お前がやったのか……。怪談「不思議な職業」

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※本記事では、怪談話をご紹介します。ホラーが苦手な方はお控えください。

僕が大学生の時に体験した出来事です。

その日、僕がよく使う駅では電車の遅延が発生していました。そのせいで、駅の構内も混雑していたんです。

僕は待ち合いのベンチに座っていたのですが、電車を待つ人たちが徐々にホームに集まってきました。

列も長くなってきた頃、ようやく構内に「電車がまいります」とアナウンスが流れました。

その時、僕の右隣に人が座ったんです。この日は、長袖のTシャツ1枚で快適に過ごせるくらいの気温でした。なのに、その人は丈の長いコートを着ていたんです。しかも、ハットを被ってマスクまでして。

見るからに怪しい人だとは思ったのですが、何か変な荷物を持っているわけでもなかったので、気にしないようにしました。そろそろ電車も来る頃でしたし。

そして、立ち上がろうとした時でした。

「うわぁ!」という大きな声が聞こえたと同時に、僕の位置からちょうど斜め前あたりの列に並んでいたおじさんが、突然転んだんです。

線路の方に向かって。

電車がちょうどホームに到着した瞬間だったので、そのおじさんははねられてしまいました。

「パーンッ」という大きな音がして、構内はパニック状態。僕自身も初めてそんな光景を見たので、やばいものを見ちゃった……と呆然としていました。

そんな騒然としている現場で、僕の横にいるコートを着た人物は微動だにしていない。

それに違和感があって、その人物をバレないように観察していると、パッと立ち上がり、どこかに電話をかけ始めました。

「あ……もしもし、今終わりましたぁ」

たしかに、そう言ってました。

これはもしかしたらの話ですが、そういう、何か人の生死に関わるような職業の方だったのかもしれません。もちろん、その方が“生きている人間”だとは限りませんが。

(監修:シークエンスはやとも、文:蜂賀三月)

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