1.5リットルのコカ・コーラを勢いよく飲み干した後に死亡した男性(中国)

今年4月20日、科学および医学出版物の書誌データベースが掲載されているWebサイト『ScienceDirect』に「コーラの原因による肝臓の膨張」と題して亡くなった中国人男性の症例が掲載された。最近になってこの症例について海外メディアが伝えたことで注目を集めているようだ。

男性が亡くなった時期は明らかにされていないが、当時22歳の中国在住の男性は夏の暑い時期に喉の渇きを癒すため1.5リットルのコカ・コーラを10分ほどで勢いよく飲み干したとのことだ。そしてその6時間後、腹部に膨満感と激しい痛みを感じ始めたという。

男性はすぐに北京市内にある首都医科大学附属北京朝陽医院を訪れて検査を受けることとなった。男性はもともと健康上の問題はなかったが、この時すでに呼吸が早く心拍数の上昇や血圧の低下が見られたそうだ。そしてCTスキャン検査により、腸内に大量のガスが溜まっていることが判明した。

英メディア『The Mirror』によると、このガスが門脈(肝臓へ向かう部分の血管)にまで達し、血液や酸素の供給不足で肝臓全体が損傷してしまう「虚血性肝炎」を引き起こしたようだ。病院では男性の肝臓を保護するために薬の投与などを試みたが、治療から18時間後に男性は息を引き取ってしまったという。

『ScienceDirect』には同病院の医師らによって「コーラが原因」と報告されているが、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの生化学者のネイサン・デイヴィス教授(Nathan Davies)は「炭酸飲料水が原因で死亡したと結論づけるほど十分な証拠が揃っていない」と異議を唱えた。

またデイヴィス教授は「この男性は細菌による感染症を起こしていた可能性がある」として「肝臓への酸素供給が遮断された原因も炭酸飲料水では説明がつかない」と指摘しており、結論を出すには更なる調査が必要だと述べている。

しかしながら心血管疾患の危険因子を特定するための長期研究プロジェクト「米国フラミンガム心臓研究」によると、一日に1缶の炭酸清涼飲料を摂取することにより肥満や2型糖尿病、心臓発作のリスクが増加するとともに脳卒中や記憶力の低下、脳体積の減少による認知症を招く要因に繋がるとのことだ。

画像は『New York Post 2021年9月24日付「Chinese man dies after chugging 1.5L bottle of Coca-Cola in 10 minutes」(Courtesy of Elsevier)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

2021/9/27 5:00

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