コロナ禍で売れる冷凍食品 まだまだ売れる!? 売り場拡張に乗り出したスーパー、コンビニ、さらには......

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コロナ禍のなか、家庭用の冷凍食品が売れている。業界団体である日本冷凍食品協会によれば、2020年の家庭用冷凍食品の国内工場出荷額は過去最高だったといい、21年に入っても売れ行きは好調を続けている。

大手スーパーやコンビニエンスストアなどが冷凍食品売り場の拡張に乗り出しているほか、冷凍食品市場の拡大を狙った新たな取り組みも出てきた。

冷食調査で初! 家庭用が業務用を上回った

イオングループのイオンリテールは全国の店舗で冷凍食品売り場を拡大する計画を進めている。9月に横浜市瀬谷区にグランドオープンした「イオンスタイル横浜瀬谷」でも、冷凍食品売り場が目玉の一つだ。

ギョーザや唐揚げなど主菜となる食品をはじめ、冷凍スイーツも豊富に取り揃えており、「冷凍でストックし、食べたい時に気軽に食べられるように」とアピールしている。

セブン&アイ・ホールディング傘下のイトーヨーカドーでも冷凍食品売り場の拡大が行われているほか、食品スーパーのサミットでは「たこ焼き」など総菜売り場で販売していた人気商品を、冷凍食品として売り出すなど、新たな動きも広がっている。

セブン-イレブン・ジャパンやローソンなどコンビニエンス業界でも冷凍食品売り場を広げ、商品の種類を増やす取り組みが加速している。

日本冷凍食品協会が2021年春に発表した20年の調査結果によれば、業務用と家庭用を合わせた国内工場の出荷額は7027億円で前年比0.7%増とほぼ横バイだった。その内訳を見ると、業務用が前年比14.4%減の3278億円と大きく落ち込んだのに対し、家庭用は18.5%増の3748億円と2ケタの大幅な伸びになった。

1981年の調査開始以来、初めて家庭用が業務用を上回ったという。

冷食の事業環境はコロナ禍で様変わりしそう

業務用が苦戦したのはコロナ禍で飲食店が自粛を余儀なくされたためで、逆に外食ができなくなった結果、家庭用が増加した。「手軽においしいものを食べたい」という需要が急増したからだ。さらに、コロナ禍で感染予防が求められるなか、長く保存ができる冷凍食品はまとめ買いに適しており、何度も買い物に行かずに済むことが大きいとみられている。

家電業界関係者によれば、「冷凍食品を入れるため、新しく大きな冷蔵庫を買う人もいる」といい、冷凍食品人気はさまざまな消費にも影響を与えている。

ただ、冷凍食品を使うことについて「『手抜き』と感じたり、『手間をかけた料理ほどおいしくない』といぶかったりする人はいまだに少なくない」(食品業界関係者)と言われている。そんななか、冷凍食品に対するこうしたマイナスイメージを払しょくしようという動きも出てきた。

冷凍パンの販売を行う「パンフォーユー」(群馬県桐生市)など、素材や冷凍方法にこだわる全国の冷凍食品事業者が9月、共同事業体「フローズンエコノミーラボ」を設立した。冷凍食品がフードロスの削減につながることなどもアピールしながら、市場拡大を図る狙いだという。冷凍食品を巡る事業環境は、コロナ禍を機に様変わりする可能性もありそうだ。

(ジャーナリスト 済田経夫)

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  • 10/2 11:45
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