熊田曜子、夫の両親を110番通報。破局後も義両親とモメた、妻たちの嘆き

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<亀山早苗の恋愛時評>

 次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

◆熊田曜子、孫に話しかけた義両親を110番

 タレントの熊田曜子さんは現在、夫とは別居の上、離婚協議を続けているようだ。だが、近所には夫の両親が住んでおり、孫になかなか会えないのを苦にして、孫が通う塾の前で待って少し話をしたという。それを知った熊田さんが110番をし、義両親のもとに警察から連絡があったとか(『週刊女性PRIME』9月27日報道による)。

 義両親に子どもを会わせたくないのか、連れ去られる不安があるのかわからないが、かなりエキセントリックな行動ではある。

 一般的に言って、夫婦関係が破綻した場合、当事者たちは義両親とはどうつきあっているのだろうか。たとえ夫婦は別れても、祖父母と孫の関係性は変わらない。だが当事者からみれば、それは「きれいごとすぎる」のかもしれない。

◆離婚後、子どもの学校の前で待つ義母

「私の場合、離婚の原因が夫の度重なる浮気でした。浮気だけならまだしも、たいてい相手の女性から連絡があって『お宅のダンナさんが結婚してくれるって言ったんですけど』みたいに私が脅される。
 一度は、夫の不倫相手が家の窓ガラスを割ったことがあり、警察を呼んで引き渡しました。
 夫と暮らしていたら、私も子どもも平穏な生活ができないから離婚を選択したんです。そういうことは夫の両親にも全部話しました」

 リエさん(仮名・40歳)が離婚したのは3年前。上の子が9歳、下の子が7歳のときだった。結婚してから何度も夫の浮気に悩まされてきたので、離婚を切り出したとき、夫は「そうだよな、リエとしてはやってられないという気持ちだろうな」と納得していたそうだ。

「そこが憎めないところでもあるんだけど、つきあっている女性たちも彼の優柔不断な態度にイライラするんだと思う。だからみんな頭に来て私に連絡してきたり家に来ちゃったりする」

 ただ、夫は子どもたちをかわいがっていたし、子どもたちも夫を慕(した)っていた。だから子どもたちには「お父さんとお母さんは別れてくらすけど、あなたたちはいつでもお父さんに会えるからね」と言うしかなかった。

 そして実際、夫は近くのアパートに住んで、週に1,2回は子どもたちに会っていた。
 ところが離婚して半年ほどたったとき、上の子が「今日、おばあちゃんが学校の門の前で待ってた」と言い出した。

「義両親は1時間以上、離れたところに住んでいるんです。結婚しているときはときどき子どもたちを連れて行っていましたが、離婚後は私も忙しくて……。
 それに離婚したのに、夫の両親にずっと気を遣わなければいけないのかと思うと気が重かった。だけど義母は我慢できなかったんでしょうね」

◆いい人たちだが元の婚家に縛られてしまいそうで

 お小遣いをもらったというから、義母にはお礼のはがきを書いた。すると今度は、子どもたちにとお菓子やフルーツを送ってきた。それにも礼状を書いた。次は洋服が数着ずつ来た。そこに至って、彼女は元夫に「こういうことはやめてほしい」と告げた。

「義父母はいい人たちで、結婚しているときはいろいろ助けてもらったから、縁を切りたいわけじゃないんです。だけど恒常的につきあっていかなければいけないとなると、私は元婚家に縛られてしまう。

 折りをみて会わせるし、子どもたちが大きくなって自分の意志で行くのはかまわない。だけど今は、子どもたちも離婚の影響を受けているだろうし、少し落ち着いた生活をさせてもらえないかと元夫に言いました」

 それきり、義母からは何も言ってこなくなった。離婚して1年たったころ、リエさんは別れた夫とその両親、子どもたちと6人で食事をした。義両親はひどく喜んでいたという。

「たまにはこういうこともいいかもしれないと思いました。その後、コロナ禍で会えていませんが、もうじき義母の誕生日なので、また食事でもと思っています。子どもたちが望むなら、ですが」

 元婚家に縛られていると思うより、「年に1度か2度、みんなで楽しい時間を過ごせばいい」と気持ちを切り替えることで、今は落ち着いているようだ。

◆別居中に義母がやってきて

 現在、別居して離婚調停中のミサキさん(仮名・37歳)。29歳のときに6歳年上の男性と、知人の紹介で出会って1年ほどの交際を経て結婚した。

「ところがこの夫、モラハラがひどかった。共働きだからと夕飯にデパ地下の惣菜(そうざい)を買って帰ったら、『え? どうして?』と言われて。
『うちの母親も共働きだったけど、料理は全部手作りだった』と。私はそこまでできないと言いましたが、『だったら仕事をやめたら?』と言われました。

 夫は国家公務員であることがアイデンティティになっている人で、民間企業でどうせたいした仕事もしてないんでしょと言われたこともあります」

 別れたほうが精神衛生上いいのはわかっていたが、立派な結婚式を挙げてしまった手前、すぐに別れるわけにもいかないと迷っているうちに妊娠。一度は離婚をあきらめた。だが夫は子どもにあまり関心を示さなかった。

「というより子どもに私を取られたと思ったようで、『オレが第一、子どもはその次でしょ』と何度も言われました。

 義母は完全に夫の味方で、『あなたは妻として、うちの息子のめんどうをちゃんと見てるの?』って。ハンカチのアイロンのかけ方がダメだとか、『今日、息子が久々に来たけど痩せたみたい。ちゃんと食べさせてるのかしら』と嫌味を言うために電話をかけてきたり。

 私も小さい子を抱えて仕事に家事にと精一杯がんばっているのに……。私のことはまったく認めようとしない義母でした」

 結局は、大人になりきれていない男性だったのだ。我慢を続けたが、とうとう昨年秋、家を飛び出し、離婚調停を申し立てた。

「コロナ禍もあってなかなか調停が進んでいないのが現状です。でもその間、義母からはたびたび、『離婚だけはしないで。あなたが思い直せば、うちの子はやり直してもいいと言ってるのよ』って。やり直してもいいって何様なんだろうと思いましたね」

◆「私が死んだら、あなた離婚を思いとどまってくれる?」

 ミサキさんは、日に日に離婚の意志が固くなっていった。何度目かの調停が終わった日、帰宅するとすぐ義母がいきなりやってきた。

「玄関に入るなり、土下座したんです。『私のことが嫌いでもいいから、離婚はしないで』と。そういうことはしないでください、困りますと言っても玄関で土下座している。異常ですよ。

 立たせようとしたら、『ミサキさん、わかったわ。私が死んだら、あなた離婚を思いとどまってくれる? 私が死ねばいいのよね』と言い出して。あわてて義父に電話をかけて迎えに来てもらいました」

 調停中は弁護士はいらないと思っていたのだが、ミサキさんは考えを変えた。今は義母のことも含めて弁護士に相談に乗ってもらっている。

「夫婦のことに親は口を出さないでほしいですよね。ただでさえ調停で憂鬱なのに、義母のことがあってさらに気分が落ち込みがちです」

 義父母との距離感は、結婚がうまくいっていようといまいと女性にとって頭痛の種になりがちなのかもしれない。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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