元同棲相手に私の高級なブランド鍋を持っていかれた!取り返すべき?

これまでに同棲解消の経験を二度ばかりしたことがあります。一度目は比較的、良好な関係で別れた上に、相手側はその家には住み続けるということで、撤収にそれほど苦労することもありませんでした。新しくひとりで暮らす予定のマンションに置くには少し大きすぎる仕事用デスクを「買い取ってあげるから、おいていけば?」と提案してくれたり、『AKIRA』のコミックスや菅野美穂の写真集『NUDITY』を「これ、持っていっていいよ!」と餞別にくれたりと、後味よく終わったのですが、二度目のときは、相手との関係が非常に悪かったので、なかなか難儀をしました。

なかなか大変だった二度目の同棲解消

長くなるので詳細は割愛しますが、“同棲仕舞い”する際、ふたりで借りた家には彼だけが住んでいて、わたしは身の回りの品だけを持って実家に戻っている状況で、ゆえに退居はそれぞれ別々にすることになりました。具体的な段取りとしては、先に彼が自分の荷物を持って家を出て行き、その後、わたしが戻って始末をつけるという話になったのです。当然、粗大ごみの処理や、物件の契約手続きなど、わたし側にかかる負担のほうがだいぶ大きいけれど、これから先の自由な生活を思えば仕方がないと承諾し、敗戦処理をしていたところ、なぜかそこにあるはずの、わたしの私物がないことが次々と判明していったのです。

例えばキッチンにあるはずの無水調理ができるビタクラフトの片手鍋(8,000円くらい)や、棚に飾ってあった一眼レフカメラ(たしか6万円くらいだった)、そして先月買ったばかりのサバゲーの銃(中古品で2万円)。鍋に関していうと、彼はそれが高級なブランド鍋だということを知らなかった可能性は高いし、一眼レフカメラにしても、彼自身、写真撮影が趣味だったこともあって、いくつも持っていたから、キャノンのそのカメラが自分のものだと勘違いしても、そうおかしくはない。

けれども確信犯としか言いようがないのはサバゲーの銃で、だってそもそも彼はマイガンを一丁も持っていない。なのにどうして「自分の私物」だと勘違いできるであろうか。しかし、ともすれば包丁で刺されるかもくらいには、相手の怒りを買っている状況でもあったので、少しでも刺激を与えたくないし、とりあえず緊急で必要なものではない……と返却を願いでるのは後回しにすることにしたのです。

そうして、無事に引っ越しも終わり、新生活を送り始めたものの、心のどこかで持っていかれた品々のことがずっと気になっていました。百歩譲って鍋とカメラは諦める。けれども、買ったばかりの銃だけは返してほしいし、泣き寝入りする謂れもない。「よし、返してもらおう」と決意を固め、おそるおそる元同棲相手に「サバゲーの銃、持ってたらこっちに戻して」と連絡をしたところ、「送るから、宛先を教えて」とあっさりとした返信が。

ムクムクと湧いてきたのは…

最悪、逆ギレされるのではないかとも予想していたので、快い回答に、ほっとしたものの、そこでムクムクと湧いてきたのは「あっさり返却を了承するってことは、わたしの所有物だって、認識してたってことだよね、じゃあ、なんで持っていった?」という疑問です。「単純に欲しかった」というのが前提として「許可を取るのが面倒だった」というのならば、他人を尊重していなさすぎるし、「いらないと思った」というならあまりに己に都合がよすぎる、「好きに持っていいと思った」のならば、あまりに自他境界が曖昧です。

いまだ、無事に戻ってきたその銃が目に入る度に、「彼は何を考えて、この銃を持っていったのだろうか」と首を捻ると同時に、やはり鍋もカメラも返してもらえばよかったという若干の後悔も拭えない。だってビタクラフトは、水を一滴も使わず、具材の水分だけで肉じゃがやカレーが作れる優れ鍋なのに、この先永遠に、その圧倒的パフォーマンスを活かされることがないなんて鍋が不憫すぎて不憫すぎて……。

Text/大泉りか

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  • 10/2 11:00
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