【スプリンターズS】秋空の下で勝ちどき上げる短距離王は/長岡一也

拡大画像を見る

【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆記録づくめで興味が尽きぬ大一番
 
 スプリント戦となると必ず名前の出てくるロードカナロア。香港スプリントを日本馬として初めて勝ったのが、2012年。スプリンターズSで外から猛然と追い込み、1分06秒7のレコードでGI初制覇を達成した直後の海外遠征だった。

 この翌年、クラブの会員が一堂に会し祝賀会が催され、そこで代表の方が、「世界に通用する種牡馬になれるよう頑張っていきます」と挨拶されていた。このパーティーの進行役を仰せつかっていて、このときのことはずっと記憶している。

 香港スプリントのレース映像を見ながら、「3番手からロードカナロア、大きく抜け出してきました。2馬身、2馬身半、完勝で海外のスプリントGIを制覇」としゃべっていたが、それまで香港の国際レースでスプリントG1は勝てていなかったので、このシーンは将来を明るく導くものと確信していた。

 その後のロードカナロアは圧倒的で、2013年には短距離を主戦場とする馬ではタイキシャトル以来の年度代表馬に。14年に種牡馬入りし、初年度産駒から牝馬三冠馬アーモンドアイを出し、あの時の予感通りとなっていた。そして18年に顕彰馬に選ばれ、サイアーランキングのトップを争うところまできている。スプリンターズSには、必ず産駒が出走していて、どれだけスプリントGI父子制覇が達成されるか、興味は尽きない。

 ロードカナロアが覚醒したのが4歳秋だったが、今年記録が期待されているその子ダノンスマッシュは、5歳の暮の香港スプリントがG1初制覇。国内のGIは惜敗が続き、8度目の挑戦で高松宮記念をようやくものにしている。

 間隔を詰めて走らせると良くないと判断されてから、この馬の本領が発揮されるようになってきた。心身のバランスを取り、前走の香港のように出遅れずに走れると思い、リズムよく運んで末脚を生かせるものと期待したい。同一年度の春秋スプリントGI連覇、史上6頭目の快挙もかかっていて、とにかく記録づくめの大一番になりそうだ。

 記録と言えば、ルメール騎手の3連覇のかかるレシステンシアは、初の6ハロンGI優勝という大目標がある。高松宮記念2着が初めての1200米だったが、ハイペースを2番手で追走して、早目に先頭に立った強い内容で勝ったセントウルSが光っている。脚を余すことはない上手な競馬は、ルメール騎手の腕を発揮する絶好のチャンスに見えてくる。

 ただ、このスプリンターズSは、いつも先行勢には厳しい展開になるので、チャンスは他にもありそうだ。速い流れで折り合いがつけやすいピクシーナイトは、差す競馬が板についてきた。それと、ゲートがすべてのジャンダルムには、追い込みという武器があり、可能性は大きい。母がスプリントGI2勝のビリーヴというのが心強い。この2頭では、特に3歳ピクシーナイトにより可能性が。偉大な短距離王を目標にする大一番だ。

「秋空に 勝ちどき上げる 短距離王」

【関連記事】




  • 10/2 12:00
  • netkeiba.com

スポンサーリンク

記事の無断転載を禁じます