【自民党総裁選】河野氏の1回目爆発的勝利なさそう 元衆院議員・中田宏氏が分析

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 菅義偉首相(72)の後継を決める自民党総裁選は、29日に投開票を迎える。河野太郎行政改革担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の争いを制するのは誰なのか。また、彼ら彼女らが新総裁・新首相となった場合、どのような政権になるのか。衆院議員4期と横浜市長2期を務めた中田宏氏(57)が28日、投開票の展望と共に、“新政権”の行方を予想した。

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 勝利の可能性は、高い順から岸田氏、高市氏、河野氏、野田氏になると思います。決着は決選投票になるのは間違いないでしょう。1回目の投票では河野氏が勝つと思いますが、総裁選を通じて「河野、大丈夫か」という空気が広がってきており、もくろんでいた1回目での爆発的勝利は望めないでしょう。

 決選投票になれば、2位・3位連合が強くなる。河野氏とは対照的に高市氏の人気が高まっていますが、岸田氏の方が安定した戦いをしている。岸田氏が勝った場合、その次(の総裁)が高市氏という流れができるかもしれません。ただ、河野氏は敗れた場合でも総裁候補としての存在感は残るでしょう。重要ポストに就く可能性もあると思います。

【岸田氏】

 岸田氏は菅政権の延長線上で、現実対応路線を行くでしょう。ガラッと大きく引っ繰り返るような新しい政策を打ち出して進むことは考えにくいですが、経済政策では小泉改革以降から続く新自由主義政策からの転換を主張されています。格差是正へ分配を重視していくので、企業にとっては厳しい政策になる可能性は考えられますよね。

 外交についても現実的に進めるでしょう。安倍政権で外相も努められた経験も踏まえ、対中政策もただ穏健に済ませるという意味ではなく、現実的で安定的な路線を進んでいくと思います。“岸田総裁”で臨む衆院選は、“河野総裁”ほどの大勝にはならないと思いますが、快勝にはなるでしょう。

【高市氏】

 高市氏は、安倍前首相の“アベノミクス”を継承・発展する“サナエノミクス”と呼ばれる経済政策を打ち上げているように、国の財政再建は後回しにしてでも、どんどん財政出動をしていくでしょう。企業や国民にお金が回っていくとは思います。反対はしませんが、将来へのリスクを高めていく不安は残ります。

 外交では厳しい姿勢で挑んでいくでしょう。防衛費の増額に意欲を示しており、国防の増強にも注力するでしょう。そういった政策に対しての中国のリアクションがどうなるのか注目です。

 高市氏の人気は右肩上がり。首相として衆院選に臨んだ場合は河野氏と同様に、自民を大勝に導くことになるでしょう。

【河野氏】

 河野氏が首相となった場合、例えばコロナ対策をはじめとする内政問題について、経済も含めて新しい政策をやっていく期待感はあるでしょうね。デジタルを使う仕組みなども含めて期待はできます。目新しいことをブチ上げるんですが、深い根拠が伴っておらず討論会でも答えがあいまいな場面もあり、政策の現実味で言うと不透明な部分もあります。

 一方で、外交についてはやや不安定で、やってみないと分からない。自身の親族が経営する「日本端子」については内政的にはアキレス腱にもなり得る。追及の的になる可能性があり、その場合求心力が下がっていく可能性があります。ただ、“河野総裁”で総選挙に臨めば、自民は大勝するでしょうね。

【野田氏】

 野田氏は所得の低い人への財政出動をするでしょうが、それは経済の浮揚にはつながりません。そうした意味で経済政策は未知数です。一方で外交については「あるべき論」ばかり。役人が判断を求めてきた際に適切な判断が下せるか。経験不足もそうですが、見識への不安があります。仮に政権を取った場合、中国は喜ぶでしょう。恐らく祝電が来るでしょうね。祝電を受け取ったところから対中外交がスタートすることになるでしょう。

 野田政権での衆院選…。政権を取ることはないでしょうが、仮にそうなったら、野党との主張の差がほとんどないので、どうなるのでしょう。ただ、その場合でも自民党は岸田氏で臨む場合と同様に快勝するでしょうね。

 ◆中田宏(なかだ・ひろし)1964年9月20日生まれ、横浜市出身。青山学院大卒業後、松下政経塾入塾。93年、衆院議員初当選(通算4期)。2002年、政令市最年少で横浜市長当選(通算2期)。現在、シンクタンク「日本の構造研究所」代表、青学大学長アドバイザーなどを務める。近著に「外食力」、「忙しい人のための死ぬまで太らないカラダの作り方」など。家族は妻と2女。

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  • 9/29 5:59
  • デイリースポーツ

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