家電「空気清浄機」を超えるトレンドは「掃除機」。選ぶポイントは?

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 昨年から続くコロナ禍で生活様式が一変し、在宅時間の増加に伴う巣ごもり需要も生まれた。以前に比べて自宅で過ごすことが多くなったことで、日々の暮らしを充実させ、豊かな日常を送りたいと願う人も増えている。

 そんななか、住環境を向上させる上で必需品となっているのが生活家電だ。面倒な家事の時間を軽減したり、便利な機能で快適な生活の一助となったり……。うまく生活家電を使いこなすことで、ゆとりあるライフスタイルを送ることができるだろう。

 今回は、二子玉川 蔦屋家電 住フロアのリーダーであり、コンシェルジュの佐藤正人さんに、直近の家電トレンドや選ぶコツ、今後注目される商品について話を聞いた。

◆コロナ禍の家電トレンドは「掃除機」

 世田谷区にある二子玉川 蔦屋家電は、一般的な家電量販店とは異なるライフスタイル提案型の家電店として知られている。

 独自の審美眼を持って取り揃える家電商品や先進的な企画。そして何より、生活環境に合った家電選びをサポートするコンシェルジュの存在は、蔦屋家電の象徴とも言えるだろう。

 佐藤さんは5年ほど蔦屋家電で生活家電のコンシェルジュを務めており、現在はリーダーとして日々販売に携わっている。

 直近の家電トレンドについて伺うと「機能性だけではなく、デザイン重視で購入するお客様も増えてきている」と話す。

「一時期、テクノロジーを駆使したIoT家電は流行っていましたが、オープンして以来変わらない傾向として、デザイン性の高い家電を購入するお客様が多いことです。機能面だけ優れていても、使うときだけ収納スペースから出す家電になってしまうので、インテリアとしても活用できる家電が求められていますね。部屋に飾れる家電であれば、自分の暮らしにも馴染むことができますし、快適な生活の後押しにもなります」

 そして、コロナ禍で求められる旬の家電は「掃除機」だと佐藤さんは続ける。

「手軽に身の回りの掃除ができるスティック掃除機や、自動で部屋中のゴミを収集するお掃除ロボットなどは、コロナ禍以降で急速に需要が高まっていますね。お家時間が増えたことで、余計に家の中のゴミやチリが気になる状況へと変わり、労力を使わずにゴミ掃除を済ませたいというニーズが顕在化していると思っています。

 また、昨年最もピークだった『空気清浄機』も、ここ最近では新たなに別の部屋用に2台目を検討したり、買い替えを行うお客様も増えています。というのも、未だ続くコロナの感染状況に『今まで使っていた空気清浄機を見直し、質の高い商品を使いたい』という機運が高まり、空気清浄機を買い求める動きが出てきているのではと思っています」

◆生活家電を選ぶ際は操作性や時短・時産を意識する

 ブランドやスペック、デザイン、プライスなど、生活家電を選ぶ上でいくつか判断する基準がある。自分の生活シーンに合った生活家電を選ぶ上で、どのようなことに留意すればいいのか。

 商品によって特長は異なるものの、「使いやすさ」と「お手入れしやすさ」の2つはまず抑えておくのがいいそうだ。

「スマホが当たり前の社会になり、手持ちのスマホがリモコン代わりになって、家電を遠隔操作できる商品も販売されています。スペックのほか、操作性の良いものを選び、スマートに使える家電を選ぶと、QOL(生活の質)の向上に繋がる。さらに、お手入れにかける手間も最小限で済むものであれば、長く使い続けられますし、愛着が湧くアイテムになっていくでしょう」

 また、おうち時間におすすめの商品について、佐藤さんは「時短」と「時産」の2つをキーワードに掲げる。

「在宅で過ごす時間が増えたことで、効率化や時短への関心が高まりました。ただ、時短のみならず、有意義な時間を産み出す“時産家電”も注目されています。人の代わりに家事をこなしてくれる家電を選べば、その分生まれた時間を仕事や趣味、エンタメなどに費やすことができるわけです。

 例えば、お掃除ロボットで部屋の掃除を任せることで、空いた時間を他のことに使う。あるいはスマホ連携に対応した洗濯機を購入し、外出先から遠隔操作で洗濯をスタートさせ、時間を浮かせるなど、できるところから時産の考え方を取り入れ、質の高い生活を意識してみるといいのではないでしょうか」

◆お掃除ロボットやプロジェクターの需要が今後増えていく

 自宅で日常生活の多くを過ごすからこそ、楽しく豊かに暮らしたい。

 今後、さらに家事の合理化や在宅時間を有効活用するためのニーズは顕在化してくるだろう。佐藤さんに、これからどのような家電が求められてくるのかを聞くと、次の3つを挙げた。

「まず1つ目は先ほどお伝えしたお掃除ロボット。実は海外に比べ、日本の普及率はまだまだ10%にも満たないくらい低い状況なんです。ただ、確実に需要は増えてくると考えており、売り場でも注力している家電になります。実際にお掃除ロボットと触れ合える店舗は蔦屋家電以外あまりなく、売り場での体験から掃除ロボットの魅力に気づく機会になればと思っています。

 2つ目はプロジェクターで、ここ1年くらいで、色々なメーカーから多くの商品が発売されました。その相乗効果から、伸びてきている商品になります。とりわけ、小型サイズで高性能のプロジェクターが旬の商品で、持ち運びに便利なことからキャンプとの相性も良い。また、据え置き型のプロジェクターも、4Kによる高画質な映像を楽しめる商品もあるので、用途に応じたバリエーションも豊富になっています」

◆「ペット家電」が次のトレンドに?

 ちょっと意外だったのは、3つ目のペット家電だ。佐藤さんによると、コロナ禍で在宅時間が増えたことにより、ペットを飼う人の割合が高まったという。

 そんなペットの飼い主向けの家電が、にわかに脚光を浴び始めているそうだ。

「売り場の中でも先取りして取り扱いしているペット家電は、専用デバイスを用いることでペットの健康状態をチェックするというもの。『ペットは家族と一緒』と考える人が多いなか、お家時間が増えたことで必然的にペットの健康に気を配る飼い主の方が増えているのではと考えています。

 ペット家電と言えば、自動給餌器や自動給水器が有名ですが、それ以外のペット家電の裾野も広がってくるだろうと予想しているので、試行錯誤しながらペット家電の売り場づくりも取り組んでいこうと思っています」

◆エンタメ性や面白さを加えた売り場を目指す

 時流を汲み、常にライフスタイルに寄り添った生活家電を提案してきた二子玉川 蔦屋家電。

 この先も、生活者が求めるような、世の半歩先を行くであろう家電を見出していくのではないだろうか。最後に佐藤さんへ今後の展望を伺った。

「蔦屋家電には商品のセレクトをする際、独自の基準として『万博』『美術館』『博物館』を掲げています。最新テクノロジーを感じられ、見た目の美しさや機能美に触れられ、新旧問わず愛されている名品に出会える。蔦屋家電に来れば、これらすべての要素を味わってもらえるような『体験』を創出していきたいですね。エンタメ性や面白さといった部分がまだ足りていないと感じているので、もっと創意工夫しながら売り場を作れるよう尽力したいと思います」

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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