日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」郡司が通信社杯8着の雪辱を果たす

【「平塚記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎郡司浩平/○新田祐大/▲清水裕友/△稲川翔/和田健太郎/小倉竜二/松坂洋平/鈴木庸之/小松崎大地/和田真久留/古性優作/森田優弥

 苦戦が続いていても、戦法に少し幅を持たせるだけで一変することがある。

「平塚記念」(9月30日【木】~10月3日【日】)は、GII共同通信社杯の決勝戦で戦ったSS班3人が、舞台を変えて主役の座を争うことになりそうだ。

 本命には南関のエース、郡司浩平を推す。4月川崎記念以来、優勝していないものの、常に決勝戦に乗っているように安定感は群を抜く。ラインが長くなるのは有利。中団まくりで通信社杯8着の雪辱を果たす。

 対抗は新田祐大。本命視された通信社杯は4着。絶好の展開になりながらも敗れたのは、番手戦が得意ではないから。郡司よりも先に仕掛けて逆転がある。

 あとは通信社杯7着の清水裕友と、競ってでも好位を取る稲川翔の一撃を警戒したい。

 11年に同舞台を制した松坂洋平が好調だ。FI戦とはいえ6月松阪で優勝し、通信社杯も後半2連勝と気を吐いた。今回は弟で弟子の侑亮(115期・S2)も参戦する。郡司の番手は誰もがうらやむポジション。印は回らなかったが、表彰台に上るチャンスだ。

 グレード戦で苦戦している森田優弥は、先行一本から戦法に幅を持たせる時期がきているのではないか。ヨコの強さとイン粘りもできる器用さを生かせば、まだまだ伸びるはずだ。

【大穴この1車】

 近藤隆司(千葉・90期)。

 特選スタートのFIで、8月は京王閣(【7】【2】【3】)の準決勝が1万2550円、決勝戦は4万超。その次走の函館(【4】【2】【7】)準決勝は6万超だった。GIIIでも5月函館最終日1着が1万9150円、6月松山2次予選2着が3万超だったように、レースの格にかかわらず、初日はあまり車券に絡んでいない。まくりも打てる自在脚のスロースターターが爆発するのは、2走目か最終日だ。

【狙い目の伏兵3人】

 嶋津拓弥(神奈川・103期)は、4場所前のFI岐阜で完全優勝している。その後やや不甲斐ないレースが続くが、ホームバンクのここで一変する。

 朝倉智仁(茨城・115期)で忘れられないのが、2月いわき平記念(【3】【4】【2】【5】)。今期は2班降級も主導権は必ず取る。マイペースから押し切りがある。

 昨年末に特昇した鈴木陸来(静岡・117期)が前々走の富山(【1】【1】【7】)で、初のファイナリストになった。その前走は小田原記念(【3】【3】【4】【9】)と準決勝に進出したように、S級の流れに慣れてきている。初日は1着から手広く流したい。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

2021/9/29 17:58

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