これは革命的だった!ファミコンのディスクシステムゲーム5選
―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―
◆メトロイドの新作は2Dアクション!
10月8日に『メトロイド』シリーズの完全新作『メトロイド ドレッド』が発売されます。今回は久々となる2Dアクション。初代の系譜に連なるスタイルで、当時の思い出が蘇ってきます。
初代『メトロイド』はディスクシステムで発売され、迷路のようなマップを探索するシステムと、当時としては珍しかったSFのディープな世界観が革新的なタイトルでした。
というわけで今回は、『メトロイド』と同様にゲーム界に新風を巻き起こしたディスクシステムの名作5本をピックアップ。当時は、毎月のように新鮮な切り口を持つタイトルが登場していました。
◆『ゼルダの伝説』
任天堂/1986年
ディスクシステムのローンチタイトルとして登場した『ゼルダの伝説』。文字通りここから伝説が始まりました。35周年を記念して、この11月には「ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説」も発売されます。
『ゼルダの伝説』で印象的だったのはタイトル画面。壮大なBGMとともに映画のようにオープニングが流れ、これからの冒険への期待が一気に膨らみました。内容も謎解き(発見)、アクション、物語がガッチリ融合し、まさに“作品”と呼ぶにふさわしいクオリティでした。
◆『きね子』
アイレム/1986年
MSX2で1986年10月にリリースされたジグソーパズルゲーム『キネティックコネクション』。その1ヵ月後にディスクシステム向けに『きね子』と名前を変えて登場しました。バラバラになった16~48個の四角いパネルを並べ直すというシンプルなルールですが、元の画像が動画になっていて、ひとつひとつのピースの絵が動いているのが特徴。
ひたすら水面に波紋が広がるだけのアニメーションに挑む「タップ・タップ・タップ」は鬼のような難度。デジタルという形だからこそできた斬新なジグソーパズルです。今なら小さなディスプレイを何枚も使って、アナログな『きね子』も実現可能かもしれません。
◆『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』
バンダイ/1987年
1987年に登場した『ガチャポン戦士』は、「SDガンダム」を題材にしたウォーシミュレーション。当時PC向けの『大戦略』(1985年)はありましたが、この『ガチャポン戦士』で初めてウォーシミュレーションに触れたというファミっ子も多かったでしょう。
しかも、ただのシミュレーションではなく、戦闘部分は1対1のアクションバトルになっており、水中が得意なズゴック、ビームナギナタでの接近戦が強いゲルググ、遠距離攻撃で有利なエルメスと、モビルスーツには原作に沿った個性がありました。ガンダムファンも納得の面白さ! ただし、CPUの思考時間がとにかく長く……。
◆『中山美穂のトキメキハイスクール』
任天堂/1987年
『中山美穂のトキメキハイスクール』は、学園恋愛アドベンチャーの走り。当時のスクウェアが「電話を使ったアドベンチャーゲームをやりたい」と任天堂に企画を持ち込んだことから開発が始まりました。
ゲーム中に表示される番号に電話をかけると、人気アイドルの中山美穂さんの声が聞けるという仕掛けが最大の特徴。元祖というわけではありませんが、アイドルゲームとしても学園恋愛ゲームとしても時代を先取りしていました。
◆『ファミコン探偵倶楽部』
任天堂/『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』(1988年)、『ファミコン探偵倶楽部PartII うしろに立つ少女』(1989年)
ディスクシステムで2作発売された推理アドベンチャー『ファミコン探偵倶楽部』シリーズ。まだファミコンにホラーゲームという概念がなかった時代、“怖さ”を前面に打ち出した画期的なタイトルでした。
特に2作目『うしろに立つ少女』のラストの演出はいまだに語り草。学校という身近な舞台だったこともあって、震え上がった人も多かったのでは? ちなみに、本作の生みの親である任天堂のゲームクリエイター・坂本賀勇さんは、『メトロイド』『中山美穂のトキメキハイスクール』も手がけていて、ディスクシステムといえば坂本さんというイメージがあります。
今回の5選以外にも、スコアを応募できた『ゴルフJAPANコース』、音楽系シューティング『オトッキー』、立体視が売りの『とびだせ大作戦』、雑誌感覚の『ナゾラーランド』など、ディスクシステムは個性派揃いでした。みなさんが熱中していたディスクシステムのゲームは何でしたか?
<文/卯月 鮎>
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【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も