佐藤健の集中力にベテラン阿部寛も絶賛、11年ぶりの共演で感じたこと

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若手実力派俳優のトップランナーとして、数々の作品で強い存在感を示している俳優・佐藤健と、円熟味を増す演技で若い世代の憧れの俳優として活躍する阿部寛。そんな実力派の二人がタッグを組んだのが、映画『護られなかった者たちへ』だ(10月1日公開)。共演は2010年公開の映画『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』以来となる佐藤と阿部。現場ではどんな思いで作品に向き合っていたのだろうか。

 

『TRICK』シリーズが大好きだったという佐藤にとって、作品で主演を務める阿部は憧れの存在だったという。2010年に公開された映画『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』への出演が叶い念願だった阿部と共演。当時を振り返り佐藤は「目の前で阿部さんがお芝居をされているのを見て、本当に感動したことを覚えています」と語っていたが、そこから佐藤も自身の代表作となる『るろうに剣心』シリーズをはじめ、さまざまな作品で主役を務めるなど大活躍を遂げる。


そこから11年の歳月を経て、佐藤は連続殺人事件の容疑者、阿部は佐藤を追う刑事という関係性で共演を果たした。佐藤は「今回は、肉体的にも精神的にも割とハードなシーンでご一緒することがほとんどでしたが、阿部さんだったら思い切りぶつかっていっても受け止めてくれるだろうという思いがありました」と絶大なる信頼で挑んでいった。

そんな佐藤に対して阿部も「現場で役に入り込むタイプと聞いていたのですが、その通り本当に高い集中力を持って臨んでいるのを見させていただきました。いろいろなものを感じながら、とてもいい影響を与えてもらいました」と賞賛する。

佐藤は劇中、容疑者として刑事役の阿部に長い距離追いかけられるシーンがある。佐藤は「一回のテイクで走る距離が長いんです」と苦笑いを浮かべると「僕はこれまでの作品でも、結構走るシーンは経験していましたが、今回は本当にきつかった。翌日かなりの筋肉痛になりました」と告白。しかし、撮影日の次の日に会った阿部は涼しい顔をしていたという。佐藤は「全然大丈夫なのか、やっぱりすごいな」と思ったというが、実は阿部は、その後半年近く足の不調に苦しんだという。阿部は「年をとると時間差で体にくるんだよね」と懐かしそうに撮影を振り返っていた。


東日本大震災から10年目の宮城県を舞台に、生活保護を巡って起こった連続殺人事件の謎に迫るという本作。非常に重いテーマが内在するが、佐藤は「生活保護というシステムに対する問題点に焦点を当てている作品。僕自身そこまで生活保護に関することに詳しくなかったのですが、この作品を通してシステムの理不尽さに苦しむ人々の代弁者になれればいいのかなと思った」と題材に惹かれた理由を説明する。


一方の阿部は、「震災から10年、その現場に行かなければ届かない思いというものがあると感じました。そこを瀬々敬久監督がどういう風に描くのかということに興味があり、是非やりたいと思ったんです」とオファーを受けた理由を述べると「撮影現場では、本当に生々しい震災直後の姿が再現されていて、その場に立ったとき、考えさせられることがたくさんありました」と強く心に残る撮影だったという。


続けて阿部は「震災によって生活保護を受けざるを得ない状況になっても、みんな我慢してしまう。しかも我慢することが正しいことであるような雰囲気によって、声を上げたくても上げられなくなってしまう。こういう感覚ってある意味で日本人らしいなと思うのですが、それは違うんだということが作品のテーマになっていると思います」と作品を通して感じたことを明かす。


ギリギリまで追い詰められた人々。それでも自身のプライドをかけて譲れないことのために歯を食いしばる……そんな光景が作品のなかには出てくる。長く一線級で活躍する佐藤や阿部にも、こうした譲れないことはあるのだろうか――。


佐藤は「基本的には柔軟でいたいという思いがあるので、あまり自分自身で枷を作って、それに沿って進もうというタイプではないんですよね」と語ると「まあ、敢えて言うなら12時以降にはあまり糖質をとらないようにしていますね。とは言いつつ、そう決めていても結局は食べちゃうんですけれどね。あとはクーラーをつけっぱなしで寝ないってことぐらいかな。やっぱりこの仕事は身体が資本ですからね」と笑う。


阿部も「あまりそういうことは考えないかな。でもベストコンディションで現場に入れるようには意識して生活はしています」と体調に気をつけることが最優先だという。


本作はコロナ禍で撮影が行われた。途中撮影が延期になった時期もあり、完成までには、多くの壁が立ちはだかった。


佐藤は「本当に諦めなければならないかも……と思った時期もありました」と胸の内を明かすと「それでも多くの方々の協力のもと、なんとか撮影ができました」と周囲への感謝を述べると、阿部も「瀬々監督のチームは、みんなまっすぐに作品に向かっていく人たちばかりだったので、大変な状況下ですが、みんなで一丸となって責任感を持って臨めた現場でした」とチームワークの良さを強調していた。


佐藤、阿部共に「俳優に自由に芝居をさせてくれる」と瀬々監督の現場の特徴を語る。だからこそ、互いの呼吸や信頼関係が大切になってくる。


佐藤は「監督からの細かい指示はまったくないので、それぞれが自分自身で芝居を選択していくんです。完全に信頼関係がないとできないのですが、だからこそハマったときは本当に楽しい。阿部さんは、僕がなにをしてもしっかりと受け止めてくださいました。とてもありがたかったです」と感謝を述べると、阿部も「健くんが、(佐藤が演じた)利根でいてくれたので、こちらも思う存分向き合うことができました」と佐藤の役への理解度に敬意を表していた。



クレジット一覧

取材・文:磯部正和

撮影:友野雄(Tomono Yu)


【佐藤健】

ヘアメイク:古久保英人(OTIE)

スタイリスト:橋本敦(KiKi inc.)


【阿部寛】
ヘアメイク:AZUMA(M-rep MONDO-artist group)
スタイリスト:土屋シドウ


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  • dwango.jp news

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