次元が小林清志さんから大塚明夫さんに交代となると聞いたときのお気持ちをお聞かせください。

沢城:『ルパン三世』の歴史の中でも大きな存在の次元が小林清志さんから交代するということがこの「PART6」で起こり、それがもしかしたら振り返ると「PART6」の中では一番大きなイベントになってしまうかもしれないのですが。私達はそれぞれの胸に巻き起こる寂しさであるとか、諸々の気持ちを自分で決着をつけていけば良いですが、おそらく一番大変なのは明夫さんなので。並々ならぬ想いと、並々ならぬ清志さんへの敬意と、並々ならぬ技術を持ってしておそらく挑んでいらっしゃると思います。

――小林清志さんのお姿から得たものや学んだものは何ですか?

沢城:10年前に私達3人(山寺宏一・浪川大輔・沢城みゆき)が世代交代することになった際、スローガンとして、なるべく視聴者の方に違和感がないように、似せられないけれど肉迫する、なるべく寄せるということを目標に掲げて始まったので、私達はいわゆる前任のキラキラしたキャラクターとの闘いだったんです。

でも清志さんは、“昔の小林清志 対 今の小林清志”という闘いをされていらっしゃるので、おそらく我々よりも遥かに大変な闘い。私は自分が歳を重ねていった先のことがまだ想像できないし、自分の老いとの闘い、自分でイメージしたものに近づいていけない日が訪れることをまだ想像できませんが、たぶん最も大変な闘いだったと思うんです。

「なんか違うな、もう1回」と言って、ご自身でリテイクを出されながら収録されている様を、静かに見守るでもないし、見届けるというのも違う……ただただその闘う様を目に焼き付けた、と言うような体感です。それが後々どういう意味をもって私の人生に作用してくるかはまだ、分かりませんが、とにかく今は、焼き付けたぞ、という段階です。

――2011年から引き継がれてちょうど今年で10年になりますが、不二子は沢城さんにとってどんな存在になっていますか?

沢城: 50周年を迎える偉大な作品であっても、毎回プレッシャーに感じず、とにかく楽しく演じることが大事だと気づいたので、あまり背負い込まずに、目の前にある不二子を伸び伸びと演じることに集中する、というスローガンを掲げています(笑)。

シリーズを見返してみると、毎度様々なハードルがありました。初めてのTVシリーズ「PART4」に関しては、毎週峰不二子をブレずに演じるという難しさとの闘いがありました。「PART5」に関しては、ルパンは昔どうだったのか、履歴書を見たくないようなキャクターだと思うのですが、お話自体がキャラクターたちの奥を深掘っていくような、“お前に対して俺は何なんだ”とお互いにキャラクターが突きつけ合うような見たことのないルパンでした。だから、増山江威子さんの声でもサンプルがない、自分を吐露していくような不二子を演じなければいけませんでした。

『LUPIN the Third -峰不二子という女-』に関しては、これまでとまったく違う、沢城みゆきとして新しい不二子をゼロから作らないとできないような作風だったので、その闘いがありましたし、毎回闘いの連続だったなと、振り返ってみると思います。安住の地がありませんでした。

――でも、それが今は楽しくなっているんですものね。

沢城:慣れって怖いですね(笑)。やはり山田康雄さんが演じていたルパンに象徴されていますが、視聴者に気が向いていること、視聴者を喜ばせたい、楽しんでもらいたいという想いが、『ルパン三世』のベースにあって然るべきだったのですが、私達はガチガチになって何年も演じていたから、そこを取り戻すかのように今は羽ばたきたい欲求があるのかもしれないです(笑)。まず、私が楽しまなければいけなかったのに、そういう風には舵を切れなかった不甲斐なさを取り戻したい、そんな気持ちが今は大きいです。

――では、今作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

沢城:この秋から、アニメ化50周年を記念して「PART6」が始まります。今回は<ルパンVSシャーロック・ホームズ>という大きなメインストーリーが描かれ、加えて本当に豪華な方々が脚本で参加してくださっています。驚くほどそれぞれのルパンカラーがあり、それも同時に楽しんでいただけるシリーズになっておりますので、ぜひご覧いただけたらと思います。

――楽しみにしています、ありがとうございました!

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『ルパン三世 PART6』

【 INTRODUCTION 】 その男の名はルパン三世。怪盗アルセーヌ・ルパンを祖父に持つ大泥棒。 宝石、美術品、隠された財宝、不老不死の秘密、はては可憐な少女の心まで、彼に盗めぬものは何ひとつない。 相棒は凄腕ガンマンの次元大介。そして、居合抜きの達人・石川五ェ門。類まれな美貌と頭脳を持つ魔性の女・峰不二子。 執念で地の果てまでルパンを追い続ける銭形警部。 そんな個性豊かな面々とルパンが繰り広げる、ハードボイルドで、スリリングで、コミカルで、エキセントリックな物語――。

モンキー・パンチが生み出したコミック『ルパン三世』は、それぞれの時代の空気を取り込みながらアニメーションで展開され、世界中のファンを虜にしてきた。 そして 2021 年。アニメ化 50 周年を迎える今、ルパンがまた、動き出す!

新作アニメーション『ルパン三世 PART6』は、ルパンを紐解く 2 つのキーワードでストーリーを展開。 1 クール目は、〈ミステリー〉!王道かつ斬新な、謎多き物語が幕を開ける。 そのシリーズ構成を務めるのは、映像化作品多数の推理小説家でありアニメ・特撮の脚本も手がける、大倉崇裕。そして各話脚本にはゲストとして、辻真先、芦辺拓、樋口明雄、湊かなえ、押井守が参加。 小説界・アニメ界を賑わす、豪華な顔ぶれが名を連ねる。 エメラルドグリーンの背広に身を包んだルパンが繰り広げる、 新世界のための〈原点回帰〉ーークール&ミステリアスな冒険を見逃すな!!

『ルパン三世 PART6』 2021 年 10 月より日本テレビ系全国放送開始! 日本テレビでは 10/9(土)24 時 55 分より放送開始 ※各局の放送日時は公式 HP でご確認ください 配信:Hulu 他配信サイトで配信予定 ※配信先情報は、公式 HP で順次公開

【 STORY 】 舞台はロンドン。 ルパンのターゲットは、英国政府を影で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝―― その手掛かりとなる一枚の絵。 立ちはだかるスコットランド・ヤードや MI6。ルパンの動きを察知して現れた銭形警部。そして、ルパンの前に現れた探偵――その名はシャーロック・ホームズ!シリーズ構成・大倉崇裕のメインストーリーと、豪華脚本陣のオムニバスエピソードが絡み合う、謎多き〈ミステリ・ルパン〉が今、幕を開ける!

【 CAST 】 ルパン三世:栗田貫一 次元大介:大塚明夫 石川五ェ門:浪川大輔 峰 不二子:沢城みゆき 銭形警部:山寺宏一 八咫烏五郎:島﨑信⻑ アルベール・ダンドレジー:津田健次郎 ホームズ:小原雅人 リリー:諸星すみれ

【 STAFF 】 原作:モンキー・パンチ 監督:菅沼栄治 シリーズ構成:大倉崇裕 キャラクターデザイン:丸藤広貴 美術監督:松宮由美、備前光一郎、小倉宏昌、⻄澤 航、李 凡善、竹田悠介 色彩設計:宮脇裕美 撮影監督:佐々木明美 編集:吉武将人 音響監督:清水洋史 音響効果:倉橋裕宗 音楽:大野雄二 メインテーマ:「THEME FROM LUPIN III 2021」 作曲:大野雄二、編曲:大野雄二、演奏:Yuji Ohno & Lupintic Six with Friends

制作:トムス・エンタテインメント 製作:ルパン三世PART6製作委員会 原作:モンキー・パンチ (C)TMS・NTV

【公式サイト】lupin-pt6.com 【公式 Twitter】@lupin_anime ハッシュタグ:#ルパン6

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