ひろゆきが提言する「子どもをいじめから救う唯一の方法」

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

 子どもを育てる親にとって、常につきまとう「いじめ」問題。著書『僕が親ならこう育てるね』でもいじめ問題について取り上げているひろゆき氏は「いじめの根絶は難しい」と語る。その理由とは?

◆いじめは解決ではなく「回避」を考える

――子育てする親にとって、「いじめ」は重要なテーマです。

ひろゆき:「いじめ」問題は避けては通れない道です。でも、「いじめをなくそう」と声高に叫ぶ人を見るにつけ、願望と現実の違いを理解していない人が多いなあと思うんです。

 大人の職場でもパワハラなどといった形で、いじめ問題が勃発して、いまだ解決できていないのに、子どもたちの間からなくすことが本当にできるでしょうか。本当にいじめをなくせるならば、1000年前にもう撲滅していると思うんですよね。

 そう考えると、人間が集団で生活している以上、いじめをなくすのは無理なのだから、解決ではなく「いじめを回避する方法を」考えることだと思いますね。

◆子どもに「損得」で理解させるのは難しい

――では、どう回避すればいいですか?

ひろゆき;まず「いじめはなぜ起こるのか?」ですが、人間は類人猿のころから集団生活の中に異物が混入すると、排除しようとしてきました。特に、島国の日本では排除することで仲間意識を強くする方法をやりがちですよね。

 これは人間の習性なので、どうしようもありませんが、いじめを回避する方法の一つとしてあるのが、人を排除するコストを高くするというものです。つまり、「こいつを排除しようとするのは損だ」と思わせればいいわけです。

 ただ、子どもの場合、コミュニティ全体の損や利益、自分が受けるデメリットを論理的に理解するのがまだ難しい。そこで、物理的に「肉体を強くすること」もひとつの手です。いじめの解決が難しい以上、回避するためには筋トレをしたり、格闘技を習ったりするのが現実的な正解だと思うのです。

◆「いじめを見つけたら止めるべき」はリスク

――格闘技を習えば、いじめを止めることもできますね。

ひろゆき:誰かがいじめられているのを止めるのは、善悪で捉えるなら正しい行為です。しかし、排除しようとしている多数派の行動に異を唱えるのは、その人自身が異物である証明にもなり、結果、いじめのターゲットに繫がります。

「いじめを見つけたら止めるべき」という主張は、集団の外という安全圏にいる人間が言えることであって、集団の中で誰も守ってくれない状態にいるときは単なるリスクでしかありません。

◆「いじめをする側の論理」を理解しておく

――子どもをいじめから遠ざけるためにほかに親ができることはありますか?

ひろゆき:ここで必要なのは、目の前のいじめに対し、多数派の人がどういう理由でいじめているのかを理解することです。当然ながら、その理由に納得する必要はないのですが、いじめをする側がどういう論理でいじめを正当化しているのかを理解することは、とても重要なことです。

 そのうえで、いじめをすることのデメリットをきちんと相手に明示できればいいんですが、そこまでできる人は、大人にもなかなか存在しないので、難しいでしょうね。やっぱりいじめを止めるには、体を鍛えるのが現実的かもしれませんね。

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。『僕が親ならこう育てるね』という初の子育て論本が発売。著者印税は児童養護施設へのパソコン寄贈に充てられる

2021/9/28 11:54

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