子どもたちに触れてもらう機会を…伝統工芸「松阪木綿」の新たな可能性に挑戦し続けるグラフィックデザイナーの思い

吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。9月25日(土)の放送では、グラフィックデザイナーの丸川竜也さんに、三重県松阪市の伝統工芸「松阪木綿(まつさかもめん)」についてお話を伺いました。

500年の歴史を持つ「松阪木綿」

江戸時代に“粋なモノの象徴”として愛された「松阪木綿」。500年の歴史を持つ三重県松阪市の伝統工芸です。

かつて、大陸から来た機織りの技術者たちが松阪に住みつき、その技術を伝えたのが始まりで、松阪地域は日本の紡織の中心地として栄えました。

色は天然の藍で染めた、本藍染め。藍の濃淡だけで、縦縞やチェックといった縞模様を描くのが特徴で、縞といえば松阪木綿が代表的な存在でした。最盛期には、1,000を上回る織元が松阪にあったものの、現在はたったの1軒。

藍の濃淡だけで描く本藍染め

そんな地域の文化を未来へと伝えるために、「丸川商店」というブランドを立ち上げたのは、松阪で生まれ育ったグラフィックデザイナーの丸川さん。

松阪木綿を使った袋物や日記帳など、さまざまな商品を展開しています。

「松阪木綿は、もともとは着物用の生地ですので、本来は着物にするときに最も柄が“映える”んですが、それを親しんでいただく入り口として、いろいろなプロダクトを作っています」

江戸時代に松阪木綿が大流行したのは、贅沢を禁止する法令があったことに関係しています。

「松阪木綿は、一見、地味で無地に見えるんですね。でも、よく見ると細かい縦筋が入っていることが、“粋”と言われました。非常に優れた職人芸が、そこにはあるんです」と胸を張ります。

派手な着物を堂々と着られなかった江戸っ子にとって、松阪木綿は隠れたオシャレが楽しめる大事なアイテム。年間の売り上げは、当時の江戸人口の半分にあたる数を誇っていたと言います。

職人の技術が織りなす“粋”

松阪木綿の独特の手触りや肌触りに、まず親しんでもらいたいと語る丸川さん。

「機械には出せない手作業ならではのぬくもりもあります。そして、効率ばかりを追求する現代のモノづくりが、残念ながらこぼしてきた大切なものが、ちゃんとそこには残っているなと感じるんです」

子どもたちにも松阪木綿の魅力を

500年続くモノづくり。その魅力を未来へと伝えていくため、地元の子どもたちに触れてもらう機会もたくさん作っていきたい。

そんな思いを胸に、丸川さんは松阪木綿の新しい可能性に挑戦しています。

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聴取期限 2021年10月3日(日)AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:DUNLOP presents みらい図鑑

放送日時:毎週土曜13:55~14:00

パーソナリティ:吉田美穂

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/miraizukan/

2021/10/2 13:00

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