立ち食いそば250店以上を食べた私が秋葉原~御徒町で1番通っているそば屋がこちら / 立ち食いそば放浪記:第274回

秋葉原~御徒町は立ち食いそばの激戦区として知られている。富士そば、ゆで太郎、小諸そばなどの大手チェーン店だけではなく、『二葉』、『川一』など個人店で名店と呼ばれる店も集中しているためだ。

どの店に行こうか? 選択肢が多すぎて悩むレベル。しかし、近所に住んでいる私(中澤)には、結局いつも行ってしまうそば屋がある。なんだかんだで最終的にはここに来てるんだよな。

・みのがさ

その店の名前は『みのがさ』。岩本町の本店、神田和泉町店、蔵前橋通り店と、秋葉原~御徒町にかけて3店舗を展開する立ち食いそば屋だ。信州産プレミアム蕎麦粉「戸隠」を使用しており、その道45年の職人が毎朝打ったそばが出されているこの店。立ち食いそば屋の特集などでは常連なのでファンの間ではよく知られている。

しかしながら、個人的には初めて食べた時の評価はそこまででもなかった。川一、もしくは今は無き『あきば』の方が、そばやつゆの味に対する感動が大きかったのである。では、現在、なぜそんな『みのがさ』ばかり通ってしまっているのか? 理由は以下の通り。

・バランス

立ち食いそば屋にガチでウマイそばを期待する人はそんなにいないと思う。どちらかと言うと、多くの人は、ちょっと安めの街の定食屋くらいのノリで行くのではないだろうか。『みのがさ』はこの街の定食屋としてのバランスがとても良い塩梅なのである。

具体的に言うと、セットのご飯ものがウマイ。まず、米がウマイ。山形産はえぬきを使用したご飯は甘み豊かで粒立ちも感じられる。そんな米の旨味がハッキリ分かるのが焼肉丼だ。

生姜焼き風の味がしっかりついた豚肉は米の甘みを引き立てており、一粒一粒がタレの味とハーモニーを奏でるようなのである。これがセットで600円なのは嬉しい限り。

さらに、カレーもウマイことで知られている。懐かしさを感じさせる味なのだが、濃厚かつ出汁の風味がするトロみのあるルーは、ふとした瞬間に食べたくなる味No.1だ。

そんなご飯ものと一緒に食べると、主張しすぎないめんつゆっぽい味のつゆや、細めの麺がちょうど良い存在感となる。『二葉』『川一』『かめや』には、ご飯もののセット自体がないし、『三丁目』にはカレーがあるが、ここまでこだわりの味ではない。『よもだそば』は実験的だしなあ。

そのため、特に食べるものが決まってない時に頭に浮かんでくるのはいつもこの店の焼肉丼セット。吉野家とか松屋行くよりは、みのがさに行ってそばも一緒に食べるかってくらいのノリだ。ちなみに、個人的には焼肉丼は蔵前橋通り店、カレーは神田和泉町店か本店がウマイような気がする。

・営業時間

上記の時点で、結構みのがさばかりになるのだが、極めつけは営業時間。たまに、川一のそばも食べたくなってフラッと前を通りかかっても営業していないことが多い。元から、川一は土・日・祝が定休日だが、コロナ禍以降、平日も休んでいたり、営業時間が狭まったりで、私の仕事の合間の昼の時間と合わなくなってしまった。

これに代表されるように、秋葉原の名店は土・日・祝が休みな店が多いのだが、みのがさ神田和泉町店は毎日やっている。そのため、「ここも休みかー」という感じで回って行ってたどり着くのは必ずみのがさ神田和泉町店なのだ。まさに秋葉原の最後の砦。

つまるところ、みのがさは色んな面で最も使い勝手の良い店なのである。最初は「そこまでか?」とも思ったが、住んで分かったみのがさの良さ。通える店とはこういう店のことを言うのかもしれない。

執筆:中澤星児

Photo:Rocketnews24.

2021/9/27 12:00

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