“危険生物”の観察、シュノーケリング体験も! 神奈川・観音崎で海の生き物・環境を調べる「体験学習プログラム」とは?

高根枝里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「サステナ*デイズ」。“子どものあした 大人のきょう”をテーマに、子どもたちが安心して暮らせる未来のために、「SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標)」の考えを軸にした“新しい毎日”を提案します。

8月26日(木)の放送は、夏休み中の高根に代わり、フリーアナウンサーの古賀涼子がパーソナリティをつとめました。

代演パーソナリティの古賀涼子

「サステナ*デイズ」では、2015年9月に国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」の“17の目標”に真摯に取り組む、さまざまな企業の事業活動を応援するとともに、社会変革のアクションをサポートしながら、私たちが等身大でできるさりげないサステナブル生活のヒントを探っていきます。

◆子どもたちの“海への思い”が詰まった絵本

番組では昨年から、「子どもたちと一緒に安心してくらせる未来を絵本にしよう!」というキャッチコピーのもと、「SDGs絵本プロジェクト『みんなのうみ』」企画を進行してきました。「SDGs」の14番目の目標である「海の豊かさを守ろう」をテーマに、子どもたちが大好きな“海”を大切にする気持ちを絵に描いてもらい、応募で集まった絵から1冊の絵本を作成していく企画です。

このプロジェクトを通して、“SDGをもっと身近に感じてほしい”という番組の思いに賛同した日本製紙クレシア株式会社の協力のもと、1冊の絵本になりました。

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古賀:実は、私は絵本がとっても好きで「絵本専門士」の資格を持っているんです。絵本に関する知識や技能を持った“絵本の専門家”の資格で、国立青少年教育推進機構により認定されます。

先ほど、この番組から生まれた絵本「みんなのうみ」を拝見したのですが、開いた瞬間から潮の香りがしてくるような気分になる絵本でした。みんなが見ているものや、海への思いは一つひとつ違うのに、海の命や大切さを同じエネルギーで描いていることがすごく伝わってきました。

【「TOKYO FM『サステナ*デイズ』SDGs絵本プロジェクトsupported by 日本製紙クレシア」特設サイト】入賞作品のギャラリーなどはコチラ:https://www.tfm.co.jp/sustaina/minnanoumi/

――そんな“海”にまつわる絵本を制作した当番組では、毎月、海が大好きな子どもたちの声をお届けしています。今回、取材にご協力いただいたのは、神奈川県横須賀市にある「観音崎自然博物館」の「キッズ海チーム」です。

「キッズ海チーム」とは、小学生を対象にした観音崎の海の生物や環境を調べる体験学習プログラムです(5月~12月までの9回コース)。海で活動するためのノウハウを身につけ、海の生物や環境に関わる人材になることを目標に活動しています。

 

今回は、「キッズ海チーム」に参加する小学4年生・ののかちゃんと、「キッズ海チーム」のスタッフで「観音崎自然博物館」館長の河野さんにインタビューをおこないました。

まずは、ののかちゃんに「キッズ海チーム」を通して発見したことを伺いました。

■ののかちゃん(小学4年生)

今の時期は、午前中は生物観察をして、午後からはシュノーケリングで本格的に海に入る時間になっています。シュノーケリングは、お風呂でちょっと練習しました。20人ぐらいのグループでやるので、お友達ができるのも楽しかったです。

海の深いところにはクサフグ、ギンポなどがいたり、(潮が)満ちてくるとクロダイなどの大きな魚も見れたことが一番の驚きでした。また、磯のほうにはハゼの仲間、アメフラシ、ウミウシなどがいました。

深いところに行けば行くほど危険生物が増えて、シロガヤ(※)っていう、岩の隅っこに生えている、触るとかゆくなってしまう生き物や、この時期になるとカツオノエボシっていう毒のあるクラゲなどもいっぱい出てくることを始めて知りました。まだ、うまく潜れないので上達したいです。潜る練習が一番楽しみです。

(※)シロガヤ……ヒドロ虫の1種。やや強い刺胞毒を持つ

古賀:ののかちゃん、魚の名前がスラスラと出てきますね! 海に親しんでいるからですね。私は地元・福岡の海で育ったので、子どもの頃からシュノーケリングをしていましたが、何となく海のなかを見ていただけだったので、ののかちゃんたちのように、海の生き物たちの輪のなかに入れることがうらやましいです。海をしっかりと観察することで、海の体験がより深くなっていくんですね!

――続いて「キッズ海チーム」スタッフで「観音崎自然博物館」館長の河野さんに、“観音崎の海の変化”について伺いました。

河野:観音崎は東京湾の入口にあたる場所です。“海藻の林”のような群落が広がっていて、そこにたくさんの生き物が住んでいます。体験学習のフィールドにするところは、わりと遠浅で岩場が多いので生き物がたくさんいて、比較的安全に生き物に触れることができます。観察にはすごく適した場所だと思っています。

「キッズ海チーム」の活動は、毎年4月、5月くらいから始まって、だいたい月に1、2回。海に入れる時期は9月くらいまでですので、その間に磯遊びとシュノーケルを数回おこないます。10月には漂着物を調べ、11月、12月にそれらをまとめて、12月はおうちの人たちを呼んで発表会をするプログラムです。

ただ、東京湾の海藻が10年くらい前からどんどん減ってきています。以前は、岩の上を海藻が覆い尽くしているような光景がよく見られたのですが、徐々に岩肌が見えてきています。おそらく(地球温暖化による)水温(の上昇)などが関係していると思うのですが……。この先、同じよう景色が見られるかどうか、非常に心配です。今、どんな光景が広がっているのか、また、どんな環境なのかということをしっかりと記憶しておくことも大切なのではと思います。

古賀:記録、記憶しておくことは大切ですね。同じ海に繰り返し行って変化がわかるほどになれば、「この海を守りたい」という気持ちも芽生えるのだと思います。

「観音崎自然博物館」では他にも、“体験”を重視したさまざまなワークショップが企画されています。詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

▶▶この日の放送を音声アーカイブ「AuDee(オーディー)」でチェック!

<番組概要>

番組名:サステナ*デイズ

放送日時:毎週木曜 11:30~13:00

パーソナリティ:高根枝里

番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/sustaina/

2021/10/2 11:00

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