【保育マーク】電車で赤ちゃんが泣いて困ってるママがいる…そんな親子を助けたい気持ちを形にした「保育マーク」って何? / 誰が持てるの? 使い方は? 聞いてみた!

拡大画像を見る

電車で赤ちゃんがグズったとき隣の人ににらまれてしまった。ベビーカーでの移動がモタついてしまい周囲の視線が痛かった。子育て中でこんな経験をした人も多いのではないだろうか? 私もある。ショッピングモールでベビーカーを押していると、すれ違いざまに舌打ちしながら「連れてくるなよ」と言われてちょっとヘコんだ。

逆に、そんな話を聞くたびに「その場にいたら助けられたのに」と思う人もいるだろう。でも善意は黙っていては伝わりづらいもの。また、実際に声をかけるのには勇気だっている。

そんな「困っているパパママ」と「本当はサポートしたい気持ちがある人」、この両者をつなぐツールがあるという。「保育マーク」。皆さんはご存知だろうか?

・「保育マーク」ってなに?


保育マークは、保育士起業家であり、asobi基地代表の小笠原舞さんを代表とする保育マーク普及委員会が提唱する育児に関するマークだ。公式サイトによると、その誕生には

「電車で子どもが泣いていて、すごく困っているお母さんがいたの。でも、何も声をかけられなくて。保育士なのに何にもできなくて、とっても悔しかった……」

という保育士の言葉があったという。

街中では保育士さえも声をかけるのが難しい。また助けてほしくても、子育てに不寛容と言われる今の日本では知らない人に助けを求めることへのハードルは高いものだ。

「泣いていても大丈夫ですよ」「いつでも手伝いますよ」を見えるカタチに。そこで保育士がそれとわかるマークを持ち、電車や街中でのパパママたちが安心してヘルプが出しやすいようにと「保育マーク」が考案されたのだ。

・地方から広がる「保育マーク」 → 東京からではない理由

たしかに子供を連れていると困りごとは多い。私も経験があるが、電車での泣き声問題はもちろん、ベビーカーでの移動や上の子のトイレなど……「ちょっとした困った」に直面したときに、親の方から声をかけられる人がいたら本当にありがたいと思う。

そもそも子連れでの外出には、「周りに迷惑をかけていないか心配」と感じている親も多いだろう。そんなとき周囲に「迷惑じゃないですよ」「温かい気持ちで見守ってますよ」という人がいることがわかるだけでも気持ちがラクになるものだ。

そんな保育マークは東京ではなく地方からジワジワと広まっているという。そこで今回、普及活動のメンバーの一人で富山県を拠点にするこども教育デザイナーで保育士の たけもとさやか さんにお話を伺った。

たけもとさんによると、保育マークは2014年にスタートしたもののある壁にぶつかったそうだ。「保育マークを持ちたい保育者は数多くいるものの、知られていないためになかなかアクションには繋がらない」ということだ。一方、人同士の距離感が近い地方では広がりに手応えを感じられたという。現在では、東京のほか、新潟、愛知、富山、神戸、滋賀などで活動が広まっているそうだ。

・どんな人が取得できるの?

では、保育マークはどんな人が取得できるのか。以前は「保育士や幼稚園教諭など保育に携わる人」だったが、現在は教育系の資格を持たない人でも、「地域や社会をよりよくしたい人」であれば取得可能となっている。

当初、想定されていた「街中で保育士とパパママをつなぐこと」から、さらに一歩広げて「大人が子供とその親をあたたかく見守る社会」を目指すため、思いのある人が取得できるように範囲を広げたのだという。

・どうやってもらうの?

ただ「誰でも取得OK」となると、どんな人がマークを持つのだろう。私は悪用されないかが心配になってしまった。気になったので聞いてみたところ、誰でもといっても簡単に手に入れることができるわけではないようだ。

たけもとさんによると「配布イベントを実施し、参加者の方の思いを聞き、どんな人なのかを知るようにしています。保育マークの意味やつくりたい社会のあり方を理解してくれた方に登録料をいただいて、直接手渡ししています」とのことだった。

・望む未来は「保育マークなんて無くなればいい」

ネットでは育児に関するネガティブな情報が目につく。いくら有識者が「子供は社会の宝」と言っても「公共の場での子供は “邪魔な存在” でその泣き声は “騒音” ととらえられるのだろうか」と委縮する親もいるかもしれない。

でも本当は100人中100人が子連れを迷惑とは思ってはいないはず。ただ、善意が悪意より伝わりにくいだけ。「見守っているよ」「いつでも助けるよ」という意思表示にもなる保育マークは、いわば「善意の見える化」なのではないだろうか。

保育マークが広まれば、子育てを取り巻くギスギスした空気も少しは薄れるのかもしれない。

ただ、たけもとさんは保育マークの未来については「無くなるのがいい」と話している。世の中に「子育てを心から応援する空気」が満ち、それが当たり前となり、マークが必要ない社会になってほしいと願っているのだそうだ。

まだそのステージに達するには時間がかかりそうだが、2019年10月現在、全国で320人以上が保育マークを取得し、広がりを見せているという。いまの子供たちが親になるころには、マークが必要ない社会になっているだろうか。そう切に願うばかりである。

参考リンク:保育マーク
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

関連リンク

  • 11/25 11:30
  • ロケットニュース24

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます