広瀬すずはひっそり退場していた? 携帯格安プランCMはすべてダンスとなった裏事情

 一昔前に比べ、大幅に料金が下がった携帯電話料金。○○○大手3社はそれぞれahamo(docomo)、povo(au)、LINEMO(Softbank)と各社格安プラン用のブランドを用意しているが、中でもahamo(docomo)の”ダンスCM”の評価が高い。ロゴがあしらわれたカラフルな背景の前で、森七菜と神尾楓珠が踊るCMである。

 さらに若手俳優のフレッシュな魅力を支えるのが、YOASOBIが描き下ろした楽曲、『三原色』。『夜にかける』に匹敵するポップなナンバーに、“元気ハツラツ”に踊る森七菜と、それとは対照的に、リズムに乗り遅れながら神尾については「かわいい」、「下手なのが逆にいい」と、視聴者からも好評な模様だ。

 同CMの人気に限らず、昨今ではこれまでのマス広告とは違い、いかに話題化させるかが鍵となる現代の広告キャンペーンにおいて、SNSの重要性がおのずと増して来ている。そこで「商品名を認知させやすい」、「視聴者自らダンスを投稿してさらに拡散される」などの理由から、”ダンスCM”は量産されている。

 その証拠とも言えるようになんと、冒頭の携帯会社3社のCMはすべて”ダンスCM”を採用しているのだ。LINEMOの本田翼のダンスに比べ、povoはファッションモデルの田中芽衣を起用とやや地味な印象だが、「赤ちゃんが見ると泣き止む」というまことしやかな噂もあり、局所的な人気を集めている。

「あくまで予測ですが、今回携帯3社でダンスCMがかさなったのには、まず予算が少なく製作費より媒体費を優先したいというのがありそう。そこに加えて、この格安プランが(一応)若者向けのサービスで、マスよりもSNSでの拡散を重視している――そんな思惑が見て取れますね。そこでドラマ仕立てのCMは冗長で飽きる、メッセージだけを詰め込んだものも味気ない、となったときに、”ダンスCM”はとりあえず盛り上がっている感じを演出できるし、企画しやすい。なので“ダンスCM”は、電通、博報堂問わずどこの広告代理店でも“押さえの企画”としてプレゼンしてきたんです」(CMプランナー)

 また業界を席巻する”ダンスCM”にはもちろん、これまでには失敗作も登場していた。

 例えば20年に放映されていた「PLANT TIME ソイミルクティー」(アサヒ飲料)のCMでは、広瀬すずを起用した。だがSNSに「子役の印象が強すぎて、広瀬すずの脇役感が半端ない」、「シュールに狙いすぎて気持ち悪い」など、もっぱら批判の声が目立っており、なんと一年を持たずしてCM契約自体が終了した。

「通信、食品などの業態によらず、最近では”ダンスCM”が溢れかえっています。だからこそタレントの使い方、音楽、振り付け師の起用法など表現部分までこだわらないと、視聴者から支持を得られなくなりつつあります。単に人気のタレントを起用した、とかでは差別化をはかれないし、なんならマイナスイメージがついてしまうことにさえ繋がります」(前述・CMプエランナー)

 巷に”ダンスCM”が飽和状態となってしまった。広告プランナーにとっては今後、表現のさじ加減がますます難しくなりそうだ。

  • 10/4 7:00
  • サイゾー

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